茜屋時間　月みず月その百十 二

　相も変わらぬ茜屋時間　今週もやって来た　六時過ぎ　風呂にも入って　夕飯はスパゲティ　生麺を貰ってあったので　今日の夕飯はサラダと紫蘇の葉スパゲティ　みそ汁　紫蘇の葉　緑と赤を摘んで適宜に刻んで　ニンニクをスライスしたものをオリーブで香りを出して　加熱し　いいにおひ　そこへ茹でたスパゲティをいれて　ちょっとバジルソースを小さじひとつ加え紫蘇を入れて撹拌　約五秒で出来上がり　うまひ　

　と云ふわけで軽自動車に乗ってお出かけ　ちょっと道は混んでいたが　明るいうちに茜屋に到着　先客ありて　時々見る男　煙草を燻らせて珈琲を飲んでいる　女性客も　幾度か見たことがある　二人とも多分常連さん　奥のボックス席に男と女　恋人同士では無さそうな感じ　女性の顔は見えず　そうこうしているうちに　さいたま新聞を手に取って　一面からじっくり　たいしたニュースはなひ　途中で珈琲が出て来てコンニチワ　夕刻だから今晩はかな　猫舌のわたしはちょっとさいたま新聞に集中　やがて喉に流し込まれる珈琲　ニンニクの香りがしていた口の中が　一気に豊饒な珈琲の香りに満たされた　満足満足　カウンターの女客が帰り　暫くして男客もかえる　七時半を過ぎて　わたしも帰宅の途につく　よるは　ちょうど車の空いている時間のようで　誠に苦労なく帰宅　いい時間であった

　今宵一枚目はモーツアルト　交響曲第38番　第39番　カール・ベーム指揮　ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団　輸入盤である　1979年の録音か　名盤ぞろいで　みんな素晴らしい　悪い演奏が無い曲たちである　

　さて今日はポードレールの「悪の華」が出版された日だ　文庫では持っていなひが　単行本がある　文庫は　やはり持っていた方がいいかも　翻訳は誰だろう