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2017年09月08日21:03

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東京美術館巡り(最終回)

東京美術館巡りの最後は 東京都美術館でやっている「院展」である。

日本美術院の展覧会は  ずっと名古屋で観てきた。

でも、名古屋で観ると、東京で観る絵の半分しか見られないことを知り、「やはり東京まで行って観なければ」と思って、この時期に 東京に観に行くようになってから3回目の院展であった。

5人くらいの同人の人たちが集まって 座談会をしているのを聞いたのが 2年前で、去年は同人の伊藤氏のギャラリートークを聴いた。

今年は、平塚市美術館館長の草薙氏のギャラリートークがあるというので、それが目当てで出かけた。

これまで平塚市美術館の館長の話は聞いたことが無かった。

院展で 外部の人のギャラリートークをやるのは おそらく初めてのことであろう。

どんなお話が聞けるのかと思ったら、なかなか辛口の話で驚いた。

絶対に 院展の画家からは出てこない話だった。

「絵描きというのは 死んだ後も 認められなければならない。」

「院展の人たちは 丁寧に描いている。うまくまとめている。しかし、もっと強さが出ても良いのではないか。」

自己主張が弱い。

院展の画家の人のギャラリートークでは、絶対に同人の人の作品を批評することはしないが、草薙氏は 批評していた。

例えば、今回 内閣総理大臣賞をもらった小田野尚之氏の「小さな駅」については、「真面目で丁寧に描いている。しかし、もう一つ 意図が伝わってこない。」

何人かの作品を見ながら、個性的な作品を褒めていた。

村上裕二氏の作品は 独特な 青い色彩が特徴であるが、その作品については褒めていた。


また、川崎麻央氏の作品を紹介し、ご本人もいらっしゃったので、説明してもらった。

この川崎麻央氏の作品こそ独特な感じだった。

「人の心に巣食う也」というタイトルで、神楽の絵だったのだが、刷毛やヘラを使って描いていた。

ちなみに、川崎麻央氏は 東京藝術大学の大学院の皆様の中で 一等賞をもらった人らしい。

この絵のインパクトは凄いなあ。と、思った。


去年 奨励賞をもらった人は 今年は無鑑査なので、何だか気が抜けたような絵を描いているなあ。と、素人ながら思ってしまった作品もあった。

名指しすることはしないが、「見れば分かる」と思う。



268点の絵が展示されていたが、印象に残る絵というのは少ないなあ。と、思った。

綺麗で 丁寧に描いている絵がほとんどだが、インパクトがない。

こちらに訴えかける絵は 少ないなあ。と、思った。


そんな中で、初入選だが 印象に残る作品があった。
甲村有未菜 「サボテンの花」である。これは 他の作品とは全く違った感じで良かった。
これから彼女の活躍を期待したい。


平塚市美術館の草薙氏の話は いちいち納得のいく話だった。

そんな中で 愛知県立芸術大学と山形県の学校のことを褒めていて、何だか嬉しかった。

頑張っている学校なのだと 認められた。

愛知県民として嬉しく思った。


この先 日本画は どうなっていくのだろう?

もっと院展が 頑張ってもらいたい。日本画を牽引してもらいたい。

日展も 毎年のように見ているが(名古屋展なので絵は半分だと思うが)、何だか 絵のレベルが下がってきたように感じたのは 私だけだろうか?

私は素人なのだが、毎年 同じ画家が 同じような絵ばかり描いていて、ご自分が 飽きてこないのかな。と、思ってしまう。

院展でも 1回入選したら それと同じような絵ばかり描いている人がいる。

それで良いとは思わない私。新しいものに挑戦してもらいたい。

こちらに訴えかけてくる絵を期待したい。と、思った。












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