アーノンクールが3月5日に亡くなったので、彼のディスクをいろいろ
聴いてみたかったのだが、
忙しいので1枚しか聴くことができなかった。
ブラームス:ドイツ・レクィエム
アーノンクール&ウィーン・フィル
アルノルト・シェーンベルク合唱団
ゲーニア・キューマイアー(ソプラノ)
トーマス・ハンプソン(バリトン)
レコードアカデミー賞(レコ芸)受賞盤なので、前から聴きたかった
待望の1枚。
第1曲目、弦の入りがスフォルツァンドがかかっているのが
いかにもアーノンクールらしいが
合唱がはいると、あまりの美しさに驚く。
大人数とは思えない純度の高さ。まさに天上の音楽。
オケの響きは、大編成ながら室内楽のような
明晰な響きが印象に残る。
大編成の迫力とか、ブラームスらしい濃厚な味わいとは
違う方向の演奏であるが
トゥッティの充実した響きは、十分に満足させられる。
第2曲、第6曲など、全曲のクライマックスでも
迫力よりは美しさ、明快さで聴かせる。
ウィーンフィルも見事。
独唱も、問題ないレベル。ハンプソンはちょっと軽い。
第1曲から第7曲まで、出来栄えにムラがないのもいい。
何よりも、アーノンクールの解釈に抵抗が感じられないのがいい。
これは期待以上の名演だ。
この曲の好きな人には文句なくおすすめである。
アーノンクール=恣意的な解釈というイメージを
持っている人にも聴いて欲しいと思う。
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