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2018年02月26日22:14

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ワインガルトナー ブラームス交響曲全集ほか

前回の日記でワインガルトナーのベートーヴェン交響曲全集を
取り上げたので、
今回は、ブラームス交響曲全集である。
ブラームスから高く評価されたとか、史上初のブラームス交響曲全集とか
いろいろな意味で価値が高いもの。

ブラームス 交響曲全集

交響曲第1番:ロンドン響   1939年2月18日録音
交響曲第2番:ロンドンフィル 1940年2月26日録音
交響曲第3番:ロンドンフィル 1938年10月6日録音
交響曲第4番:ロンドン響   1938年2月14日録音

聴いてまず感じたことは、
ベートーヴェンはSPでもじゅうぶんいけるが
ブラームスはけっこう厳しいのかなということ。
トロンボーンやティンパニの力強さが出せないし
テンポが速いとサラサラと音楽が流れていく感じ。

その悪条件を越えて、聴きごたえがあるのが
第2番と第3番。
2番など、ほんとうに余計なことは何もしない
正攻法の演奏。
全曲中、これが最後の録音ということもあって
オケの響きがいちばん良く入っているのが大きい。
これでオケがウィーンフィルならいうことはないのだが。

第3番も同様な演奏だが、第3楽章では
歌うところはテンポを落としてしっかりと歌う。

第4番フィナーレでは、珍しくテンポを速めず
丁寧に音楽を進めていくのが良い。

ただし、第1番は淡々としていて、音楽がさっと過ぎる
感じだし、
全集を通じて、ブラームスらしい、濃い味わいが
欲しい気もした。

つぎは編集盤2CD。

20世紀の不滅の大指揮者たち〜フェリックス・ワインガルトナー

●ベートーヴェン:「プロメテウスの創造物」序曲/VPO('36) O
●ベートーヴェン:交響曲第2番 /LSO('38)
●ベルリオーズ:トロイ人の行進/PCO('39)
●ウェーバー(ワインガルトナー編):舞踏への勧誘/PCO('38)
●ブラームス:交響曲第3番/LPO('38)

●モーツァルト:交響曲第39番/LPO('40)
●ワーグナー:「リエンツィ」序曲/PCO('39)
●ワーグナー:ジークフリート牧歌/PCO('38)
●リスト:交響詩「レ・プレリュード」/LSO('40)
●リスト:メフィスト・ワルツ第1番/LSO('40)

音質は、かなり強めにノイズリダクションをかけたようで
ノイズはまったくないが、
音質がやや低域寄りで、もう少し冴えた音色が欲しいが
まあ、許容範囲だろう。
ベートーヴェンとブラームスの交響曲は全集と同じ録音。

ブラームスの交響曲では、いろいろな不満を感じたが
「プロメテウスの創造物」序曲では、まったくそれを感じさせない。
まさに、ベートーヴェンそのものの演奏。
ウィーンフィルも見事。

モーツァルトはなぜか録音が悪かった。
それ以外は、選曲、演奏ともに良く、
師匠のリストの交響詩など、歴史的意味も含めて、
価値の高いものだが、
落ち着いたテンポのなか、メロディをたっぷりと歌わせた
名演だ。

今回まとめて、ワインガルトナーの演奏を聴いて
巨匠の至芸を楽しむことができた。
メンゲルベルク、フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュといった
偉大な指揮者の演奏との比較も実に興味深いものがある。

3月のピアノの本番が終わったら
今度はトスカニーニをまとめて聴こうと思っている。



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