mixiユーザー(id:1506494)

2014年11月06日18:15

648 view

Macbeth

METライヴ・ヴューイングの新シーズンの幕開けは
ヴェルディのマクベート(イタリア語読み)です
本日109CINEMAS MM横浜まで行って参りました
この上映に気づいたのが昨日だったので事前学習は
手持ちのシャイーによるCDのDisc1のみを聞いただけ

実際の舞台で見たのは10年前のことになります
しかもTOTというアマチュア中心のオペラ団による公演
このときのバンクォ役が友人のガブリエル鈴木君
今回のMETの同役はかねてから大ファンのルネ・パーペ
ですから、いやが上にも期待が高まります

パーペはもちろん良かったのですが、今回の目玉は
何といってもマクベス夫人を演じたアンナ・ネトレプコ
ドラマティックな歌唱に加え、乾杯の歌で見せたアジリタ
しかも、この乾杯の歌はマクベスがバンクォの亡霊に
錯乱した後に、一同の気を取り直すためもう一度
リプライズされるのですが、全く違った歌い方をするという
(シャイーのCDではフィオレンツァ・コッソットですが
あまり目立って歌い方を変えてはいません)
大変なものですな、役作りというか声作りというか

このマクベス夫人は原作でも役名を与えられていません
強烈な役どころなのにね
思うに、固有名詞を持った特定の誰かではなく
オンナなら誰もが持っている性格を具現化したもの
だからではないでしょうか(うがった見方かな)

このオペラは、マクベスがマクダフにより倒され
マクベスの暗殺したダンカン王の息子マルコムが
王位を奪い返し、一同万歳の合唱で終わるのですが
今回の演出ではその場に魔女の予言で王位を約束された
バンクォの息子が姿を見せるという、「まだまだ悲劇は続く」を
暗示させる終わり方となっています

ヴェルディは原作の時代設定(11世紀前半のスコットランド)に
拘ったようですが、今回の演出は衣装(魔女はショッピングバッグ
レディ風)や小道具(ピストルや銃やジープが出てくる)など、
現代的な舞台でした
これも「女房に尻たたかれる善良な親父の野心が脆くも
砕ける悲劇」という普遍的題材を強調したものと言えましょう

そういえばワタシの亡父も常々「お前のオフクロは男だぞ」と
言っておりました(幸い、野心を抱くことなく平凡な生涯を終えました)
ワタシもまた尻を叩く女房がいないものですから、野心とは無縁で
定年を迎えましたとさ
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2014年11月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30