川原湯温泉駅は、群馬県吾妻郡長野原町にあるJR吾妻線の駅である。
1946年国鉄長野原線川原湯駅として開業し、民営化後の1991年に現在の川原湯温泉駅と改称された。
駅舎は吾妻線内で唯一残る木造駅舎で、懐かしい暖かみを感じる。
八ッ場ダムが完成すると、駅を含む川原湯地区一帯がダムの底に沈む予定である。そのため古い駅舎のまま現在に至ったのだ。
ホームは2面2線、下りホーム側に駅舎があり、若草色の跨線橋を渡った上りホームには小さな待合室がある。
設備投資が見送られたお陰で古き良き時代の面影が残る。
待合室1号という呼称は規格なのだろうか。
跨線橋から駅全景を望む。
周辺には駅から西に約500メートルのところに川原湯温泉街が、東側一帯には吾妻渓谷が続く。
ダム完成後は山の上に新川原湯温泉が出来る予定だが、源泉は全く別物だそうだ。JR吾妻線も対岸の山の上を通る新線が工事中で、頭上にはダム湖畔を通る予定のR145の付け替え道路が建設中だ。
地元民の移転交渉がまとまった昨年あたりから、ダム工事はピッチを上げているようだ。
完成予定は2010年となっている。
稼動まで猶予はあと数年。周辺の景色も見に行くたびに変化している。
樽沢トンネルは、全長7.2mの日本一短いトンネルである。
崖の上の一本松のある景観を残すためトンネルにしたといわれている。
関東の耶馬溪といわれる吾妻渓谷だが上流側が水没する予定だ。
川原湯温泉は1193年に、源頼朝が狩をしている最中に発見したとされる。共同浴場の「王湯」にはそれに因んで源氏の家紋が掲げられている。
もとより秋の紅葉シーズンは混雑する事で有名なので、落ち着いて本来のここ周辺を楽しめるのは今夏が最後かもしれない。
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