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2015年02月06日16:27

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プーチンの策略

「偽イスラム」国に国際社会が振り回されている間に、プーチンは「クリミア併合」時に決めていたウクライナ東部の事実上の占領作戦を着々と進めているようです。
今朝のBBCツイートが載せた「オックスフォード紛争調査研究センター」のレポートを要訳してみました。

ウクライナ東部地区は、今やロシアの新兵器の実験場と化している。
2008年のグルジア侵略はロシアにとって赤子の手をひねるようなものだった。だが、ロシアの軍首脳部は、もっと厳しい近代戦の局面でのロシア軍の脆弱性に強い危機感を持ったのも事実である。

その後の7年間、欧米の先端技術とのギャップを埋めるべく、ロシアは軍備の増強と新旧入れ替え、兵士の再教育などに積極的に投資してきた。
その効果は、親ロシア派と称する武装集団がウクライナ国軍を打ち負かしているウクライナ東部の戦闘で見ることができるだろう。

ウクライナはロシアと違い、軍備強化に力を入れてこなかった結果、ロシアが持ち込んでくる新兵器や戦闘システムに押され続けている。

ロシアが投入する新兵器の代表格は偵察と砲撃目標の指示誘導のためのドローン(無人機)とエレクロニクス技術を駆使した戦闘システムである。これら先端技術を使った戦闘システムは2008年のグルジア侵略当時はロシアにはなかったが、それを機に一気に技術開発を推し進めてきた。
今回のウクライナ紛争ではそれを駆使してウクライナ国軍を窮地に追い込むことに成功している。

ウクライナは、指揮命令系統を支える精巧な通信システムの構築で後れをとっている。その結果、戦闘を指揮する通信が簡単に妨害されたり、司令部の正確な位置をロシア側に把握されたりするトラブルが多発し、ロシア側の砲撃やミサイル攻撃の餌食になるケースも出ている。

戦車の性能でもウクライナはロシアに大きく後れをとる。また、侵入してくるロシアの最新式戦車を撃破するための新鋭ミサイル攻撃システムも欠いている。
ロシアの侵略に対抗するため、ウクライナ政府はこれら戦闘システムと共に、不足している野戦病院施設など医療支援を西側に強く求めている。

戦闘地域の空域で多くのウクライナ空軍機が撃墜されている現状を見ると、親ロシア派勢力が如何に優れたロシアの対空システムに支援されているかがよく判る。
マレーシア航空MH17便を撃墜したBukミサイルの他に、低空で侵入してくる敵機を撃ち落とす短距離ミサイルStrelaも配備されている。

多くの軍事専門家、ウクライナ政府、NATOや西側の政府高官の一致した見解は、いくらロシアが否定しても、ロシア軍が直接介入しているのは明白であるということだ。

ロシアは軍事力強化の一環として、数万単位の兵士をウクライナ東部国境に配置し、大規模な戦闘訓練を続けている。
この軍事訓練は、日々その規模や内容を拡大してきており、最も注目すべきは、直接西側を敵視する内容のシナリオを訓練の中に織り込んでいることだ。

加えて、今やロシアはウクライナ東部で新兵器や新戦闘システムや新戦術を実戦で思うままにテストすることが出来るようになった。そして、アメリカがウクライナに供与する新鋭兵器や戦闘システムに実際にぶつけてみることによって、将来NATO軍と直接交戦する事態になった時に、ロシアの新兵器や戦術が実際にどれだけ通用するのか否かの評価をするのが可能になっている。

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