紅葉のすすむ葉の間に覗きたる取り残されし柿の実いくつ
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吹く風にいちょう並木のもみじ葉の次から次へ舞いながら散る
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深みゆくいちょう並木のもみじ葉の冷えゆく風に吹かれ散りゆく
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少し散り更に深まる黄葉にいちょう並木の明るさの増す
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山の背に入りても暮れぬ日の光飛行機雲をさらに照らして
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まだ暑き日差しを受ける空き地には少しばかりの白きすすき穂
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まだ暑き日差しを受けて赤とんぼ空き地の上を群れて飛び交う
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早朝の晴れたる空に秋らしくほうきで掃いたような雲うく
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久びさの荒れに荒れたる一夜明け台風一過の秋晴れの空
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夏の行き秋を迎えて並木なすいちょうのじょじょに色づいてゆく
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せみしぐれやみて久しき裏山につくつく法師の鳴き声のする
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一変し冷たい雨の降りし今日一気に秋の深まりてゆく
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薄絹を流したように広がりて青空高く秋の雲浮く
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風強く雨も気になる日を過ぎて台風一過に秋風の吹く
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蝉の声いつしかとだえ夕闇に裏の山より虫の鳴き声
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夕立の予報のとおり降りしあと外気の少し涼しくなりぬ
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暑き陽も山の端に落ちベランダも涼しくなりて少しおちつく
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炎天下道を覆いし桜木の下にたたずみ蝉しぐれ聞く
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蝉の声したる桜の上の空うろこ雲うく青き夏空
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蝉の声盛りとなりし並木路のいちょうの陰で一息いれる
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雨の音かとも思える蝉しぐれ今日裏山ゆ聞こえ始める
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一人また一人と今日もゆくりなく芸能人の訃報耳にす
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体調の余りすぐれぬ昼さがり落ち着いていて静かな土曜
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道の辺の庭に春の陽及びつつ白とピンクのつつじ花咲く
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中庭に春の日差しの差し込みて池の金魚も気持ち良さそう
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薄れゆく春の自覚を呼び覚ます久々に聞くうぐいすの声
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何鳥か家へたびたび飛び来ては今日の一日良き声に鳴く
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み仏に手を合わすとき遠くよりふと聞こえくるうぐいすの声
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並木路のいちょうの若葉萌ゆる頃まだ肌寒き春風の吹く
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並木路を淡き緑に変えながらいちょうの若葉出揃い始む
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