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2015年08月28日14:13

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映画日誌「日本の一番ながい日」

 大宅壮一の「日本のいちばん長い日」(実際の著者は半藤一利で、1995年に日本のいちばん長い日決定版が刊行された)を原作とした、1967年に製作された映画は、公開当時、三船敏郎扮する 阿南陸軍大臣の切腹シーンが話題になったが、内容的にも、御前会議で降伏を決定した昭和20年8月14日の正午から、玉音放送を通じて終戦を知らせる15日正午までの24時間の間で、様々な人間が交錯する重厚な内容だった。
 本作はリメイクというよりも、他の著書もベースにして、終戦よりも4カ月ほど前から降伏に至るまでの経緯を描いている。
 山崎努の鈴木総理はベテランらしい風格ある演技だが、役所広司の阿南陸軍大臣は、やはり三船敏郎には及ばない感じで、切腹のシーンもあまり緊迫感はない。
 昭和天皇も、どうもイメージと違う感じで、なぜ本木雅弘が演じることになったのかよくわからない。
 終戦に至るまでの4カ月で、結局誰が主人公なのかよくわからないし、後半は陸軍将校の反乱がメインで物語が進行するが、やはり、特に若者からすれば、単なる愚かな行為としか映らないだろうし、感情移入もできない。
 戦後70年といっても、焦点を当てるのは軍人、反乱を起こす若い将校たち、昭和天皇、一般民衆と、いくつかの対象があり、焦点がはっきりしなければ、観る側にもアピール性が薄くなってしまう。
 タイトル通り、日本にとって長い24時間となった一日の中で交錯する人々を描くのは技巧的に難しかったのか?それなら、いっそのこと前作のリメイクにしたほうが良かったかもしれない。
★55点
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