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紙の新聞コミュの社会人になるための心得

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元ダブルクロス社員・笹井浩司氏が教えてくれた

社会人になるための心得

コメント(10)

 さて、今年も就職戦線は実質的に終了してしまったおりもおり、この就職難の時代に職を得た一人の青年が自ら退社した。笹井浩司、23歳。今年4月、586倍という難関を突破し、唯一の新人編集要因として新生ダブルクロス(本誌発行元)に入社。取材の先々でレスラーに好奇心を持たれたこの青年は、『猪木とは何か? キラー編』1冊ぽっきりを手掛けただけで、5月28日に突然、失踪した。
 いったい、笹井青年に何が起こったのか?・・・・・・こちらが心配するまもなく、驚くべき事件が勃発したのである!
 以下、その経緯をたどる事で、「社会人になるための心得とは何か?」を考えてみたい。
1st Stage  池袋警察vsダブルクロス
■6月1日、昼
一通の退職届が会社に届く。
「まことに勝手ながら退社します。短い間でしたがお世話になりました。1994・5・30 笹井浩司」
200字詰め原稿用紙にかかれた、バカまる出しの退職届。
「ウチはプロレス団体と一緒だからね、こんなものは紙切れ1枚ですよ!」と、ダブルクロス山口会長は涼しい顔。
■6月2日、深夜0時30分頃
梅村監査役が電話に出ると、笹井からで、『自転車を盗んだら池袋駅近くで警官に見つかって、今池袋駅東口派出所にやっかいになっている』 とのこと。派出所の警官が電話口に出て、「会社の方に身元引受人になってもらいたい」と告げられる。事情を聞くと、派出所に連れて行かれ、調書を取る段になって逃亡し、逮捕されたらしい。
電話口に山口が出て、「自転車、盗みましたかぁ〜。そいつは極悪人ですので、1週間くらいブチ込んでおいてください」と対応。担当警官に、「この人は、頭も眉毛もツルツルに剃っているんですけど、ツッパリなんですか?」と質問される。
■0時40分頃
警察との話し合いの結果、渋々もらい下げに行くことに。「これから池袋署の方に護送するので、15分後に来てほしい」とのこと。
至急、自宅で仕事をしていた柳沢社長へ連絡。「ズバリ言って、こんな傑作な事はない!」と叫び、取るものも取らず、愛車スズキ・アルトで会社へ急行。
緊急役員会を召集し、「この際、警察と笹井で遊びますか」と決議。
■1時00分頃
当日、印鑑を持っていたという理由で、西村平社員が身元引受人となり、早乙女取締役と共に池袋警察へ。そこで、

陽動作戦?⇒笹井が調書を取られているところを写真におさめるべし。
■1時10分頃
西村、早乙女両名、池袋署着。今回の件の責任者、片岡巡査部長に告げると、「それは人権侵害に当たるので」と断られる。
しかたなく、廊下で記念撮影をしていたら、「おい、いま外で何か光ったぞ!」と、警官がドカドカと出てきて怒られる。かろうじて正面玄関横にあった盗難品の撮影に成功。
  陽動作戦?⇒失敗。
←これは同時刻に捕まった下着泥棒。
「なぜ、署内出そんなに無邪気な笑顔で
記念撮影をする!」と思ったら、
早乙女取締役(通称トメオ)だった。

←これが笹井の盗んだMTB。
指をさしているのは、MTBが
松永の新必殺技の略だと
思っていた早乙女取締役。
■2時00分頃
身元引受部隊がなかなか帰ってこない。釈放されたが、退職届を郵送した手前、笹井が会社に来るのを拒んでいるのでは・・・・・・と思い、社長&監査役が池袋署へ。
■2時15分頃
身元引受部隊が社長&監査役と帰ってきたが、笹井の姿がない。実況検分をしなければならないので、それが終わってから釈放される模様。長期戦の様相を呈してきた為、夜食(牛丼)。
■2時45分頃
  陽動作戦?⇒「昨日退職届が出ているので、身元引受人にはなれない」と池袋警察に連絡すべし。
早速、早乙女が電話。事情を説明し、「他の身元引受人に連絡が取れるまで、1週間でも2週間でも、ブチ込んでおいてくれ」と告げると、至急所内で相談して、折り返し社長宛に連絡するという事に。
  陽動作戦?⇒作戦成功。
■3時00分頃
至急連絡をよこす、と言っておきながら、なかなか電話がかかってこない。そこで、
  陽動作戦?⇒会社の電話を留守番電話に切り替えるべし。
留守電に対し、警察側がどんな反応をするか期待していたら、会長婦人が電話に出てしまった。社員一同が「あ〜、失敗だぁ〜」と叫ぶと、電話を取ったことがまずいことだったと気付いたらしく、「ただいま取り込み中ですので、電話口には出られません」と訳のわからない対応をする。
仕掛けた罠が不発に終わったので、社長が電話に出る。
警察  「何かお取り込み中のところで・・・。お忙しいところ、まことに申し訳ございません」
柳沢  「ズバリ言って、こっちはその件で取り込んでいるんですよ」
警察  「こちらでも色々と相談したんですが、時間も時間ですし、お気持ちはお察しいたしますが、今回は身元引受人というかたちで、ご理解いただけないでしょうか?」
柳沢  「ズバリ言って、一言も挨拶なしで辞めていった人間ですからねぇ。もう、こっちにはなんの関わりもねえ訳ですから」
警察  「そのお気持ちは十分にわかります。でも、本人もまだ若いですし、将来がある身ですから、なんとかご理解いただいて・・・」
柳沢  「ズバリ言って、そんなハゲに将来なんかねえですよ!」
警察  「そう、ズバリ言われましても・・・・・・」
といったやりとりがあり、物別れに終わる。
  陽動作戦?⇒連携ミスにより失敗。
■3時30分頃
  陽動作戦?⇒バカを派遣すべし。
松林取締役が池袋所に向かい、「プップー、プップー、右へ曲がりま〜す。プップー、プップー」と、イカれた振りをして署内を闊歩。即座に逮捕。笹井の「あ、あれは会社の人です」の一言に警官たちは唖然。
ダブルクロスがただならぬ会社であることにやっと気付いた池袋署は、首脳を集め緊急会議に入る。
  陽動作戦?⇒さらに相手の動揺高まるも、戦力ダウン。
■4時15分頃
池袋署から電話。
警察  「おたくには、実にいろんな社員がおるようですね・・・。いったいどんな教育をしておられるんですか?」
社長  「ズバリ言って、最初から手掛けてねえですから」
警察  「・・・・・・。どうですか、ぶっちゃけた話、こんな時間ですしね。おとなしく引き取っていただけないでしょうか?」
社長  「そこまで言われたら、ねえ、私だって鬼じゃねえんだから。引き取りましょう」
  ⇒池袋署降伏 。
早乙女、西村がもらい下げに行き、池袋警察の前で記念撮影をして帰社。
■4時50分頃
社内で笹井容疑者事情聴取開始。
■6時頃
笹井容疑者釈放
←なぜか釈放後、記念撮影に
笑顔で収まる笹井。
その頭と同じく、笑顔は明るい
(が不気味)。
教訓?【自転車泥棒は就職してはいけない】
2nd Stage  笹井容疑者vsダブルクロス
笹井容疑者事情聴取inダブルクロス本社応接室
 
――  いままで自転車は何台ぐらい盗んだ?
笹井  いっぱい盗んでます。10台くらい。
――  今月入って何回目だよ。
笹井  2回目ぐらいです。
――  なんだ常習か。(笹井のアパートがある)江古田で盗んだのか?
笹井  ええ、日大のすぐそばで。
――  どんな自転車を盗んだんだよ。
笹井  マウンテンバイクです。2万円くらいって言ってたけど。
――  なんでそれを選んだんだ?
笹井  鍵がかかってなかったんで。
――  それに乗って池袋まで来たのか?
笹井  ええ。
――  どういう状況で捕まったんだよ。
笹井  Vロード(東口と西口を結ぶ地下道)は自転車に乗っちゃいけないんですよ。そこを走っていたら捕まって、「ライトがないな」とか言われて、「ライト使えないんです」とか言ったんですけど、僕のことを相手がちょっと怪しいなと感じたんでしょう
――  ハハハハハ、思ったか(笑)。
笹井  それで、俺がやったんじゃないんですけど、前に盗んだ人が登録ナンバーを削っちゃってたんですよ。それでますます怪しいなと思ったみたいで、交番に連れていかれたんですよ。「中には入れ」って言われたけど、ちょっとヤバイなと思って、警官がいっぱいいたけど、ここは逃げた方がいいなと思って、黙って思いっきり駅に向かって走り出して、定期を見せて、西武線のホームに逃げたんですよ。そしたら後ろから追っかけてきて・・・・・・。
――  追い掛けてきてるのは気付かなかった?
笹井  一瞬まいたかなと思ったんですけど、でもダメで、改札に入ってから捕まって、後ろから首を押さえられて、手錠を掛けられて。
――  駅で手錠を掛けられたのか?(笑)
笹井  ええ、後ろ手に。


←笹井が池袋駅構内で捕まった際、
警官に柔術式チョーク・スリーパーを掛けられできた傷跡。
笹井の反省の色と同じく、傷跡も薄くなっている。
――  どんな気分だった?
笹井  ちょっとヤバイなと思いましたけど、別に自転車泥棒ぐらいじゃねえ、デヘヘ。
――  まわりの反応は凄かった?
笹井  凄かったと思いますよ。
――  その時何を考えた?
笹井  いや別に。それで、そのまま元の交番にパトカーで連れて行かれて。
――  パトカーに乗った感想は?
笹井  距離が短かったんで、こんなもんかと。
――  親に連絡されるとか思わなかったのか?
笹井  されてもなんでもいいと思って。別に人を殺したわけでもないですし、新聞載るわけでもないですし。
――  でもウチ(紙プロ)には載るぞ。
笹井  あぁ、それは光栄です、デヘヘ。
――  交番で誰か身元引受人になってくれる奴に電話しろって言われたのか?
笹井  はい。
――  それでウチの会社を答えたのか?
笹井  えぇ。実はまだ届いてないと思って、デハハ。それに友人とか家族はこっちにいるかって聞かれたけれど、友人とかはこんな時間にアレですし。一番近い池袋の・・・・・・デハハ。
――  友人は「こんな時間に・・・・・・」で、なんでオレたちを呼ぶんだよ、バカヤロー!
笹井  最初は「会社もこの時間だといないと思います」ってトボケていたんですけど、「1ヶ月ぐらい入るぞ」って言われて、思わず「まだ、いると思います」って、デハハ。
――  その時ダブルクロスに対しては、悪いとおいう気持ちはなかったのか?
笹井  それは全然なかったです、デハハ。
――  留置所でくさいメシのひとつでも食ってみてもいいかな、とは思わなかったのか?
笹井  ええ、三食ついているし、一泊ぐらいはいいとは思いましたよ。
――  それ先に言えよ。迎えに行かなかったのに。池袋署について迎えが来てくれた時はどう思った?
笹井  いや〜、ニコッとしましたね、警察にわかんないように、デハハ。
――  『実は辞表が出てるから』って言った時、警察が『ちょっと相談します』って言ったけど、相談されなかったのか?
笹井  いえ。
――  でも、「辞表出したんだってな」とは言われなかったのか?
笹井  言われました。
――  辞表がすでに届いてて、もう読んだんだなあとわかってどう思った?
笹井  別に・・・・・・早く返してほしいと思って。
――  警察から出る時に何か言われたか?
笹井  別に。
――  何も言わないで帰ってきたのか?
笹井  「お世話になりました」って。
――  こうやって事務所に連れてこられて、今どう思ってるんだよ。
笹井  もう家に帰りたいなあと。
――  これから自転車盗んで帰りやがれ!
笹井  デハハ。
――  これが全国数百万の『紙プロ』読者に読まれることについてはどう思う?
笹井  嬉しいです。これでやっと俺も一人前になったかなと、デハハ。
――  写真入りで出るんだぞ。
笹井  ええ。
――  いっぱいページ数取ってほしいか。
笹井  ええ、なるべくなら。


←リップクリームを塗るのが唯一の趣味の笹井。
警察で取調べ中も2分に1回は塗っていた。
それを見た若手警部が「妖怪カサカサ小僧」
と命名したことを彼は知らない。

――  呆れたね。ところでお前の夢は!
笹井  特には・・・普通に生きられれば
――  ハハハハハ、普通に(笑)。辞表を出そうと思ったのはいつだ?
笹井  とっくに辞めようと思ってました。
――  ずっと前からか?
笹井  ずっとってこともないですね。5月の・・・そうですね、16日ぐらい。
――  ハハハハハハ、刻むね、お前(笑)。何か決定的な事でもあったのか?
笹井  言っていいのかなあ・・・・・・。
――  いいよ。
笹井  あんまり面白くないなと、デハハ。
――  ギャハハハハハハ。そうか、自分がやりたい事があったから、とかじゃないんだ。
笹井  やりたい事ないんです、デヘヘ。
――  ハハハハハ、力が抜けるね。非常に明確な理由だよ。
笹井  人間失格ですね。まさに。デハハ。
――  雑誌を作ることが面白くない?
笹井  どうなんでしょう、ちょっとわかんないです、デハハ。
――  とっとと帰りやがれ!
 
教訓?【バカは就職してはいけない】
3rd Stage  笹井容疑者vs週刊プロレス
「デーッ!」。6月中旬のとある早朝、紙プロ9月号製作に徹夜で取り組んでいた本誌編集長・山口昇が雄叫びを上げた。
今号の特集、「週刊プロレスとは何か?」のデータ収集のため、週プロのバックナンバーをパラパラめくっていた本誌編集長の目に飛び込んできたものは・・・・・・。「投稿コーナー リーダーズ・ボイス」の中にあった「北斗への伝言」と題された文章。そこには、『埼玉県・笹井コージ・23』の文字が・・・・・・。
ダブルクロスの入社試験時にはそんなことを一言も言わなかった笹井容疑者。
それもそのハズ。その中身を読んでみると・・・・・・。以下、その全文を掲載する。
(94・1・18号より)
 

『北斗への伝言』  埼玉県・笹井コージ・23
 朝から雨が降っていた。
 国技館前の行列は、尾崎豊の葬式の列の記憶をよみがえらせた。その光景は今思うと、北斗晶の引退を予感させるものだった。
 北斗晶、レスラー生活8年目。今まで何ら変わることがなく全力ファイトを続けてきたが、4月の横浜での神取戦、一夜にして、スーパースターになった女。一度は首の骨を折りレスラー生命どころか、自分の人生をも賭けた女。
 そんな彼女が8月、武道館で「最後の恋人」神取との闘いにレスラー生命を賭けると言った。横浜では一瞬の集中力が勝り神取をくだしたが、今度はわからない。ヒザのケガもまだ十分回復したとは言えない。
 しかし、闘うしかなかった。12月6日10時7分、北斗コール、神取コールが交錯する中、ゴングが鳴った。
 神取の関節技か北斗のノーザンか、最後はもう技らしい技はなかった。横浜と同じく一瞬の集中力が勝負を決める、そう思った瞬間、神取のアッパーが決まった。崩れ落ちる北斗、どこからともなく悲鳴があがる。神取がエビに固める。ぜったい返す。そう強く信じた。しかし、無抵抗のまま、1万1500人の観客とともに、北斗はスリーカウントを聞いた。
 試合後、悲しそうな表情で神取が叫ぶ。
 「引退なんて口にするんじゃねえ」
 そうだ北斗よ、引退なんて言うな、このまま去れば北斗らしく、引き際も鮮やかかもしれない。しかし、私たちファンは納得しない。
 以前、小林邦明選手が斎藤彰俊選手との対戦に引退を懸けたが、その時、テレビ解説の山本小鉄氏はこう言った。
 「本当は引退を懸けるのは反対です。なぜならレスラーなら負けても、また練習をしなおし、勝てばいいんですから」
 体がボロボロのあなたに、これ以上のファイトは限界かもしれないが、あなたにはまだ倒すべき選手が多くいる。またあなたのスピリットは団体を超え、若い選手に伝えてほしい。
 北斗よ、やっと咲かせた花ではないか、再びその花を大きく咲かせてくれ。
 首を負傷し、周囲の反対をおしきって8万人もの署名を集め、立ち上がったあの時のように。
 
【紙プロの目】
そうですか、朝から雨が降ってましたか。
しかし、闘うしかなかったですか。やっと咲かせた花ですか。
せつないねえ〜。
だけど、これじゃあ『紙プロ』の方向性とは合わないわけだよなあ。
教訓?【「北斗への伝言」などというおセンチな原稿を書いている奴は、紙プロにかかわってはいけない】
 
 

 

紙のプロレス 第9号 
 1994.8.1発行

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