病院の正面玄関にまっすぐ突っ込むDucatiのスーパーバイク1098R。 「来た!!」 あちこちに潜んでいた警視庁特殊急襲部隊(SAT)の面々が、それぞれの銃を構え、白髪の女性に向かって構える。 病院内では、指揮官の指示に従って、医師、看護師、患者たちがエレベ
薄暗い手術室。 手術台の上に横たわる男の両足が見え、その上に覆い被さるようにして、黒人の右手のアップ。 その右手はグロテスクそのもので、人差し指、中指、薬指、小指が四本とも、「親指」になっている。 つまり、五本とも「親指」なのである。 「動く?
七号タンクの液体のなかで半固体化していく少年と少女。 少年は少女の首を絞め、少女は少年の顔を睨み返している。 “何でおらがすかねなんだ” “大すかね!” ちきしょう、ちきしょう、と二人の身体が絡み合い、ゴボゴボと泡立つ。 その様を眺めながら、キ
すべてのものは人びとのうちにあり得ず、 そは人の子は死なぬものにあらざればなり。 日輪よりも明るきものは何なるや、 されどその光もまた滅びん。 まして肉と血とは悪をたくらむ。 ――ベン=シラの知恵 「アポクリファ(旧約聖書
箱庭の先に視えるもの。私の箱庭は生まれて初めて視た光景に通じる。初めて聴力検査をした時、防音室のなかに置かれていたガラス張りのおもちゃ箱。耳鼻科の院長が私のような幼児を落ち着かせて集中させるために作ったもので、新幹線のプラレール、あちこちに
無人偵察機を改造した海賊TV局が空中を漂いながら「本日の天気予報、雨のち晴れ・・・!!」とがなりたてている。続けて、「時々・・・人間が降ります・・・!!」。画面、弾け、成層圏からのスカイダイビングの様子を高速カットで流し、「サイバー・エクストリー
彼女はラミアだった。今は誰でもない。ラミアがオリジナルとすれば、そのコピーが彼女なのだ。だから、無数にコピーされる彼女は最初から「ラミアだった」存在だ。主人の血肉から摘出したiPS 細胞を卵子に分化誘導し、それを主人の精子と掛け合わせるこ とで
さびれたゲームセンターだ、とあたしは思った。でもハヤリの遊び場なのだ、ジョブズと同じ時代を生き、彼より長生きしちまっている老いぼれハッカーたちにとっては。それぞれお気に入りのテーブル・ゲームを前に身を沈め、持ち込んだノートPCにつなげたお手製
やほ、お久しぶり。 みんな覚えてるかな、ミナコだよ。 元気だった? こっちは相変わらず、ファッキングな生活、そしてなんといまだに処女。 中二にもなって、夏休み真っ盛りなのに、おまんこは通行止めの札がかかったまんま。 世の中みんなインポ野郎! でも
・・・私はかくして、永いこと私に恵みを授けたあの太陽とはちがったもう一つの太陽、暗い激情の炎に充ちたもう一つの太陽、決して人の肌を灼かぬ代りに、さらに異様な輝きを持つ、死の太陽を垣間見ることがあった。 そして知性にとっては、第一の太陽が危
イメージは咆哮。 ある日、先生がロゴスとミュトスについて話してくれた。 一緒に聞いてたマミちんはノートに書いてたけれど、あたしはちんぷんかんぷんだったから先生が喋る口元をボケーッと眺めていた。 時々舌が跳ねて詰まるのは先生が聾唖者だった名残り
今日はマミちんと犬神図書館で映画「害虫」を観た。実を言うと二人並んで観るには――正視に耐えない内容だった。だって宮崎あおいがやってるのってうちらとおんなじ年齢なんだぜ?感情移入なんてもんじゃない。こいつはヤバイ。もうこいつはポテトチップスを
待ちに待ったお泊まり会。この日、あたしはやってやる。バニラのリップクリーム、ママから黙って借りた香水、この日のために買っておいた勝負下着。マミちんも同様で気合いを入れていた。まずコンドームを一箱。「持ってきた?」とマミちん。「忘れた。そうか
思えばつまんない人生でした。 だってフツーに生きててな〜んにも面白いことないんだもん。 趣味らしい趣味もない。 テレビもあんま見ないし、音楽もTSUTAYAに置いてあるものだけ。 友達が話題にしてるのってAKBとゴールデンボンバーの二択なんだぜ? そんな
見たことのないものの方がリアル。 だからドリーマーのあたしは常にリアリティーに生きている。 夢見るちんぽこ、なんてすてきなカタさ、大きさ、長さ。グッと反り返ったそれは現実に見たことがないからこそ、あたしのなかでは凶悪なまでに実感がある。 そい
太陽が月に言いましたとさ 「満月だね!」 すると月、ファッキューと中指おったて。 月はなぜ怒ったか? 犬神先生は時々あたしたち中学生相手に英語の家庭教師をするのだが、初めての人にはいつもこういうなぞなぞをふっかけてくる。元々はルイス・キャロルの
※��は掲載当時、mixi運営により割愛されました。このことを受けてミナコはデンジャラスなコトバへの勲章と胸を張っております。二度目のお見舞いの時、犬神先生から出された宿題は「内部風景(ペサージュ・アンテリュール)」がどんな風に見えるか、だった。フ
ICUの犬神先生は初めて会った時よりびっくりするほど痩せこけていた。頬はげっそり凹み、ハゲだと思っていたアタマには剛毛がびっしり生え、それに比べて無精ヒゲは柔らかいカンジでもわもわ。右腕に点滴が一本、右股の付け根に点滴が七本。それにゴボゴボい
せっくすにキョーミを持ったその日にせっくすできないなんてサイテーだと思わない? 処女なんて一体どんな価値があるってのよ、クッサイ血のカタマリ、ドロドロのベチョベチョのオリモノで長いことフタしたおまんこにちんぽこ突っ込みたい? あたしは主張した
「人々の言うところによれば、天王星では大気がじつに重いので、羊歯類は地面を伝って延びる纏繞形態をとり、動物は各種のガス体の重みに圧しつけられて、辛うじて身を引きずっているらしい。この絶えず這いつくばっている屈辱の生きものたちの中に、わたしは
「人間性の現実(レアリテ)とは奇妙なことに波動力学の原子たちに似通っており、波動の流れに結びついた微粒子から出来ているように見える。人間性の現実は、その偏執癖や気がかりや陳腐化した反芻癖などのなかに沈み込んでしまった時にも、それはすでにいつの
いかなる経験も断固として個人的なものであり、 他者の経験は誰に対してであれ、彼以外の人間には役に立たない、だからこそすべての生きている社会を構成している第二の自分(アルテル・エゴ)というあの穢れた目くらましが生まれるのだ、そしてすべての人間が
視線のピンに刺され、コルクの上にとめられた蝶たる彼は、裸で、世間の人はみな彼を見ることができ、彼の上に唾をはきかけることができる。大人の視線は一つの構成する力であり、彼を構成された自然に変えた。だがいま生きなければならない。さらしものにされ
「恥辱は永遠である。それは、なんのなにがしといった明白な人の口にのぼるばかりでなく、わたしを名ざすあらゆる人の口の端にのぼるのである。恥辱は“存在すること”そのことのなかにあり、わたしの存在のなかにある。わたしをながめるすべての眼のなかにわ
もしもあなたがまっとうな人を知りたいと欲するなら、彼が他人のなかに一番憎む悪徳がなんであるかを研究するとよい。 ジャン=ポール・サルトル「聖ジュネ」 私が彼に出会ったのは、小学生の時だったと記憶している。 彼は黒縁の分厚い度の入った眼鏡をかけ
回転木馬(カルーセル)に乗るもの今朝目覚めると死んだはずの妹がドーム型の鳥籠を手にしており、私の目のなかから飛び出していったかのように背を向けながら波打つ草原へ駆け出していった。鳥籠のなかは空だった。「ロニー、ロプロプはどこだ?」私の声に妹は
やすらかにをる婦等よふるひ怖れよおもひわづらひなき者よをののき慌てよ衣を脱ぎ 裸体となれ「イザヤ書」第三十二章ボクが宇宙で唯一崇め奉る神、バモイドオキ様。今では何もすることがなくなってしまったので、代わりにボクの話を聞いて下さい。ボクがうん
気がつくと腹の下に娘がいた。長女のパウラだ。右側でグッタリしているのが次女のナタリア。左側でうつ伏せになって失神しているのが三番目の子にして長男のニコラス。三人の子供を相手にキリルは性欲を満たしているところだった。パウラと視線が合い、その
少女の願いは、死んだら人魚か水妖(ウィンデーネ)になることであった。彼女が確かにそう願ったのか、それとも自分がそう思いたがっているのかは分からなかった。それは今となってはどうでもいいことだ、目の前の冷たい水のなかに漂う少女の美しい死に顔を、男