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2018年01月10日21:22

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新春歌舞伎@浅草公会堂〜都響第846回B定期@サントリーホール

毎年正月には浅草公会堂で若手中心に歌舞伎の公演がありますが、ワタシは今回が初めて
演目の伏見稲荷鳥居前の場は、千本桜通し上演でもなければ単独で観る機会はありません
ワタシが前回観たのは2013年、その時四天王を演じた歌昇(当時種太郎)・種之助兄弟が今回
は弁慶と義経をやるという、かつての凛凛しい少年が姿も声も立派な大人になられて、ヨヨヨと
いうところです

種之助君は、昨年11月に歌舞伎座ギャラリーでトークショーがあったのですが、発売と同時に
完売となり、ワタシは拝聴叶いませんでした
人気のほどがわかります
本日の狐忠信は中村隼人君で、これまたイケメン人気、それなのに播磨屋、萬屋の掛け声は
ありません
見栄を切る場面は多かったんですけどね
歌舞伎座ではなく、客層が違うのか、若手にはチヤホヤしない慣わしなのか

30分の休憩を挟んで、メインの演目は真山青果作の新作歌舞伎、元禄忠臣蔵から御浜御殿綱
豊卿の場、主人公綱豊は後の第六代将軍家宣です
この芝居は仮名手本忠臣蔵のように時代読み替えはありませんので、タイトル通り、時は元禄
松の廊下での刃傷沙汰の末に浅野家はお家断絶となりますが、その浅野家に再興の話が
持ち上がっている
しかし浅野家を再興すれば吉良に対して仇討ちをすることはできなくなる
武士としてどちらを取るべきかというディレンマがテーマです

どうにも新春歌舞伎にしては地味な演目を取り上げたものです
これといって派手な見せ場もなく、ひたすら自問自答あるいは激しい意見の応酬という
セリフ劇であります
家臣のため浅野家再興を願いつつ、一方で主君の無念を晴らすべく吉良を打ち取らせたい
綱豊卿の苦悩、それを知ってか知らずしてか直情径行的に吉良討つべしに燃える浪士
富森助右衛門、それぞれ尾上松也と坂東巳之助が演じます
TVではチャラ男のイメージが強い松也君ですが、長台詞を滔々と述べ、その風格に初めて
「音羽屋」のかけ声を受けます(やはり屋号をめったやたらに掛けるのではないのですね)

結局結論は出ぬまま、とても難解な作品でありました(イヤフォンガイドも使わず、公演パン
フも購入しなかったので)
新作とは言えセリフは古語ですから、果たして正しく理解できたかどうか怪しいものですが
それでも若手のチャレンジ精神は充分伝わりましたので、心から拍手を贈りましょう

さて、浅草見物と他の野暮用を済ませて六本木に移動、夜の部は都響の定期です
マエストロ大野の指揮で、R.シュトラスの組曲「町人貴族」とツェムリンスキーの交響詩
「人魚姫」、室内楽の編成の洒脱な曲と、フルオーケストラによる、マエストロの表現に
依るならば「ゴージャスサウンド」の一大スペクタクル
いずれも都響の美音に相応しいプログラミングでした

町人貴族は「ナクソス島のアリアドネ」の原型であり、そのため編成はアリアドネと同じく
ピアノを含む36人という少数精鋭、マエストロは指揮台に乗らず同じ高さで振りました
緻密なアンサンブルが要求され、トランペットがちょっとこけたのが目立って惜しかった

人魚姫は昨年上岡さん指揮の新日フィルで聴いておりますが、このときが初めて
なので、聴き比べなどとても無理ではありますが、上岡さんの時の印象は耽美的であり、
今回はカラフルできらびやかでありました
まさしく昨日の続きで映画音楽の世界です
お二人とも暗譜で、こんなレアなレパートリーをよくもまぁと言う感じです
どちらに軍配を上げるかの裁定はワタシ如きの下すことではありません(東条さんが
お聴きになっていれば、プロのご意見に任せましょう)


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