仲良くなれるなんて幻想

最近、ようつべで海外のドキュメントを見ている。
その中でも面白かったのが、危険動物をペットとして飼っていて
結果そのペットに殺された飼い主の特集である。

海外では虎やライオンをペットとして
飼っている奇特な人がいるらしい。
その人たちは猛獣である虎やライオンと
仲良くなれると言って、近づいたり
撫でたりしているのだ。家の敷地に
20頭くらい虎を飼っている人もいたりする。

彼らは人間関係がうまくいかないゆえに
動物に対して異常なほどの親近感を求めて
接している。虎やライオンたちは自分を家族と
思っているから、攻撃なんてしてこないましてや
自分の言うことを聞いてくれるとさえ信じている。

結果、そうした過信が悲劇を生むことになる。
人を襲った動物は人間の世界で生きていけない。
ほとんどの場合殺される運命にある。でも彼らに罪はないのだ。
彼らは彼らの価値観でしか生きられないからだ。
言葉が通じない動物というものに、人間の道理を理解せよなんて
そういう考え方こそがおこがましいのだ。
言葉で意思疎通できる人間でさえ、関係がうまくいかなくなって
殺し合いにさえなるのに、人と動物の関係が純粋なものなんて保証は
どこにもないのだ。

人間にできることは、せいぜい野生の動物たちが
人間に近寄らないで幸せに暮らしていく環境を整えてあげるくらいなのだ。
それをそっと見守ることを愛情や絆といわないのだろうか。