今日はハロウィンだそうだが、どうも僕はハロウィンというのが何なのかいまいちよく分かっていない。仮装イベントなのか、あるいはお菓子を子供にあげるイベントなのか、あるいはカボチャを顔の形にくりぬくイベントなのか、一体なんなのだ?だいたいあの黄色い大きなカボチャは日本には無いものだし珍しいのでカボチャという感じがしない。
それはそうと一昨日、台風の大雨の日にリゾナーレ八ヶ岳(小淵沢)に行ったのだが、ここもまたハロウィン仕様で、どこに行ってもハロウィンで統一されていた。ロビーにはハロウィンの飾りがあちこちにあり、チェックインの受付ではハロウィンの絵本(リゾナーレのオリジナル)をくれた。雨の中、仮装したスタッフと子供たちが何やらやってるようだけど(ハロウィン期間中ずっとイベントをやってるようだ)、盛り上がってるんだか盛り上がってないんだかよく分からない。少なくとも自分とは関係無いもののように思える。
部屋には、ご自由にお持ちかえりくださいと書いてある星野リゾートの小冊子があって、手に持った感じや大きさがとてもいい。中身は全国にある星野リゾート関連ホテルの紹介だった。この本は内容はともかくインテリアとしてはとてもいい。モノとしての存在感のある本は内容がどんなにショボくても印象がいい。受付でもらったハロウィンの絵本もまたモノとしてとてもいい雰囲気を持っている(内容はいまいち)。
ブックカフェのBooks&Cafeに行くと、やっぱりハロウィン関連の本なども置いてある。中にはオザケンが最近出したよく分からないハロウィン絵本まである。ハロウィンが何なのかよく分かってない自分にはどれも手に取る気が起きない。ちなみにこのブックカフェは今まで行ったことのあるブックカフェの中で一番いい。
翌日は雨が上がり快晴だったのだが異常なほど寒い。この寒い中、やっぱりハロウィンの仮装をした人達が何やらやっているけど、盛り上がっているのか盛り上がってないんだかよく分からない。そもそも何をやっているのかもよく分からない。やはりクリスマスやバレンタインなどに比べるとハロウィンは正体不明すぎる。
ところで、景色を観たりとか、おいしいものを食べたりとか、僕はそういうことにあまり興味が無いので、旅行に行ってもただうろうろしてるだけなのだが、このうろうろが結構楽しかったりする。車が無いし、バスに乗るのも嫌なので、リゾナーレの周辺と敷地内だけをうろつくだけなのだが、わざわざうろつきに来ているのだ。プールや露天風呂などにも入れるそうだけど、興味もないし寒いし、パス。
帰りに小淵沢駅で電車の時間まで1時間余ってしまった。夕方の6時すぎなのにもう真っ暗。何か無いかと駅の周辺をうろうろしてみるものの、ほとんどの店が閉まっている。駅前だというのに店の数も少ない。あたりも真っ暗だし、人のいる気配もない。が、奇跡的に本屋が一軒開いていた。駅の待合室と電車の中(電車で2時間かかる)で何か本を読みたかったので入ってみると、ラジオのBGMの中、ばあさんが店の中央にひとりでボーっと座っている。ふと見るとスーパーボールとか外国のコインまで売っている。店内の電気も心なしか暗い。なんだか怖いので、文庫本のコーナーをざっと眺め、急いでドストエフスキーの本を1冊持ってレジへ。ばあさんの動きが異常な程のろく、ロボにしか見えない。店を出ると、とにかく強風が吹いてて寒いし、あたりは真っ暗だし、その真っ暗な中によく分からない人がひとりでボーっと立ってたりするし(あの人は何だったんだろう?)、駅までの抜け道を見つけたので歩いていると(もちろん真っ暗な細道)、すぐ横が深い溝になってたりするし(落ちたら大怪我じゃすまないレベル)、本当に田舎は怖い。さらに、どういうわけかいくら歩いてもなかなか駅に着かない。駅前が工事中のため、目の前に駅が見えているというのに大きく迂回しなければいけないのだ。しかもずっと登り道。暗闇の怖さで疲れ果て、寒さから頭痛までしてきてしまい、強風の中「天は我々を見放した」(八甲田山)というセリフが頭にちらつき始めた頃、ようやく駅に着き、なんとか生還。待合室で放心しながら、なるほどハロウィンとはこういうことなのか、と納得したのであった。
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