mixiユーザー(id:28135846)

2017年11月19日17:25

1071 view

コンセルトヘボウのマーラーを継ぐもの・・・ロイヤルコンセルトヘボウ2017日本ツアー京都公演

美しい、美しい、美しい、美しい、美しいマーラー。

京都 京都コンサートホール
京都の秋音楽祭2017
富士電機スーパーコンサート Royal Concertgebouw Orchestra
ダニエレ・ガッティ指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
チェロ独奏 タチアナ・ヴァシリエヴァ 
ハイドン:チェロ協奏曲第1番 ハ長調 Hob.VIIb-1
マーラー:交響曲第4番 ト長調(ソプラノ:マリン・ビストレム)

まず、素直に昨年首席指揮者に就任したガッティ氏が素晴らしい指揮者であること、そしてなにより、今回の京都公演でマーラーの4番を選んでくれたこと、この幸運を喜びたい。コンセルトヘボウのマラ4が聴ける、などという機会が、今後二度とあるとは思い難い。だから、ぐすたふくん、今シーズンの外来オケの演奏会に、このコンサートをただ一つ選んだんです。そして、その選択は間違いではなかった。

ガッティ氏の描き出すマーラーは、コンセルトヘボウの蕩けるような美音とあいまって、まさに「陶然とする」ような時間をくれる。こういうマラ4を僕は聴き、体験したかったんだ、と心の底から思いましたね。ずっとずっと。聴きたい聴きたいと待ち望んでいた音がここにある。柔らかな弦の響きの上に咲く、華やかな管の花・・・こういう比喩は、あまりに陳腐にすぎるし、そんな言説を改めてコンセルトヘボウの音について記すること自体が滑稽かつ失礼なのかもしれない。でも、改めて僕自身がこの機会を得たことへの、何とも言えない幸福感に満たされていたということ、それをあえてここに記録しておこうと思うんです。消えることのない、今の生の思い出として。

全暗譜のガッティ氏の棒は、流麗極まりない軌跡で美しい旋律を描きだし、そしてなによりも、音楽の句読点の明瞭なこと! 丸や点が打たれる時の無音の美しさ、一くさりのフレーズが収まるときの芳香、さりげなく添えられるポルタメントの胸を打つ魅力などなど、細かな美点を上げていけばきりがない。そして、その一つ一つがコンセルトヘボウという名器によって奏でられる極上の音楽は、まさに「他では代えることのできない」もの。

これが、「コンセルトヘボウのマーラー」なんだなあ・・・そして、それを継ぐ人が、ちゃんとここに現れたんだ・・・・プログラムにもあったけど、ガッティ氏は、コンセルトヘボウからマーラーを振ってくださいと言われるのを待っていた、という。そして、その言葉を得て、これから毎年のように一つ一つとマーラーを重ねていくのだという。素晴らしいことですね。

このコンビのこれから、このコンビのマーラー・・・・MTT/SFSのマーラーが一区切りとなってさみしく思っていたぐすたふくん、また一つ楽しみが増えました。

ただ、今日の演奏、一つだけ残念だったことを上げるなら・・・それは、マラ4のソプラノ。実は、予定されていたソリスト(ユリア・クライター氏)が体調不良で降板しての代役だったよう(実は、聴きに来て初めて知った次第)。このソプラノ、どちらかというとメゾに近い声質で、今一つ抜けが悪く、こもりがちに聞こえる。そんなもので、「聖母マルタ」の下りなどの弱音での大見得において、どうしても聖性や天国性といったものが現出してこないんですよ。だから、そこまでのコンセルトヘボウの美音が、ややくすんでしまったように感じられました(少なくとも僕には)。その点、当初の予定のソプラノだったらどうだったろう、と思ってしまいましたね。

でも、美音といえば、ハイドンでソロをとった首席チェロ奏者の柔らかで抜けがいい美音もすばらしいの一言。この美音が、バックのコンセルトヘボウと溶け合うときの色合いと肌触りの快感といったら!!

この音、やはり唯一無二、なんでしょうね。このコンビ、またぜひ聴かせていただきたいものです。当然、マーラーを!!





4 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2017年11月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930