ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

平家琵琶コミュの一服どうぞ♪(雑談トピ)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
江戸時代、本所一ツ目にあった当道座の役所「惣録屋敷」では、
年中行事として、二月と六月に平家琵琶の奉納演奏会がありました。

『東都歳事記』『江戸名所図会』などによると、
検校数人を含む十数名の盲人たちが、いろいろな「句」のサワリを語り、
休憩時間になると、茶道具を持参していた聴衆が
お茶を一服振舞うこともあったそうです。

そこで一服いただきながら雑談をする(つもりの)トピを作りました。
「こんなトピが欲しい」とか
「平家琵琶を聴いたときの感想」などをお願いいたします。

コメント(62)

ドラマを観ていないので確実には言えませんが、
たぶん、風林火山のものは笹琵琶とも言われる
筑前盲僧琵琶かもしれません。
以前、友吉氏とコンサートをした時に、
使ったことがあります。

薩摩、筑前の両琵琶は、楽琵琶-平家琵琶の系統とは相当に異なりますし、
時代的にも全く異なります。
薩摩琵琶は近世邦楽と言えるでしょうが、
現在聴く機会が多いものは明治以降にいろいろ改められた点が大きいですし、
筑前琵琶は明治になってから成立したもので、
三味線音楽の影響も受けています。
また当道と敵対したこともある盲僧座の音楽ですし、
平曲が中央の音楽とすれば
地方の音楽でもあります。


筑前は中学生の頃習っていましたので、
感じはだいたい分かります。
筑前には四弦と五弦があり、
五弦の方が楽器もひと回り大きいです。
撥も五弦用の方がやや開きが大きいです。

楽器の材質は、桑の胴に表板が桐というのが良いそうですが、
一般には欅の胴が多いです。
特徴は、唐琵琶 ( 楽琵琶ではなく近世中国の琵琶。
長崎の清楽で使う。現代中国の琵琶も基本的に同じ ) に似て、
胴の縁が表側にまで出て枠となり、
その中に表板を嵌め込む作りになっていることです。
これが他の琵琶と違うところで、
筑前盲僧琵琶の作りと同じです。
柱は五つで取り外しはできません。

筑前琵琶はその成立に三味線音楽の影響を受けていて、
調弦は、四弦の場合、三味線の本調子と同じで、
一をGとすると二がC、三と四をGの同音にします。

五弦は一からCGCDGとなり、一と三が同音です。

ただし、筑前琵琶、薩摩琵琶とも絶対音高の音楽ではないので、
奏者の声の音域に合わせて調弦もスライドします。


薩摩琵琶は、自分では弾きませんが、
友吉さんなどともコンサートをしたりして割と身近ですので、
知っている範囲で書いてみますね。
正派、錦心流、錦琵琶などによって、少し違うところがありますが、
ふつうは四弦四柱、五柱です。
すべて桑でできたものが良いとされるようです。
錦琵琶は筑前琵琶の要素も取り入れていて普通五弦五柱です。
調弦は、正派の場合一をCとすると二がそれより低いG、
三が一と同音のC、四がDとなります。
錦心流はCGCEとするようです。
錦琵琶はCGCDDと調弦します。
>#23: 七重衣さん
貴重で丁寧な情報をありがとうございました。
現代の筑前琵琶より小さく素朴な印象でしたので
筑前盲僧琵琶かなとは思っておりました。

また調絃はCG(低)C(一と同じ)G(高)
またはG(低)G(低)C(一と同じ)G(高)
のように思われました。

撥は楽琵琶のものでしたが、
撥面と絃の距離があるためか、はたまたギター風の奏法が身についているためか、
絃に対して直角に近い角度で絃だけを弾いていました。
平家琵琶は撥面と絃の距離が近いため、撥を寝かせるようにして、
撥面に撥を当てるようにして弾きます。たぶん楽琵琶もほぼ同様に弾くはずです。

ドラマはある程度ファンタジーの世界になるのは承知しておりますが、
日本の楽器については時代考証の余地がまだまだ残されているなと思います。
平家琵琶の相伝者が、薩摩琵琶・筑前琵琶の詳細を知らないのですから
致し方ないですね……。

あらためて、情報をいただきましたこと、御礼申し上げます。
こんにちわ。

愛知県で雅楽に携わっていて「楽琵琶」を担当しています。

場違いかとは思ったのですが、「楽琵琶」についてコミュをつくりましたので、関心のおありの方の参加をお待ちしています。

http://mixi.jp/view_community.pl?id=3219046
>青蛉返さん
はじめまして。返信が遅れてすみません。
楽琵琶を含む雅楽の団体は、あまり多くないのですよね。
もしお差支えなければ、こちらのコミュと「コミュニティリンク」
(可能であれば相互リンク)させていただけませんでしょうか。
今後ともよろしくお願いいたします。
管理人さま、

ご丁寧なご挨拶、おそれいります。

相互リンクのお誘い、有難く存じます。
早速こちらからもリンクさせていただきます。

>青蛉返さん
遅くなりましたが、こちらからも「コミュニティリンク」させていただきました。
ありがとうございました。

>コミュ参加の皆様
楽琵琶と平家琵琶との共通点(構造など)と相違点(扱う音楽など)と、
少しずつでも発見の機会につながればと思っております、
よろしくお願いいたします。
【平曲研究所】

去る4月26日より、「平家詞曲ブログ」の名称を「平曲研究所」に変更し、
また本日5月5日(旧暦四月朔日)より、ホームページ「平家詞曲研究室」を
「平曲研究所」が運営するスタイルに変更いたしました。

私が管理していることに変わりはありませんが、
パソコンの中の研究室だけではなく、
現実の世界における「研究所」として活動していけたらと考えております。

今はまだ準備・構想の段階ですが、
・(研究所の外での)演奏、講演、研究活動
・後継者の育成(できれば来年あたりから)
・小規模な講座
・平家琵琶に関連する古文書類の解読と翻刻
・平家琵琶に関連する研究と発表
・発声や群読のワークショップ
・謡など、平曲と関連のある伝統芸能の紹介
・着付けや茶道など、日本の伝統的な文化の紹介
といったことを手がけて行くつもりです。

来月で、「前田流平家詞曲相伝」(免許皆伝)となって10年。
現代の暦で祝日、旧暦では四月朔日の今日を「開設日」としました。
当面は何も変わりませんが、今後ともよろしくご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
dirコミュへの情報提供についてお伺いします。

mixiに 
[dir] 邦楽
http://mixi.jp/view_community.pl?id=266761
という
日本の伝統音楽に関するコミュニティを集めた
dirコミュ(あるテーマにのっとったコミュニティのリンク集のコミュニティ)が
あるのですが、そちらに当コミュの存在を知らせ、
掲載していただこうと思ったのですがよろしいでしょうか?

邦楽関係の方が多く利用されているようです。
こちらにお越しの方が多くなれば と思います。

>さつき。さん
ありがとうございます。
実はその情報提供コミュの#17に自推したのですが、掲載されませんでした。
情報提供コミュを見て行くと、他にもリンクされていないコミュがありますので、
何かの判断基準を満たさないと載せてもらえないのかもしれません。

SNSができる前、「平家詞曲研究室」を総合リンクサイトに自推して載せてもらったら、
後日、管理人さんが「珍しいHPを見つけた」と二重にリンクして下さり、
さらに後日、管理人さんからリアルに「平家琵琶のHPをぜひ作って。」とリクエストされましたあせあせ
もっと宣伝したほうが良いのでしょうか?????

御判断お任せします。
madoka♪さん

ほんとだ、確かに掲載されてないですね・・。

ただ、管理人さんが途中で交代されてるので
その間に見逃された?可能性もあるのかも・・。

そのほかの掲載されてないコミュがどういうものか
確認してないので、なんともいえないですが、

もう一度、掲載希望出してみます。

宣伝の件に関しては、難しいですね・・。
ただ、平家琵琶の存在に関しては
まだまだ知られてない部分が多いと思いますし
(琵琶自体今では三味線に比べると、知名度的には
やや低めだと思いますし、琵琶にこんなにいろいろな種類があること自体
知っている人は少ないかも)
私は、もっといろいろな場でアピールなさったらどうでしょう!
と思います。


コメントありがとうございます!
>さつき。さん
お手配ありがとうございました。
なるほど、ちょうど管理人さんが交代の時期だったのですね。
早速掲載していただけて嬉しいです。

効果の期待できるところでのアピールを、もっと考えたら良いのかもしれません。
何かアイディアがありましたら、ぜひお聞かせ下さいませ。
【平家琵琶の遊印】

先日、大田原市の「那須与一伝承館」に行って参りました。
http://www.nasuno-yoichi.jp/yoichi.html
http://www.city.ohtawara.tochigi.jp/034bunka_sinkou/?data=yoichi_densyoukan.txt

現在の企画展は「交代寄合那須氏・福原氏と大田原」(12月7日まで)。
幕末の江戸において平曲伝承に深く関わった、那須資礼(すけひろ)関連のものも
いくつか展示されていました。

その中に、琵琶の形の落款(遊印)のある展示物がありました。
おそらくは、資礼が所持していた琵琶の銘に因んだものでしょう。
雅号としても使っていたのかもしれません。

画像左は、図録から推測した琵琶形の落款です。
「松風」とあります。
松風は、那須資礼が所有していた琵琶の銘で、琵琶の作者は山田宗へんです。

琵琶の下の輪郭線がなだらかでしたので、楕円形の石を利用した可能性が高いです。
というのも……
実は平成7年の11月に、画像右のような落款を作ったことがあるのです。
実物の出来栄えは棚に上げて、
那須資礼さんも私も、「琵琶形の落款を作ろう」と同じことを考えたのだと思い、
なんとなく嬉しくなりました。
画像を載せそびれましたので追加投稿です。
【平家琵琶の撥面と音質】

楽琵琶や平家琵琶は、演奏時、撥を楽器本体に当てるように弾くため、
ツゲでできた撥が当たる「撥面(ばちめん)」に動物の皮を貼ります。
(撥面は、捍撥(かんばち)とも言います。)

撥面の材料は、馬・牛・鹿・鮫・エイ・ウミガメの皮などが使われたようです。
錦などの布帛類が施された例があったかもしれません。
ここに、好みに応じて金や、型押しや、蒔絵などを施す例も多くみられます。

平家琵琶の場合は(楽琵琶と区別するために)撥面に「月」を貼ります。
材料は、象牙・銀・柘植などで、形は満月も半月も三日月も例があります。

私が最初に稽古で使った琵琶の撥面は、なめし革(牛?)に金を施したものでしたが、
後日、琵琶の復元製作師が珍しいサメ皮(エイのほう)を入手し、貼り替えて下さいました。
エイの皮の表面は粗く、ザラザラ(むしろゴツゴツ)しています。
(ちなみに、わさびをおろす時の鮫皮はかなり入手が難しいのだそうです。)

人間の耳というのは、雑音を無意識に排除するようにできているらしく、
私は長らく、なめし革の撥面と、エイの撥面の音の差に気付きませんでした。
CD-BOOKのための録音時に初めて、それを知ります。

「クワラリン(からりん)」と琵琶を4絃とも掻き鳴らすと
撥は固くて粗い撥面を摩擦していくわけですから、
「カチカチカチカチ」と同時に聞こえてくるのです。
(録音技師さんに相談して、カチカチ音は可能な限り小さくして頂きました。 )

それ以降、カチカチという音がなるべく小さくなるように弾いていますが、
撥を撥面に当てて弾くので、どうしても聞こえてしまいます。
薩摩琵琶や筑前琵琶では、撥面に撥を当てることはあまり無いのでしょうか、
また楽琵琶や平家琵琶の奏者でも、なめし革の楽器しか御存知ない方もあるので、
時折、ご質問をいただくこともあります。
撥面の材質と、平家琵琶の奏法ゆえのカチカチ音ですので、なにとぞご理解くださいませ。
コミュニティリンクさせていただきました。

私のほとんど更新のないTTもう一つのコミュです。

「琴(きん)」をめぐる物語。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1859565

江戸時代の七絃琴愛好グループと平曲をたしなむ
グループが微妙に重なることに注目(!)(ちなみに
明治以降昭和初期までそのような傾向はあったみたいです・・)しての
リンクとなりました。

よろしくお願いします。
>さつきさん
コミュニティリンクありがとうございました。
こちらからもリンクさせていただきました。

平安人物志を見ても、愛好者が重なっていたことがわかりますよね。

平安人物志 文政13年版
「平語」
http://tois.nichibun.ac.jp/hsis/heian-jinbutsushi/Heian/years_bunsei13/heian453.html
「七絃琴」
http://tois.nichibun.ac.jp/hsis/heian-jinbutsushi/Heian/years_bunsei13/heian455.html
madoka♪さん

ありがとうございます!
嬉しいです。
【サライ『平家物語』付属CD感想】

今朝、新聞で「サライ」の広告をみて、早速入手しました。
わずか750円で、あらすじ、主要人物、関連する文芸、
京都・鎌倉・福原・壇ノ浦などのこと、松平定知氏による朗読CDなど、
盛沢山な内容が手頃な薄さで楽しめます。

CD11の章段から、全文または抜粋部分を朗読しています。全55分。
また、各章段は、タイトルを言った後に平家琵琶の音色が数秒から30秒程度流れ、
音色がやむと松平氏の朗読がはじまります。(平曲の「語り」はありません。)
平家琵琶の演奏は、鈴木孝庸・新潟大学教授です。
松平氏の朗読は、淡々と、でも間合いを意識しながら読み進められます。

1.オープニング(平家琵琶:「中音」)
2.巻第一「祇園精舎」(平家琵琶:「口説」)
3.巻第三「足摺」(平家琵琶:「折声」)
4.巻第四「橋合戦」(平家琵琶:「拾」)
5.巻第五「早馬」(平家琵琶:「強声」)
6.巻第六「入道死去」(平家琵琶:「初重中音」)
7.巻第七「福原落」(平家琵琶:「甲、三重の一部分」)
8.巻第九「坂落」(平家琵琶:「上音、拾の一部分」)
9.巻第九「敦盛最期」(平家琵琶:「上歌」)
10.巻第十一「那須与一」(平家琵琶:「突据、拾の間奏」)
11.巻第十一「先帝身投」(平家琵琶:「初重」)
12.巻第十二「女院死去」(平家琵琶:「甲」)

琵琶の演奏のうち、「三重」がないのが少し残念でした。
これは40秒くらいかかるので、時間的な都合があったのかもしれません。
【「平曲研究所」の開所式】

昨年より「平曲研究所」を名乗っておりましたが、
今年度からより具体的な活動を始めるため、本日、ささやかな開所式を執り行いました。
出席者は、古文書の先生や、平曲の支援者・学習者を含む9名です。

最初に、代表(私)から、研究所設置の経緯と命名について挨拶しました。
研究所の設置を計画したのは、とあることでお話を伺った文化庁の方から、
「団体であれば、助成金の申請もできるんですよ。」と教えて頂いたことに始まります。
その後、わかりやすい名称をいろいろ考え、
「画数判断」でも吉と出た「平曲研究所」に決めました。

次に、開所式です。お茶会形式にしました。
席入りの案内は平家琵琶の「七ツ撥」。
お菓子を抹茶をさしあげ、小さな記念品をお渡しして、
出席者全員で「桜」を唱和しました。

今年は開花宣言から、ずいぶん桜が咲き続けました。
「桜」では「君(天皇)が賢王であれば、桜の寿命が長い」と語ります。
今年はきっと、お天気も桜も、天皇皇后両陛下の金婚式を祝ったのでしょうね。
平曲研究所も、これにあやかりたいものです。

お弁当をいただいてから、総会です。

議題1■会則と役員選出
はじめての総会なので、会則を確認しました。
また、最初の総会まで「暫定」としていた役員も選出しました。
代表は私、副代表は母。常任委員が2名。 監査2名です。

議題2■事業案
当面は、私がやってきたことを「平曲研究所が支援する」という位置づけで臨みます。
自主企画の演奏会、HPの運営、古文書の勉強会や、発声のワークショップの開催などです。
また平家琵琶に使う譜本に関して、印刷会社の協力を得て進めている事業がありますので、
この趣旨や予算についても説明しました。

議題3■予算案
年会費は1000円で、大きな金額が期待できるものでもないので、
当面の間は「その年度で手がける活動の資金」に充当します。
今年度は、譜本に関する事業に対して支出します。

概ね、以上のとおりです。
小さな任意団体ですが、今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
madoka♪さん

ホームページの琵琶の写真だけでなく、このコミュの写真も変わりましたね。
気をつけていないと気が付かないかもしれませんが…
>火の鳥さん

ありがとうございます。
前回の画像を作った時と違う大きさの画像をもとに作業したため、
文字が小さくなってしまったのですが、気に入っているので
気づいていただけて嬉しいです。
12月22日まで、彦根城博物館にて、
テーマ展「日本の楽器・琵琶 ―井伊家伝来雅楽器から― 」が開催されています。
彦根城博物館テーマ展
http://longlife.city.hikone.shiga.jp/museum/intro/index.html
滋賀ガイド
http://www.gaido.jp/machikado/machikado.php?ID=8068

展示室に置かれていた展示作品リストと簡単な解説を載せたリーフレットによると、
彦根城博物館所蔵の雅楽器は、そのほとんどが12代井伊直亮(なおあき)が収集したもので、
質量ともに日本有数の一大コレクションとして知られており、
コレクションのうち、楽琵琶は28面が伝えられている、とのこと。

展示されているのは、琵琶の譜や琵琶、琵琶の絃や袋、撥、台など23点です。

■ 1 糸竹口伝
■ 2 琵琶譜伝授状 今出川公久筆、井伊直亮宛
■ 3 五常楽琵琶譜
■ 4 琵琶譜 井伊直亮筆

■ 5 琵琶 賢意作(鎌倉時代制作)延徳元年(1489年)に大蔵卿が修理。
■ 6 琵琶 銘秋風 円乗作(室町時代制作)宝徳二年(1450年)作。慶長九年に勢州の山室小左衛門が、天保十四年に東都の菊岡内匠が修理。撥面に蟋蟀(こおろぎ)と秋草が描かれた小琵琶。
■ 7 琵琶 銘望月(鎌倉時代制作)源頼朝が大阪の四天王寺に奉納したとされています。
■ 8 琵琶 銘新月(室町時代制作)天文十年(1541年)制作、元禄六年に神田吉松が、安永十年に菊岡内匠が修理。
「小宰相」という銘の琵琶を模して制作。撥面に大きな金の弧(朔の直前の新月)を表す。
■ 9 琵琶 銘大虎(室町時代制作)京都の医師が豊臣秀吉から拝領した琵琶。槽裏に梵字が五文字。五柱をつけた跡から、平家琵琶としても使われていたと考えられる。撥つき。

■10 琵琶 銘千歳(室町時代制作)東大寺の僧尊秀が所持。享保十二年に平安琴匠・神田内匠が、天明六年に美濃守多朝臣が修理。
■11 琵琶 銘水竜(江戸時代制作)寛政八年、浦上玉堂が福島会津に滞在したときに得た小琵琶。撥面の上部に波と竜が、撥面の下部に「十三夜の月の出」が描かれる。落帯はサメ(青皮)。
■12 琵琶 銘春山(江戸時代制作)撥面に山水。撥面・落帯ともにサメ(青皮)。
■13 琵琶 銘雲竜(中国・明代制作)楽琵琶と似た形状の、小ぶりで薄い琵琶。覆手に象牙細工、槽全体に螺鈿。
■14 琵琶 銘初音(平家琵琶、江戸時代制作)撥面に、梅にウグイスが描かれています。

■15 琵琶袋(江戸時代制作)
■16 琵琶絃(江戸時代制作)
■17 琵琶絃袋(江戸時代制作)絃を4本入れておくことを前提にした、底が丸くて平たい巾着。
■18〜20 琵琶撥(江戸時代制作)黄楊(つげ)、水牛、べっ甲で作られた楽琵琶の撥。いずれも撥袋つき。
■21〜23 琵琶台(江戸時代制作)

――――――

#14「初音」の解説には「平家琵琶は背負って運ぶから小さい」とありました。
その要因は否定しませんが、
検校レベルなら、琵琶は箱に入れ、別の誰かが運びますので、
楽器をわざわざ小さくする必要はありません。
私自身は、「語りの声より小さな音でかまわないこと」と、
「語りに負担がかからないこと」が理由で、小琵琶なのだと考えています。

由緒正しい琵琶が10面もズラリと展示される機会は、そうそうはありません。
22日まで、あまり時間はありませんが、
雅楽器・楽琵琶・平家琵琶などにご興味のある方は、
ぜひともご覧いただきたい展覧会です。
週末なら、「ひこにゃん」に会えるかもしれません。
この間
(12月だったかな?)
NHKの歴史番組で「平家」一門の話が
出てきていましたね。

「草食系武士」を目指した平家一門 という
切り口が面白かったです。

madokaさんはごらんになられましたか?

平曲のなかの 平家 とは、やはり感じがかなり違いますか?

それにしても平家物語の曲を「語る」人が
番組中出てきたのですが
筑前琵琶 というのはちょっと個人的には気になりますね。
平家を語るってああいう感じなんだって思う人が多そうで。
(げんに私もそう思ってましたし・・)
筑前の人だって題材として語ることはわるくはないはずなのに・・
平曲を知ってからはちょい気になります。
>さつき。さん
こんにちは。
残念ながら、その番組は見逃してしまったのです…。
草食系、なるほど、そう見ることもできますね。

平曲は平家物語を淡々と語るので、
聴く人が「平家一門は草食系」と思って聞けばそう解釈できるし、
「いやいや肉食系でしょう」とか「雑食だよ」という解釈も可能です。

ドラマや映画などでは、薩摩琵琶か筑前琵琶を使う例がほとんどですし、
そうしないと「琵琶」のイメージが伝わらないのがわかるのですが、
歴史紹介の番組などでは慎重に扱ってほしいなという思いがあります。

さりとて、テレビ放送に耐えうる演奏家が今井検校くらいしかいないのも事実。
「盲人」「男性」にこだわる人も少なからずいらっしゃいますので……。

>山名騒然さん
コメントありがとうございます。

本来の平曲と、薩摩や筑前で平家を題材にした作品とを、
きちんと区別できるようなナレーション(または字幕)があると良いのですが。

「当道座屋敷」の情報も、ぜひお願いいたします。
検校の公邸のような場所だったのかなと想像しております。
> さつき。さん初めまして

その番組は見損ないました。
でもメディアの影響力は大きいですよね。
私は幸いにも30数年前 NHKで名古屋の3検校の語りを聴いたのが最初でした。
それ以来平曲の魅力にとりつかれていますが、あの時別の琵琶を聴いていたら平曲とは永遠に出会わなかったと思っています。

> 山名騒然さんご無沙汰しています。

「当道座屋敷」興味ありますね。
また詳細教えてください。よろしくお願いいたします。

平家琵琶ではありませんが
最後の琵琶盲僧 永田法順さんが亡くなられたそうです。
記録は残していたようですが、後を継ぐ方はいるのでしょうか?

謹んでご冥福をお祈りいたします

http://megalodon.jp/2010-0126-0018-44/www.asahi.com/obituaries/update/0125/SEB201001250036.html

最後の琵琶盲僧 永田法順さん死去
2010年1月25日22時48分

永田 法順さん(ながた・ほうじゅん=日向盲僧琵琶弾奏者、浄満寺住職)が24日、死去、74歳。
通夜は26日午後6時、葬儀は27日午前11時から宮崎県延岡市山下町3の4088の善正寺で。
喪主は妻年代さん。浄満寺は同市山下町3の4082。

2歳で視力を失い、13歳で浄満寺先代住職に弟子入りし琵琶と経典を学んだ。
琵琶を弾きながら約千軒の檀家(だんか)を回って無病息災や
五穀豊穣(ほうじょう)などを祈る「最後の琵琶盲僧」だった。
2002年に県の無形文化財に指定された。
 永田法順さんのお名前を読んで・・・横レス失礼いたします。74歳、まだまだご活躍していただきたい年齢でいらしたのですね。残念なことです。

 10年ほど前になりますが、とある新聞で、永田法順さんの語りの声はすばらしいと紹介されていました。

 CDを・・と思いましたが、かなり高価でして断念し、図書館にもなく、購入希望を出しましたが、CD類はだんだんに減らしていくことに決まったとかで却下されてしまいました。結局そのお声を聞けずじまいです。
>火の鳥さん
情報ありがとうございました。
平家琵琶との差を明らかにするためにも、大切な存在でしたが、残念なことです。
若干の音源があったにせよ、口承がなければ、それは「復元」にしかなりませんから、
後継者がいらっしゃれば良いのですが……。

>葵ちゃん
年齢的な意味でも残念に思います。
十数年前に、永田氏の盲僧琵琶を聴く機会がありました。
盲僧琵琶のカテゴリーは、後にも先にもそれしか聴いたことがありませんが、
思っていたよりも日常に根差した、優しく力強い語りという印象を持ちました。
■節が無いかのように語る■

伝書『平曲温故集』「音声之事」に
「歌ニ 音曲ハ タヾ 大竹ノ如クニテ 直(まっ)スグニシテ 節スクナカレ
トアリ。能(よ)キ音曲ト云フハ 物語ノ文句 スルスルトシテ軽ク
上ニ 節モナキ様ナレドモ 下ニ節コモリアタリ勝ニシテ
耳ニ立(たた)ヌガ上手ナリ。」
とあります。

まるで節が無いかのように語るのが良い、
軽やかに文句を語るのが良い、
節が無いようであって、実はきちんと節になっているのが良い、
というような意味です。

さらに、「音曲は軽き心が大事、重いのも悪(わろ)し、しだるいのも憂(う)し」
「音曲は和やかに、長く高く耳に立たないのが良い」
などなど、平家物語の詞が聞きよいように語ることが大事で、
声を良く出そうと思う必要は無い、ということが書かれています。

■館山甲午師の語り、館山宣昭師の語り■

言うまでも無く、教習課程においては、旋律をきちんと覚えることが必要です。
小さいころにピアノを習っていたこともあり、
私はずっと、この旋律を頭の中で五線譜に置き換えて稽古していました。

しかし、館山甲午師や館山宣昭師の語り、江戸時代の麻岡検校の記録から、
「節モナキ様」「スルスルトシテ軽ク」という語り方に気づくようになりました。

たとえば、館山甲午師が生前に録音したテープを聴くと、
五線譜では明らかに違う特徴がみられる「口説」「素声」「中音」が
とても近いものに感じられることがあります。

館山宣昭師はほとんど演奏活動をされませんが、
2003年の演奏会では、私が45分程度と想定した句を38分で語りました。

江戸時代の麻岡検校は、ひと月に平家正節全200句を稽古したと言います。
必ず娘を隣に座らせて譜本を確認させていたというのですから、
かなり速く、それも「毎日語っても疲れない声」で語っていたのでしょう。

■「節モナキ様」の壁■

さて、ここ3年ほどで、身体の使い方を見つめ直す機会を何度も頂きました。
茶道や着付けの所作から気づくことであったり、
発声を考えるワークショップや、古武術に基づく「身体操法講座」に参加したり、
身体に負担をかけないピアノ奏法の体験レッスンを受けたり……。

これらを通じて「身体や声帯に負担をかけない語り方」の存在が見えてきました。
語り手が力まずに語れば、聴き手も疲れないのです。
昨秋頃からは、「スルスルトシテ軽ク」の感覚も得られるようになりました。
平曲の旋律ではなく詞(ことば)に集中していくイメージです。
「節モナキ様」の壁の全容は、まだまだわかりませんが、
壁を越えるための道筋が見つかった気がしています。

もちろん語る速さには、時代の好みや流行、個人の好みがあって当然ですが、
私はしばらく、「節モナキ様」「スルスルトシテ軽ク」を追及したいと思っています。
世阿弥の「風姿花伝」に通ずるところがあるように感じました。

道を究めようとするところに、同じ思想が潜んでいるように思います。
>八丁堀さん
口伝の根拠となる哲学的なものに、共通点がたくさんあるのでしょうね。

>山名騒然さん
時代や地域や演奏空間によっても、変化があるはずですよね。
謡講、楽しみにしております。
「声の道場」主催の山村先生から「ツヨ吟」と「ヨワ吟」を教わりました。
平家琵琶はそれに当てはめると強い箇所でも全て「ヨワ吟」に該当するのではないでしょうか。
>火の鳥さん
「ツヨ吟」と「ヨワ吟」は、文字で得た知識しかありませんが、
平曲が受容されてきた空間や対象人数を考えるだけでも、
そもそも声を張り上げる語り方はしなかったと言えるでしょうね。
【弘前市立博物館/楽琵琶と平家琵琶の展示】

5月30日まで、青森県弘前市の公園(弘前城)の中にある市立博物館
「弘前の町並み」展にて、楽琵琶と平家琵琶が一面ずつ展示されています。

楽琵琶は銘「千鳥」。四代藩主のときに購入した古い琵琶で、
代々藩主(津軽家)が所有していたものです。
だいぶ痛みが激しいようでした。

平家琵琶は銘「伝・五月雨」です。
箱は、薩摩藩主・島津斉興公・斉彬公が麻岡検校のために造らせた「五月雨」のものですが、
楽器の特徴は、銘「文化」と似通っています。
「五月雨」は麻岡検校死後に遺品として弘前藩主・津軽順承公に伝わり、
明治維新以後に津軽承昭公より私の先祖・楠美太素に下賜されたものです。
「文化」は私の先祖・楠美則徳が、文化年間に江戸で買い求めたものです。

楽琵琶と平家琵琶の説明文は、母や私の著書がお役に立ったようで、嬉しく思いました。

このほかに、平曲の譜本「平家正節」が8冊展示されています。
教習順では後半に含まれる「十一之下」〜「十五之上」で、よい状態の物でした。
「五月雨」の箱に、一緒に収められていたものとのことです。
館山家が所蔵している「平家正節」の中に、この8冊を含まない写本がありますので、
ひょっとしたら一連の写本なのかもしれません。

明治期には、楠美太素の長男・楠美晩翠、次男・佐野楽翁、三男・館山漸之進を中心に、
弘前において、旧藩士たちが盛んに平曲の稽古会や演奏会をしていましたので、
楽器の箱と中身が別々に収められたり、一連の写本が分散したりということも
じゅうぶんに考えられます。

―――――

【大阪・藤田美術館/平家琵琶「千寿」の展示】

こちらは観に行けるかはわかりませんが、6月13日までとのことです。

―――――

弘前や大阪にお出かけの際は、ぜひ琵琶の展示も御覧下さい。
「平曲研究所」のmixiページを開設しました
http://page.mixi.jp/view_page.pl?page_id=115906

#61に投稿したURLが違っておりましたので削除いたしました。

コミュニティとの差別化が図れるのかは、これから模索してまいりますが、
日報がわりの投稿がTwitterに反映されますので、
ゆっくりゆっくり、多くの方の目に留まるようになると良いなと思っております。

ログインすると、残り27件のコメントが見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

平家琵琶 更新情報

平家琵琶のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。