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ミドレスタント物語コミュの始まり

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 深い森に差し込む陽光は眩しく暖かい。
 朝露が落ちる草木の香りは世界の目覚めをより鮮明にし、朝もやの森はただそれだけでどこか神秘的だ。
 木々達が戯れに奏でる葉音と小鳥たちのさえずり。
 小川のせせらぎが遠くに聞こえる。
 そんな自然の音が辺りを包む世界の中、時折鋭く風を切る音と金属同士が擦れるような鈍い音が混ざる。
 うっそうと茂る木立の中、一角だけ切り取られたような広い場所がそこにはった。
 遮るものがないその場所には上ってきた太陽の祝福がすべて注がれていた。
 そして、その中心には一人の少年が美しく舞っていた。
 朝日に照らされた絹のような黒髪を肩辺りで切りそろえ、小柄ではあるが決して弱々しい印象を与えない逞しい体。白い肌に整った顔立ち。切れ長の目には優しさを秘めた紫の瞳が輝いていた。
 少年の舞いと思えたそれは、しかし舞いではなかった。
 彼の手には左右それぞれ一振りの短剣が握られている。細身の直線的なデザインの両刃剣を左手に、三日月を彷彿とさせる曲線的な片刃剣は右手に握られている。
 全体的に赤い装飾が施された短剣は、互いの柄の部分を鎖で繋がれていた。
 少年は手にしていた短剣を美しく弧を描くように振ったかと思えば、次の瞬間には目にも止まらぬ速さで鋭い突きを繰り出し、時には短剣の一つから手を離し鎖で繋がれた片方を駆使し自由自在に操っていた。
 その無駄のなく鋭い動きは見る者にとっては美しさと優雅さを、また他の者が見れば逞しさと凛々しさを与えるだろう。
 ゆえにその動きは芸術の域にまで高められた「舞い」と表現してもおかしいものではなかった。
 しかし、朝の清清しい風を纏いながらの短剣演舞は唐突に終りを告げる。
 少年の背後の草藪から突然ものすごい勢いで黒い影が飛び出してきた。

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始まり2
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