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2018年03月22日09:02

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レユニオン島100マイル(163km)レース(長文失礼)

昨日NHKのBS1で昨年10月に開催された仏領レユニオン島100マイル(163km)レースの模様を放送していた。

レユニオン島はインド洋にある島であり、その美しい自然で世界遺産となっている。世界中から集まった約2000名のランナーが標高2000m級の絶壁が並ぶ山を24時間から60時間かけて走る。コースガイドを見るとスタート地点からゴール地点までに3回ピークがある。100km走った地点で、最大の難所である2000m級の絶壁が目前に現れて、ここで心が折れてリタイアする人も多いという。(完走率は6割程度)
このようなハードなレースは山岳レースとかウルトラ・トレイル・レースとか呼ばれる。
私は年間15回トレイルランやマラソンに参加しているため、興味を持って視聴した。
個人的な経験によると、このようなレースで通常絶壁を前に心が折れることはない。逆にチャレンジ精神を鼓舞される人も多いはずである。私はトレイルランレースで1000m級の山はよく走っているため、2000m級の山なら、一回だけなら何とか走れそうな気がする。勾配の大きさはあまり問題ではない。今回のレースの最大の問題は距離の長さと気温だろう。
私が走るトレイルランレースは大体10kmである。一度だけ25kmのトレイルランを走ったことがあるが、二度と同じ距離を走りたいとは思わない。今回のように163kmとなるとそのきつさは想像もつかない。
また、レユニオン島100マイルレースのもうひとつの問題は暑さである。山の上は気温35度くらいになるというので、これはかなりきつい。
今回のレースで我が国の山岳レースの第一人者であるプロランナー鏑木毅が参戦していたが、ヨーロッパや南米の山岳レースで世界3位にもなったこともある彼が今回は44位と惨敗していた。理由は暑さである。彼は寒さには強いが暑さに弱いらしい。

このTV番組で驚いたのは、トップランナーの走る模様を後方や前方からハンドムービーで動画撮影していることである。
山を登るトップランナーの模様を動画撮影しようとすれば、たとえ短距離であれ、カメラマンも彼と同じスピードで山を走らなければ撮影できない。カメラマンのプロ根性には頭が下がる思いがした。
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この番組が秀逸だったのは、レースの模様をサスペンス映画風にうまく紹介していたことである。今回は下記の5名の選手の試合運びを説明していた。ほとんどの選手の名前は忘れたので一部アルファベットで代用する。

登場人物は下記の6人である。

アメリカの弾丸A
フランスの英雄メトロノームB
Bの知人であるフランス人C
日本のプロランナー高宮
高宮の後輩の日本のD
日本の山岳レース第一人者鏑木毅

アメリカの弾丸Aは元中距離の選手で、若さと抜群のスタミナを誇る。最初からぶっちぎりで驚異的なスピードで先頭を走っていたが、100kmくらいから調子がおかしくなり、残り数10kmのところで無念のリタイア。炭水化物が不足する低糖症になったらしい、(暑さによる食欲不振でパスタを食べることもできなかったようだ)
「ウサイン・ボルトでさえ、長く速く走れば亀に負ける。人間は長く速くは走れないものさ。」とフランスの英雄メトロノームBは言っていたが、まさにその通りになった。

一方、今回で11度目の出場の経験豊富なフランスの英雄メトロノームBは、メトロノームのように終始同じペースでレースを刻み、最後は2位でゴールイン。

優勝したのは、メトロノームBの後ろにずっとついて走り、最後の10kmでスパートした無名ランナーのCだった。

元大学駅伝選手で日本のプロランナー高宮は最初は後輩のDにも遅れて、41位だったが、途中からどんどん加速して後輩も抜いて、最後は10位でゴールイン。おそらく「このレースで上位に入らなければ引退する!」と決めていた彼の覚悟が好成績につながったのだろう。

暑さに弱い、鏑木毅は44位でゴールイン。

途中まで誰が優勝するかわからず、はらはらどきどきでなかなか面白い番組だった。しかしランナーが途中のエイドでサポートの人や家族と普通に会話をしているのが信じられない。私などはレースで疲労困憊すると自分だけの世界に入り込み、人と話などしたくなくなるのだが、、
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