まずは、やはり話題にもなった、日本人スタッフが担当した見事なメイクにより、これがゲイリー・オールドマンか?と思わせるくらいに丸顔のチャーチル首相になりきった演技が見もの。
元々頑固一徹の性格だったようだが、一方で温厚なところもあり、妻も愛する人間味あふれたイギリスの首相が、ナチス・ドイツと徹底抗戦するのか、和平協定を結ぶのかの難しい選択を迫られる苦闘はよく描かれている。
ただ、途中の展開がやや退屈で、クライマックスになって市民との直接対話に踏み切り、徹底抗戦を選択するところでようやくヒーローとしての姿が見られるところが注目ポイントか。
「ダンケルク」の映画と少しシンクロするところもあるが、ここらでもう少し戦闘のシーンもあった方が展開にメリハリがあったかもしれないし、タイピストの目を通して描いたチャーチルの人物像を描くのなら、初めから脚本での一ひねりもあった方が、映画として見応えあるものになっていたのでは思うのだが。
★58点
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