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【エヴァ】二人の瞬間コミュの【本編 Scene12(Aパート)】優しさは贈りもの

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悪魔はひとの心の中にいる。

それと知らずにいることが、一番幸せであり… かつ、残酷なのである…
そして、それを知らせずにいることが、優しさなのかも知れない…

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直上最終決戦当日。
ネルフ中央作戦司令室・第一発令所。
放棄され、人気のない指揮デッキでゲンドウと冬月が話している。

冬月  「碇…。人類をどうするつもりだ?」
ゲンドウ「冬月…。そもそも人類補完計画とは何だ?」

冬月  「人類補完計画とは…エヴァを通して、人間同士がシンクロして意志を
     共有化することを狙ったもの。常に巨視的立場に立って判断し、情報
     を共有することが、ごく自然な感覚として享受できる…いわば究極の
     ネットワークだ。これで全人類の意志が、一つであるかのように調整
     できれば、次世代からはアダムの力を無限に近いレベルまで強化
     できる。そのときこそ神も2度と手は出せないはずだ。」

ゲンドウ「そして人類は神に比肩する力を持つ。幼年期が終わり、
     新たな世紀が創られるのだ。」

冬月  「そして、人類が一つになった時、チルドレンは遠からず宇宙に出て
     いくことになるだろうが… それに参加できない大人達=旧人類は、
     チルドレン=新人類と決別することになる…。まあ、地球に居残る
     ことになるだろう…。」


ゲンドウ「ここまではゼーレのシナリオ通りだな?」
冬月  「うむ…。」

ゲンドウ「エヴァのパイロット=チルドレン選抜のためと称して、各国から選り
     すぐった14歳の子供たちを第3新東京市に集めたのは人類補完計画
     実施のための策だった。ここなら最後まで生き残れる公算が高い。
     この計画はつまるところ、セカンドインパクト時に胎内にいた世代…
     『祝福』を受けた14歳の子供たち…彼らさえ確保しておけば良い
     のだ。」

冬月  「『祝福』…セカンドインパクト時の特殊な放射線…を浴びた胎児は
     旧人類と比べ、他の生命体とのシンクロ率が著しく高かった。ゼーレ
     がもくろんだのは、それを逆手にとった人類の人工進化だった。」

ゲンドウ「だが、現実的に、この計画を全人類に施すのは不可能だ。これは
     速やかに且つ完全に行われなければならない… 全体主義的な発想
     だとして、誰かが必ず反対の狼煙を上げるからだ。
     全人類が生き残っていては、必ず計画は破綻する。

     …冬月… 。最終決戦後の被害が甚大な事についてはゼーレも
     了承していたよ。どのみち人減らしは必要だったのだ。
     もっとも…ゼーレの老人たちは自分たちまで見捨てられるとは
     思っていなかったようだが…。」


冬月  「酷い話だ…。」

ゲンドウ「そうかね? しかし、神の意志もほぼ同じだったのだ…冬月…。」
冬月  「なに?……………」

その時、轟音と共に大地が鳴動した。恐ろしい振動だった。
遺跡の超耐震システムでこれだけ揺れるということは、外の世界は…。

ゲンドウ「どうやら生き残れたようだ。この話はまた改めてやろう。
     『方舟』の起動、都市機能の回復、住民への状況説明と慰撫…
     しばらくは忙しくなるだろうからな。」
冬月  「ああ……………」

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直上最終決戦から10日後。
ネルフ本部、戦術作戦部・第15戦況分析室。
緊張の面持ちでリツコとマヤが端末を凝視している。

リツコは、独自に零号機の調査を続けていた。

マヤ 「こ、これはまさか…」
リツコ「こんな事はあり得ないわ、前の時だってこんな事はなかったはず…」
マヤ 「せ、先輩、どうしますか?司令に報告した方がいいんじゃ…」
リツコ「ダメよ!」
マヤ 「…………!」
リツコ「……ごめんなさい。大声出して。とにかく司令はダメ。私から
    副司令に報告するから、あなたも絶対、他言無用にしてね!」
マヤ 「は、はい!」

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直上最終決戦から30日後。
ネルフ中央作戦司令室・第一発令所。
今は使われていない指揮デッキで、ゲンドウと冬月が話している。

冬月  「碇… 神の意志もほぼ同じだと言ったな…説明してもらおうか。」

ゲンドウ「全人類がミカエルによって絶滅させられた後、方舟によって地球は
     完全に再生される。そのとき人類も再生されるはずだった。完全に
     無垢な何も知らない生命体として…。
     
     『完全に一からやり直すこと』

     …これが神のシナリオだった…。こんな暴挙が他にあるか?」

    「神との戦いの損害が甚大なのはお前も予想していたはずだ。
     それを目的のために利用した…ただ、それだけのことだ。
     俺は少なくとも人類生存を果たした。」

    「生命体は生存本能に忠実であるべきだと思わんか?
     たとえ… それが宇宙に害をなすとしてもな…。」

冬月  「なぜ、お前が神の意志なぞ知っている? それに
     『アダムのサンプルを持ってこの星へ来た…』そう言っていたな…。
     それと関係があるのか?」

ゲンドウ「フッ…さすがに目敏いな…。」



    「『祝福』は偶然ではなかったのさ…。」




冬月  「…?!」

ゲンドウ「エヴァについてもゼーレから知らされてないのか。」
冬月  「エヴァは…零号機は、アダムの肋骨から創られた人造人間だ。」
ゲンドウ「そう。つまり、初号機以外の量産タイプは、零号機を元に
     地球人用に調整したマシーンのようなものに過ぎない。」

冬月  「では、初号機は…一体なんなのだ?」

ゲンドウ「フッ… おれの専用機だったのだよ。

     エヴァと同じ方法…アダムの肋骨から創られた… 使徒だ。
     この星に来るときにもあれで来たのだ。南極に降り立ち、
     細胞同化能力を失う寸前、そこに一人の人間がいた。」

冬月  「六分儀ゲンドウ…か…?」
ゲンドウ「そうだ。」
冬月  「お前は、俺の知ってる六分儀ゲンドウではなかったというのか!
     …では一体何者だ?」


ゲンドウ「ルキフェル…昔はそう呼ばれていたよ。」


冬月  「!!………………
     レイにこだわるのはそういうわけだったのか?」
     
ゲンドウ「フッ…“エヴァ”には『エデン』の昔からずっとこだわり続けて
     きたのさ。そして、今回も人類に原罪は残った。」

冬月  「ゼーレは旧文明の遺産のほんの一面を知っているに過ぎなかったと
     いうわけか…いい面の皮だったわけだ。」

冬月  「もう一度聞く。碇…いや、ルキフェル。人類をどうするつもりだ?」

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【Bパートへつづく】
                           (初出 96/03/23)

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