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2009年06月03日22:27

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映画「デッド・サイレンス」を観る。



http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=329805

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今更ではあるが、WOWOWでチラ見して、ちょっと気になったのでレンタルしてきてじっくり観た。
今まで敬遠していたのは、売り文句のせいである。
「SAW」のジェームズ・ワンが監督!!と「SAW」シリーズの人気におんぶしたようなコピーが気にくわなかったのだ。
でもそうでもしなければ、こういう作品はほとんど知られないまま忘れ去られてしまうだろう。
それは分かっている。
しかし、やっぱり、作品の内容だけで勝負して欲しかった。

それだけのモノは揃っているのだから。

町の人々が抱えている秘密、一族に伝わる呪い、腹話術の人形、廃墟と化した劇場・・・
特に、本作品は、人形の怖さがホラーファンにとってはたまらないくらいにビッシリ描かれている。
こんなに怖い描かれ方は、短編小説でのジェラルド・カーシュの「腹話術人形の脅迫」(ソノラマ文庫海外シリーズ「冷凍の美少女」に収録。国内で読めるカーシュの短編集のひとつだが、現在は絶版)以来であった。
こちらは腹話術の芸人の男が師匠でもある父親の霊が乗り移った腹話術人形に夜な夜な責められるという話だが、映画の目玉がぐりぐり動くシーンはまさにあの短編を彷彿とさせた。

美味しい、全く美味しい映画なのだが、唯一不満に思うところがある。

それは殺され方。CGをたっぷり使った殺され方など、ヴィジュアル的な楽しさはあれど、怖さがすべて台無しになってしまっていた。
それと。
観客的に。
監督が「SAW」のジェームズ・ワンとうたっているだけに、純粋なホラーとして観ることが出来ないのではないか?という点も気になった。
あちこちのレビューを読む限り、やはり「SAW」ばりのサスペンスを期待していた人が多かったようで、ガッカリしたという感想がほとんどであった。
実は、私も最後まで、亡霊の姿を借りた生身の人間なのではないかとドキドキしながら観ていたのだが、クライマックスの衝撃にニヤリとしつつ、終わり方にガッカリした。

従って、ジェームズ・ワンの名前を忘れて、ホラー作品として観るのがいいだろう。

これから先、私は何度か観返すだろうけれども、それは廃墟と化した劇場と不気味な腹話術人形の雰囲気をPV的に愉しむためだけである。
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