「お気付きの点がありましたら…」に続く衝撃の展開
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=29&from=diary&id=3969064
20代のころからちょくちょく食べに行くレストランがある。もう半世紀近い付き合いだ。主人がシェフ、奥さんがホールを担当する、夫婦二人で切り盛りするこじんまりとした店。長年親しくして貰っていて時々「まかないのカレーができました」と電話をくれる。
シェフはドイツで修業した経験があり”ドイツ家庭料理”を売りにしている。ドイツの家庭でどんなものが食べられているのか浅学にして知らないが、日本人の好きなスパゲティとかエビフライなどのメニューは見当たらない。肉料理はソーセージや煮込み料理があるがステーキは無い。肉を焼いただけのステーキは料理のうちに入らないという高い見識!の持ち主だ。…それから寿司も料理ではないと言っている。
ある日、一見紳士風中年男性客がうら若き女性を伴って来店した。「ステーキをもらおうか」、「当店はステーキはございません」、「肉料理はないのか?」、「シチューはございますがステーキはありません」、「レストランなのにステーキもないのか!」と怒って出ていってしまったそうだ。連れの女性は無言で困ったような顔をしていたとか。
一見紳士風はさしづめ、「うまいステーキをたらふく食って精をつけよう、イッヒッ、ヒッ」とでも言いながらアフター・ステーキ・プランを練っていたのに出鼻をくじかれた、…というのはワタシの賢察。長く商売をしていると面白いエピソードに事欠かないらしい。
店の入り口には『我が儘な店です。ご容赦ください』と大きく貼り紙がしてある。いつ行っても空いていて常連らしい客しか見当たらないのは貼り紙のせいだと思うが改める気はないようだ。
おかげでこちらはシェフと無駄話しながら、ゆっくり食事できて幸いなのだが。
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