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2016年11月24日21:07

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二期会公演「ナクソス島のアリアドネ」@日生劇場

R.シュトラウスのオペラ「ナクソス島のアリアドネ」は、今までにナマの舞台で
6回(かな?)観ておりますので、今回が7度目という事になります
初回は1980年のヴィーン国立歌劇場来日公演で、ベーム指揮、ヤノヴィツ・
グルベローヴァ・キング・ヴァルツァ等の最上級キャストですから、問題なく
これが最高です

残念ながら今回の公演はサイテーということになります(同率最下位)

元々このオペラは、ホーフマンスタール/シュトラウスの野心的実験作と言える
もので、正統的演出など存在しないのですが、それにしても何をやっても許さ
れるというものでもない
同率最下位である新国立劇場オペラ研修所終了公演の三浦安浩(敢えて
呼び捨てにします)演出に劣るとも勝らない、陳腐な発想の思い付き羅列

いやはや

本来はもっと楽しい愉悦が流麗な音楽に乗って、という舞台になるべきものが
中途半端な、雑なものとなりました

オケは小編成による「少数精鋭」たるべきものですが、東響の演奏はそれに
応えていないし、演劇的要素の濃い作品なのに、キャストの演技は相変わ
らずの「二期会的所作」で、ならば責任は演奏家によるものなのかというならば
それでは演出家・指揮者は何のために存在しているのでしょう

今回は両方とも女性によるもので、「女性だから」という気はありませんが
でもやはり女性ではリーダーシップを発揮できないのでしょうかね

シモーネ・ヤングの指揮は、指揮棒の先から次々に音楽が生まれるという
ワクワク感に乏しく、カロリーネ・グルーバーの演出は前述の通り、観客の
共感を呼ぶものではありません(問題提起なのだとしたら、ずいぶん自分
勝手なものだと思います)

黙役でAmor(別名キューピッド、ギリシャ神話でのエロス)を登場させるのも
いわくありげで、しかし説得力に乏しい
因みに、このAmorを日本語キャスト表で「天使」と表記しているのはよくある
間違いです(キューピッドは神ですから)

二期会という事で、かつ新制作という期待が大きかっただけに失望もまた大きい

キャストでは作曲家役の杉山由紀さんが及第点、アリアドネの田崎尚美さんは
絶叫が多すぎる、ツェルビネッタの清野友香利さんはデビューにしてそつなく
難役をこなしたけれど、例のアリア終盤のD音を充分に引っ張れなかったのは
惜しい(ここではつい拍手をしてしまう観客がいるのだけれど、今日は拍手
しようがなかった)

コンメディア・デラルテ軍団は、歌唱は立派ですが喜劇的所作がぎごちない
ここはもっと楽しくなくちゃ(振り付けを間違えたのも減点です)

とにかく、二期会的わざとらしい所作が一向に改まらないのは、外人演出家
を担ぎ出してもダメなんでしょうかね(絶対演出家の責任です)

二期会による初演の時、長門美保女史が「さっぱりわかんないわ!」と、憤然と
席を蹴って帰ったと畑中先生がおかしそうに仰っていましたが、今回の舞台を
見たらそれだけでは済まないかもしれませんね

ワタシは席を蹴ることはしませんでしたが(日生劇場に罪はないので)、カーテン
コールで一切拍手はしませんでした(心の中でブーイング)

首都圏は朝から50数年ぶりの雪だったというわけでもないのでしょうが、客席の
入りの悪さは憂うべき状態でした
1階左側ブロックは半分も埋まっていなかったし、ワタシの席のあるセンターブロ
ックも、ワタシより後ろ(L列以降)はガラガラでした
本日の公演の出来栄えがそれに拍車をかけなければいいのですが
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