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2015年08月29日08:16

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ダイアンに関する一考察

 
「おい、金を出せ」
「はい? あなた、どなたですか? なんで、あなたにお金をあげなきゃいけないんですか?」
「だれって、おまえ、この手に持ってるナイフが目に入らないのか。
 金を出せ。 出さなきゃ、こいつをどてっ腹にお見舞いするぞと、いってるんだよ。」
「そのナイフで刺すんですか。 それは、いやです。」
「じゃあ、金を出せ。 おれは、いま、金が要るんだ。 ないと、困るんだよ。」
「いや、あなたは困っても、私は困りませんから。」
「薄情なやつだなあ。 金、持ってるんだろう。 四の五のいわずに出せよ。 人道的援助だと思えば、たかが有り金ぜんぶなんて、安いもんだろ。」
「人道とか、いわれてもねえ。 お金を出すのは、いやです。」
「じゃあ、刺すぞ。」
「それも、いやです。」
「ああ、もう、こいつ! 金を出すのもいや、刺されるのもいや。 それで、世の中、通ると思ってるのか。 金を出したくないというなら、せめて、代案出せよ。」
「はい?」
「こう見えても、おれは、民主的な強盗なんだ。 おれは、金に困ってる。 おまえが金を出したくないというんなら、それを解決する代案を、何か出せよ。
 代案もなしに、ただただ、金を出したくないっていうのは、単なる自己中、わがままだろ。 そんなことで、この現状を切り抜けられると、思ってるのか!」
「はあ、代案ですか。
 こういうのは、どうでしょう。 あなたがそのナイフを持って、警察ヘ行き、いま強盗未遂をしましたと、自首するというのは。」
「なんだとぉ・・・」
「なんだったら、私が、付き添ってあげてもいいですよ。 留置所に入れば、とりあえず、お金の必要もなくなりますし。」
「おまえ、ひょっとして、おれを舐めてるのか!」
「いえいえ。 あなた、私の顔を知りません? テレビの、『格闘技最強ファイター』 って番組で、準チャンプまで行ったんですけど。
 それとも、あなたが、あのときのチャンプと同じくらい強いかどうか、試してみます?」
「ああ! ・・・うー、えーと。 あのなあ、代案、なくていいわ。 原案も、なしということで。 
 そんじゃまあ、おれ、これで、失礼させてもらうわ。」

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