ギャラリーコンパとは・・・
目の見える、見えないといった互いの個性を活かしあって、
一緒にアートをシェアするワークショップ・グループ。
ギャラリーに集まってわいわいと作品を巡って語り合い、
カフェに流れてビールやお茶をぐびぐびやりながらアート談義、
また他の話へと花を咲かせていく、
そんな「ゆるさ加減」を大切にしながら
福岡を拠点にギャラリーコンパを開催しています。
2006年にたちあがり、年に3回〜のペースで活動中。
ギャラリーコンパが大切にすること
主役は鑑賞する「人」であるということ、
鑑賞する人それぞれの発見、
それが創作、表現活動(言葉だったり間だったり身振りだったり)
①. 鑑賞する人の心に響くアート作品を見つけに行く。
②. グループで行くと、感じたことを言葉にすることによって
他の視点から自分の鑑賞(創作)がみえてくる。他の視点に揺さぶられる。
③. プラスアルファ作品をダシにして、一期一会、
ちょっと感想を言うのではなく、もっと表現。
④. さらにギャラリーの中で語れるものなどごくわずか、
これからギャラリーの外に出てさらなるコンパ。
これが次回のギャラリーコンパで信頼できる言葉を紡ぐことに繋がるかも。
<ギャラリーコンパへの道のり>
1. KSLEIDOSCOPE 6人の個性と表現展で 国民文化祭企画委員として 鑑賞ワークショップとフォーラム 「ミュージアムアクセスグループ全国会議」を体験(2003.8.30世田谷美術館)
2. 第19回国民文化祭・ふくおか2004 つなぐ!ひとまちアートフェスティバル〜障害のある人たちの表現活動から〜 で 鑑賞ワークショップを開催(2004.8.8〜2004.11.3 福岡市美術館、福岡県立美術館、春日市クローバープラザなど計9回)
3. その後、言葉による美術鑑賞ワークショップ(Marの鑑賞)に参加(2005.2.6 福岡市美術館)
続いて、エイブル・アートin福岡2005「もうひとつのみえかた」財団主催の鑑賞ワークショップ(2005.9.4 アジア美術館) で 市民団体として発足
4. その後鑑賞WSとして1回(2005.12.11宗像CAギャラリーにて)、この日のコンパでギャラリーコンパ命名
<ギャラリーコンパの活動(2008現在まで)>
2006年3回(4.29九州産業大学美術館にて、9.3福岡市美術館にて、2006.10.15ギャラリーアートリエにて)
2007年3回(3.25九州産業大学美術館にて、5.13福岡市美術館にて、8.5アクロス福岡交流ギャラリーにて)
2008年5回(2.10ニコニコガイドサービスにて、3.9アクロス福岡交流ギャラリーにて、5.17九州キリスト教会館にて、8.17アクロス福岡交流ギャラリーにて、9.21スペースアルファ神戸にて)
<発表等(2008現在まで)>
アクセスアーツフォーラム福岡
〜障害のある人の芸術活動を通した社会参加〜
の中の実践発表で
ギャラリーコンパする理由
2007.2.10(土)13:30〜17:00 あじびホール(博多リバレイン 8F)
美術館へ行きたい!〜わたしたちのニーズ
2007年度福岡市美術館ボランティア研修25名
2007.6.2(土)11:00〜12:00 福岡市美術館 教養講座室
「視覚に障害のある人とのことばによる美術鑑賞」専門家会議
主催:エイブル・アート・ジャパン
協賛:富士ゼロックス端数倶楽部、富士ゼロックス株式会社
2008.9.21(日)〜23(火・休) 2泊3日 富士ゼロックス総合教育研究所 スペースアルファ神戸
障害者週間シンポジウム@福岡(共に創り、共に楽しむ:障害者の文化・芸術活動)
主催:内閣府/福岡県/福岡市
協力:財団法人たんぽぽの家/特定非営利活動法人まる/エイブル・アート・ジャパン
パネルディスカッションのパネリストとして
2008.12.9(火)13:30〜17:30 福岡市市民福祉プラザ(ふくふくプラザ)
三つの疑問にお答えします!(2008.1.28記録)
なぜ「視覚障がい者といっしょに」?
<松尾>
世田谷美術館WSの時、「美術館から一番遠いとされる視覚障がい者と」という視点を知った。本来どんな市民にも開かれるべき公共機関の美術館に「より市民の側に立った展示を!」という問題提起の意味合いがそこにはあったと感じた。
今まで視覚障がいのある方に話を聞いていると、視覚障がい者またはその周辺からのニーズ(中途失明した方がアート鑑賞をまたしたい、色の世界への興味、視覚障害のある子どもたちに視覚のある文化を経験してもらいたい、など)もあるようだ。
ただ私自身のきっかけとしては、はじめは単純に世田谷美術館で視覚障害のある方の話を聞いて、その視点、人間的魅力に惹かれたということ。この人たちとなら何か見つかりそうという直感?そして、今もそれかもしれない。
<濱田>
私が「ギャラリーコンパといっしょに」鑑賞するわけは、自分の想像力を高めるための経験ですね。小説を読む、映画を観る、そのための経験、雑学・・がほしい、自分の想像力、創造力が積み上がっていくのが楽しい。それが生きる力の源になる、一人ではその力はつけられない、見えないとよけいつけられないと思う。
なぜギャラリーで、アート作品でなければならぬ?
<松尾>
最初に聞いて印象に残っているのが、世田谷でMarの白鳥さんの言葉「別にアート作品でなくてもいい」。
ただ、アートってそこに創り手という人がいて、その人の視点、メッセージがあり、社会、時代が映り込んでいる、それがコンパを盛り上げる。ギャラリーコンパでは、作家との出逢いも含めて仕組む方向もある。
アート作品でも、ギャラリーコンパがやりやすい作品というのもだんだん浮かび上がる。そのひとつがさわることのできる立体作品、またコンセプトのハッキリしたもの、など。
<濱田>
ギャラリーコンパでも時々こういう話題になる、例えばジャズを聞いて呑もう企画もいいんじゃない?など。ギャラリーの中のものでなくても今からまたどんどんチャレンジすればいい。昔福岡鑑賞WSがやっていた“堅苦しい鑑賞でアート作品を”というのは好きでない、大上段に構えず、楽しむことが一番。
ただ、ここ最近ギャラリーコンパで取り組んできたアート作品はおもしろかったし、アート作家と繋がってその人がまた新しい何かを持ち込んでくれるという方向があるのはいいことだと思う。作家が我々と一緒にやってみてどう感じたのか率直なところが聞きたい、その先に何か見えたのかという方向に興味がある。
コンパする理由?
<松尾>
国民文化祭の頃から、普通は持ち込めない会議室にお茶を持ち込んで会話を和やかにと仕組んだことも。
自主企画第一回目のCAギャラリーからブレイクタイムを設け、台所借りて湯沸しポット持ち込み地元のお菓子用意。ギャラリーコンパ第一回目では自販機利用の駄菓子袋作戦。そしてとうとう終了後コンパ、どんどん砕けてくる。
その理由は、まずリラックスした関係を作りたかった。そして「博多ん人は一緒にお酒ば飲まんと人を信用せんけん」、この信用が大事、実際とくに見えない場合の話し手からの情報ってその人となりがわかっていてこその理解があるのではないか、と思うことも理由のひとつ。
<濱田>
仲間作り、輪を広げたい。普段と違う環境の人とつきあいたい。ほら、同じ会社の人とばかりつきあっていたのでは悩み事ひとつとってもマイナス思考になる。普段絶対出会えない人との話っておもしろいでしょ。
これからの活動に思うこと
<松尾>
最初の頃は、視覚障がいのある方に情報が届く時間やガイドさんが要る時の都合もあるだろうと一月前には情報を流す、それもどこに流せば届くかを模索しながら、折角なら多くの方、必要とする方とシェアしたいという姿勢だった。しかし、そういう毎準備の時間がなかなか作れない。で、ここ最近は、これはと思う作品展や企画に出会ったら最低三人とかでもフットワークを軽く経験を重ねようということに。「いっぱい集まったからいいというもんでもないよ。むしろ質」という方向が出てきた。
<濱田>
さらりと楽しむのと、前から予告するのと2通りあるといいんだと思う。
私の理想とするギャラリーコンパは、昨年9月の片山さんの彫刻の鑑賞。あれは作家である片山さんがいて片山さんと僕が話しながら、僕がどんどん触って鑑賞するのを他のお客さんが見ていた、お客さんはそういう鑑賞の仕方に刺激されてたってあとで聞いた。
<松尾>
前に濱田さん、「もう障がい者の代表は捨てた、かっこつけちゃうし、いいこと言いたくなる、鎧を着てる感じ。今は自分が主体、個人としての姿を見てほしい。」ってのみながら話してくれたよね、あの言葉はメモりました。今はリラックスしながらも意識的に社会に働きかけたいって感じかな?
…以上、ギャラリーコンパ概要でした。
『ギャラリーでアート作品をグループで鑑賞する、
美術館から一番遠いとされる視覚障害のある方々と一緒に』
という、何だか単純なような難しいような
ともすればお固くなりそうな
ヘタすれば友達と普通に作品鑑賞するのと
大して変わらなくなりそうなコトで
年に二回程人を呼び集める、小さな団体です。
ちょっと休みの日に皆が気軽に参加できる
前会った人とまた会いたい、この友達を連れて行きたい
日頃考えていることをアートの力を借りて誰かに伝えてみたり
いい大人がかなり無駄とも思えることに熱を入れてみたい
その後のお酒の席で誰かと意気投合したい
・・・なんていう、福岡市民の願いをかなえつつ
私たちの生活の中に溶け込んでしまっている
決まってることは変えられない、とか
この方法しかありません、とかいうところを
柔らか〜にしていくストレッチ運動を繰り広げたい
と思うここ最近なのでした。
作品鑑賞も楽しみつつ、でもそれに限定せずに
いろいろなことにチャレンジしていきましょう。
mixi上では、思いつきから企画の進み具合
反省会(ほめ殺し?)などなどを展開してゆきたいです。
活動地域は福岡市周辺にて、
お近くの方は是非mixi上だけでなく
ワークショップにもご参加ください。