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2017年03月01日13:23

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カール・ハイアセンRazor Girlはハチャメチャ!

あの楽しいハイアセンのフロリダを舞台の小説を読んだ。
NYT2位で登場したベストセラーである。

真っ青な空と海!どこまでも続く遠浅の砂浜と、素敵な女性たちと、とてつもなく奇妙な人たちが続々登場する。本当にこんな人がいるのかと思うが、実は本当にいるから面白いのだ。しかもその考え方はまさかと思うような、その行動も「えっ!」と思うような。洒落た会話のその後で、とんでもない汚い言葉が出てくるのは当たり前。
上品さはないが、これでもかというほど下品な言い方が出てきます。ただ、あきれて、笑って読むことです。ここの住人はみんなでかくて、彼らは太っているとは決して思っていないのです。

フロリダはこの世のパラダイスと言われるのも事実だし、この世の地獄なのも事実なのだ。

This is Florida. The land of batshit, trigger-happy motherfuckers. Love it or Leave it
Is what I say.なんて主人公のアンドリューがいうのだ。

最高の避暑地、マイアミからキーウエストまでは素晴らしい自然がいっぱい、セブンマイルブリッジは最高!キーウエストに行けば正に天国へ行けるかと思うほど絶景。のんびりした海岸と高級別荘地なんだが。(一度行けばまた行きたくなるのは請け合います。)

だがその一方で、フロリダ州には沢山の沼地がありマフイアに捨てられた数千の身元不明の死体が沈んでいると言われており、それを2〜3メートルのでかい鰐が数千匹が守っているので誰も引き上げないのだ。
アメリカでもフロリダは銃撃事故は最悪!いくら全米一の銃規制しても無理。誰もが銃を持っている。全米でも一番危険な州でもある。
(一歩間違えて怖い地域に入り込んだら「死を覚悟する」必要もあります。ヘミングウエイの家の近所でも,安全じゃないのだ。でもワシントンと違い白人が多いです、南米系が圧倒的に多いかな)
そうフロリダには悪人がいっぱいなのだ。

前作のBad Monkey(2013)に登場したアンドリュー・ヤンシー、元マイアミ警察の刑事、今はモンロー郡シェリフ配下の警官だが、停職中で、シェリフに飲食店衛生検査官(別名ゴキブリ監視官)が主人公である。
手柄をたてて警官バッチをつけたくて、またまたハチャメチャなことをやらかすのだ。女性に弱い、お金に弱い、それでいて警官バッジがほしくてたまらない。

タレントマネージャー、売れっ子TVパーソナリティ、当たり屋、ギャング、シェリフ、町長、弁護士、マフイア、いかさま不動産業者など悪人がいっぱいなのだ。

TV関係者のコ―ルマンはマイアミに早めに着いたので、マイアミからレンタカーでキーウエストまで走り出したのだ。そこは国道1号線の最南端キーウエストまでを楽しみながらと思ったら、いきなり追突されたのだ。

相手は「メリー・クリスマス」と名乗る若くて素敵な美人だったのだ。自分の車は走れないから彼氏のところまで、車に乗せることになった。 
キーウエストへ向かうのだが、キーウエストに近くなるほど、次から次へと、どこまで本当かわからないデタラメ話をしてくるのだ。そして途中の場所で高級車テスラに乗った男があらわれて、コールマンを誘拐するのだ。
コールマンは財産もないしなぜ誘拐されたのか分からないまま、大型ボートに押し込まれた。
実はコールマンと同じ車種の車に乗った地元の不動産業者をマフイァの依頼で誘拐する予定だった。間違えて誘拐されたのだ。
コールマンは携帯で誘拐されたと芸能マネージメントに報告。すると、有名なTVパーソナリティ―も一緒かと聞かれ、別行動と聞くや、コールマンは無視されるのだ。大事なのはTVの人気者がどこにいるかが大事なのだ。

誘拐者たちはマフイアの依頼を果たすべく、翌日また誘拐を実行する。
メリーは「専門の当たり屋」でコールマンは縛られたまま後部座席に乗る。
メリーはまた追突して本命の不動産業者を誘拐する。そして、本命の誘拐事件の間に衝突で壊れた車からコールマンは逃走するのだ。
勿論、裸同然で逃げ出したコールマンは、服を盗み警察から追われることになる。
誘拐された不動産業者は「よそのビーチの砂を盗んでは別のビーチに売っていた」のでマフイアに狙われたのだ。

一方TVパーソナリティはマイアミから飛行機でキーウエストへ向かうが、行方不明となる。彼は全米では人気者でも、フロリダでは、ましてや、キーズ諸島では誰も知らないのだ。その彼が変装の必要がないのに変装するから余計におかしくなる。そして彼に金は要らないが、一緒にTVに出演させろと、地元の変な奴に脅される始末。

芸能会社は警察に電話して、シェリフに捜査依頼をする。シェリフはそんな奴は知らないし、TV番組自体知らないから、できないと答えると、シェリフの選挙は今年なら選挙資金を寄付すると言われると、すぐに総動員かけるのだ。みんな金と女性には弱いのだ!
しかし誰もTVの人気者の顔も名前も知らないのだ。

その頃アンドリューは夜中に砂浜で何かを探す若い女性デビィを見つけた。彼女は恋人の弁護士にもらった宝石を落としたので探しているという。砂浜から宝石を探す?それも夜中に懐中電灯で?
彼女はアンドリューがショットガンを持っているのを見て
「どうしてそんなショットガンがいるの? 弾が装填されてるの?」
「もちろん、弾丸の装填されてないショットガンはなんて言うか知ってる?」
「なんて言うの?」 「ステッキさ」とアンドリュー
実はアンドリューは宝石を見つけるが、デビィと一緒にいたいから探すのを手伝うという。これが停職中とはいえ警官のすることか?まあ、ゴキブリがいたと言って「ただ飯を食う」なんていつものことだ。そこへ彼女の恋人の弁護士も後日現れる。

誘拐された船でコールマンがトイレをしたいとメリーに言うと、甲板に連れて行き、縛ったコールマンのジッパーを下ろし、Dickをつまんで、
「If You get hard, I push you overboard. I used to be nurse」
「No, You don’t」 「O K Same deal I had handle lot of dicks」
「Welcome to my world」(こんなセリフを翻訳できるか!)

まあ、とんでもない会話と行動を笑っていればいいのです。
でも、カールはいつもこんな小説を書くのです。
そうデミ・ムアー主演の「Striptease」は小説(NYT1位でミリオンセラー)も映画も大ヒットだったなあ!中身はこれと似たようなものだった。
ここからも、いろんな人のドタバタ劇が勝手な方向に進むのに、最後には一つになるのです。
 笑いながら読めばいい!楽しいアメリカの犯罪小説です。
余談:Carl Hiaasenはカール・ハイサンとmoderatorは発音しています。
   母音が2つ続くと、前の母音を読むのが原則だからかな。Head (ヘッド)Pain (ペイン;aは「エイ」Tail(テール)

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