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FINAL OKINAWA FANTASYコミュの11

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11




新しい朝



決戦から一夜明けた。今日もウォキナワは晴天だ。雲一つない青空がどこまでも広がり、太陽のまばゆい日差しが、シゼンカーンの部屋に差し込む。普段ならば太陽の眩しさと熱気に、暑過ぎて目を覚ますところだが、決戦の翌日ということもあり、六人はなかなか目を覚まさない。
だが事態は一変する。

ぷぅぅ〜という、聴き馴染みのある甲高い摩擦音で、みんなが目を覚ました。非常事態宣言だ。

「みんな起きろ!早く窓を開けるんだ!」トゥーマコが大声で叫ぶ。
「窓は開けたぜ!」サクーンが窓を開ける。
「てゆーか、部屋から出た方が早い!みんな逃げろ!」ヤラキがみんなを非難させる。
トゥーマコ、サクーン、ヤラキ、マサー、フィロヤはシゼンカーンの部屋から非難した。
そんな中、ヘイオスは未だに眠り続けている。

ヘイオスは異臭を感じ、目を覚ます。
「うわっ!くさっ!!何?何??」ヘイオスは軽いパニックを起こしつつ、異臭に苦しむ。

それを見守る五人は爆笑する。
「あいつ、自分で寝屁ぇしといて、臭がってるぜ。」サクーンは、良い気味だと笑う。
「バカみたいだね。」フィロヤも笑う。
「けど、迷惑極まりないな。せっかく良い感じで寝ていたのに。」マサーは苦笑いだ。
「あの臭さは、異常だな。どういう体してるんだ?」ヤラキは疑問を感じる。
「完全に、日頃からの不摂生だろ。なんか体に良いもの食べさせないとな。」トゥーマコが考える。
「だったら、フーチバーとか良いんじゃないか?フーチバーは体に良いって聞いたことあるぜ。」ヤラキが思い出す。
「フーチバー?」トゥーマコはわからない。
「ヨモギのことだよ。」マサーが教える。
「あ〜、それは体に良いね。山ほど食べさせてやろうぜ。」トゥーマコが納得した。

ヘイオスがゆっくり起き上がり、シゼンカーンの部屋から出てくる。かなり不機嫌そうだ。
「……、何で俺だけ置いていくんだよ!助けてくれよ!」ヘイオスがサクーンに当たる。
「こっちだって、自分の身を守るので精一杯なんだよ!」サクーンがやり返す。
「はぁ〜、もう一回寝直したいけど、たぶん、まだ臭いよね。」フィロヤは部屋の中を覗く。
「ふん、俺の屁の重さは半端ないで!」ヘイオスが自慢げに言う。
「………。」マサーは呆れて、言葉が出ない。
「しょうがない。もう少しだけ我慢して、待ちますか。」ヤラキがマサーの肩を叩く。
六人がシゼンカーンの部屋の前で、ヘイオスの屁が消えるのを待っていると、廊下をたくさんの学生が忙しく行き来する。
「何かあるのかな?」トゥーマコが疑問に思う。
「授業ではないっぽいな。」サクーンが鼻をピクピクさせる。
「何か看板とか作ってるね。何かするのかな?」フィロヤがキョロキョロする。


そうこうしていると、スドウがやってくる。
「おはよう。昨日はよく眠れたかい?話したいことがあるんだが、僕の研究室まで来てくれないか?」スドウは六人を呼びに来たのだった。
六人はスドウに連れられ、研究室に行く。

研究室に着いて、椅子に座ると、一呼吸置きスドウが話し始めた。
「話したいことは、大まかに二つある。まず最初に、昨日の夜にセイゴンの両親と連絡を取ることが出来た。今日の夕方、セイゴンを引き取りに来る約束をしたよ。」スドウが冷静に話す。

「そうやったんですか。良かったような、悪いような…。」ヘイオスが複雑な表情を見せる。
「そこは僕が、両親に上手く話すから、任せてくれないか?」スドウがみんなに聞く。
「そうですね。そこは先生に任せます。」トゥーマコがスドウに頼む。
「そうだね。自分の子供が実は悪の手先だなんて知ったら、ショックも大きいだろうし。」マサーも納得する。

「で、もう一つの話なんだが、伝説の武具についてなんだ。僕は、伝説の武具を元の場所に戻したほうが良いと考えている。伝説の武具はウォキナワの聖地に隠されていたが、その場所がウォキナワの風水の重要地であったすることは、前に話したね。これは仮説だが、伝説の武具の神秘的な力そのものが、もしかしたら、その場所を聖地に足らしめていたのかもしれないと考えているんだ。」スドウが熱く話す。

「どうゆうこと?」サクーンはいつもどおり鈍い。
「伝説の武具の力があったから、その場所が聖地になってたってことだよ。」マサーが説明する。
「ということは、今のように、一ヶ所に伝説の武具が集まるのは、あまり良くないってことですか?」トゥーマコがスドウに尋ねる。
「恐らくね。伝説の武具が一ヶ所に集まること事態が、非常事態を意味するからね。このままでいたら、ウォキナワを支える風水のパワーバランスは少しずつズレていくと僕は考えているよ。ウォキナワは様々な神や精霊に支えられているからね。」スドウが話す。
「確かに。昨日は凄いパワーを発していたし、人間が簡単には持っていてはいけない物なのかもしれないな。」ヤラキは唾を飲む。
「要は、後片付けってことやろ?使わしてもらったんやし、片付けは俺たちでせんとな。」ヘイオスが、上手くまとめる。
「そうだな。やることないより、あった方が俺は良い。」ヤラキは喜ぶ。
「今回は敵もいないし、少しはのんびり出来るだろうしね。」フィロヤがホッとする。
「冒険っていうよりは、旅だね。」マサーが笑う。
「やり遂げましょう、男なら!」サクーンが吠える。
「ん?どこかで聞いたことある感じだな?」トゥーマコが首を傾げる。
「サクーンがパクった!それ俺のやし!!」フィロヤが怒る。

スドウの研究室は笑いに包まれる。

ファットバギーを倒し、平和は守られた。だが、六人の旅はもう少し続く。



帰郷方法



スドウの研究室で、今後についての話し合いが引き続き行われる。
「とりあえず、今日はまだ今までの疲れも残っているようだし、出発は明日以降にしよう。」スドウが六人に提案する。
六人はホッとした表情を見せる。まだまだ体には疲労が蓄積しているからだ。
「てゆーかよ、中部と北部の伝説の武具は俺が実家に帰る途中で置いて来れるぜ。一々南部まで戻ってくるのは、骨が折れるからよ。」サクーンが思いつく。
「そうだな。俺も地元だから、一緒に行けるぜ。」ヤラキがサクーンの方を見る。
「俺もついて行くよ。俺も帰り道だし。」マサーも、その考えに賛成だ。
「そうか。君たち三人の地元は北部だもんね。なら、中部と北部は君たちに任そうかな。そういえば、トゥーマコとヘイオスはどうするんだい?」スドウがふと思い出す。
「すっかり忘れてた。お前ら二人はすごい勢いでここに馴染んでるから、それを忘れてたぜ。」サクーンが焦る。
「そうだよ。で、二人は地元に帰るのか?」フィロヤが尋ねる。
トゥーマコとヘイオスは顔を見合わす。みんなは不安そうな顔をする。トゥーマコとヘイオスが地元に帰るということを考えると、とても寂しい気持ちになる。
「へっ、そんな顔するなよな。そんな顔されたら帰りにくいやろ。」ヘイオスは即答する。どうやら、前々からこのことについては考えが決まっていたようだ。
「俺も地元に帰るよ。家族や仲間もいるし。ファットバギーを倒したことを報告したいやつもいるからさ。だけど、帰ったからと言って、もう会えないわけじゃないだろ?俺たちは不可能を可能にしてきたんだし。」トゥーマコは明るく振る舞う。だが、瞳の奥は悲しみに満ちている。
「そうだな。もう会えないってわけじゃない。逆に北部の俺の方が歩くの難儀して、みんなに会えなさそうだぜ。」サクーンが珍しく冗談を言う。
「サクーンだけに、それは有り得る。」フィロヤはサクーンのお腹を見て、妙に納得する。
「俺は今後すぐに地元に帰るってわけじゃないから、みんなで日取りを決めようぜ。」ヤラキが意見を出す。
「俺たちは帰りに寄れば良いから、トゥーマコとヘイオスのことを優先に考えよう。」マサーが話す。
「俺はウラッソだから、中部に行く途中まで一緒するさ。」フィロヤは考えた。
「じゃあ、こんなのはどうかな?みんなでまず、南部を巡り、イスガキに行って、その後、二人を見送り、みんなは解散するというのは。これがみんなで長くいることが出来る日程じゃないかな。」スドウが賢い頭をフル回転させた。
「それが良いかも。」フィロヤは喜ぶ。
「てかよ、サカビック辺りまで行く船はどこから出てるん?帰るなら、なるべく実家に近いところで降りたいし。船が出る場所にも寄るんじゃん。」ヘイオスが尋ねる。
「そうだね、それを忘れていた。」スドウは頭を掻く。
「イスガキに行くときに使った港なら、船もあるんじゃないか?あそこは大きかったし。」サクーンが思い出す。
「たしか最近、ウォキナワ政府は鎖国政策を打ち出していたから、向こうに行く船は出ていなかったと思うよ。今は中華の国との交易に力を入れてるみたいだし。でも、今いるウォキナワ以外の出身の人には処罰とかは無いんだって。」マサーが思い出す。
「その話どこで聞いたんだ?俺は知らなかったけど。」ヤラキがマサーに聞く。
「昨日の帰り道にあった瓦版に書いてあったんだ。俺も初めて知ったよ。」マサーは真面目なのだ。
「ということは、自力で海を渡るしかないということか。なんか嫌な予感がするな…。」トゥーマコが変な胸騒ぎを感じる。そして、ヘイオスを見る。
「僕と二人っきりのイカダの旅を楽しもうぜ〜!」ヘイオスは気味の悪い笑みを浮かべる。
「イカダは危険すぎじゃないか?」フィロヤは不安がる。
「ウォキナワに来れたのも奇跡的だったからな。イカダはリスクが高すぎる。何か別の方法を考えよう。」トゥーマコは腕を組み考える。
「だったらよ、たしか家の倉庫にボロくて小さい船あるから、それに乗ってけよ。」サクーンに心当たりがあるようだ。
「お、良いやん。俺だってイカダは嫌やもん。だってあれ、つなぎ合わせただけで、ただの丸太やからな。」ヘイオスが喜ぶ。
「じゃ、サクーンの好意に甘えさせてもらうよ。」トゥーマコはサクーンに礼を言う。
「みんなで伝説の武具を元に戻しながら、トゥーマコとヘイオスはサクーンの家まで行くってことだな。」ヤラキが話をまとめる。
「俺たちの最後のゴールは俺の実家で決まりだな。」サクーンが鼻をピクピクさせる。
「そうだな。みんなを送りながら帰れるし、俺はそれが良いな。」トゥーマコはこの案が一番良いようだ。みんなも賛成する。

今後の大まかな日程が決まった。



褒美



六人とスドウが研究室で談笑していると、研究室の扉がノックされた。
スドウが扉を開けると、そこには汗だくの警備員がいた。
「スドウ先生に会いたいという、政府の方がいらっしゃっています。至急、学長室まで行っていただきたいのですが。はぁはぁ。」警備員は言伝を頼まれて、走ってきたようだ。
「わかりました。たぶん、今回の一件についてのことだろうね。みんなはシゼンカーンの部屋でゆっくりしていてくれ。何かあったら、また僕が呼びに行くよ。」そういうと、スドウは警備員とともに学長室に向かった。

六人はシゼンカーンの部屋に戻り、体を休める。
「やっぱり、まだ少し臭いが残っているね。」マサーが顔を歪める。
「とりあえず、窓を開けて換気するしかないな。」ヤラキは窓を全開にする。やんわりと風が入ってきて、気持ちが良い。
「もうすぐ昼だな。腹減ったし、なんか食べようぜ。」サクーンはお腹を空かせている。
「そうやな。昨日は晩飯も食っとらんし。なんかがっつし食べたいな。」ヘイオスも腹ペコだ。
六人は大学の近くの食堂で食事をとることにした。
「じゃ、行きますか。」トゥーマコが部屋を出ようとしたときだった。
シゼンカーンの部屋にスドウが現れる。
「みんな、僕についてきてくれないか?」スドウは突然やってくるなり、六人に自分についてくるように言う。
「えぇ〜〜。僕たち、もうお腹が空いて限界なんですよ。ここは飯食いに行かせてください。」これには堪らずヘイオスがスドウに頼む。
「そうか。でも、もしかしたら、君たちにとって食事よりももっと良いことかもしれないぞ。だから、来てくれ。」スドウがヘイオスに言い聞かせる。
「ほんま!?ほんまっすか?嘘ついたら、承知しませんからね。」そう言いつつも、ヘイオスの目が輝く。どうやら、食事よりも良いことという部分に食い付いたようだ。
みんなはヘイオスらしさに呆れるが、スドウの言う良いことも気になるので、スドウについていくことにした。
スドウに連れられて辿り着いたのは、学長室だった。
「ここに入るんですか?」フィロヤはビビる。立派な扉を前に、中には偉い人がいることを感じるからだ。
「そう緊張しないで。楽にしてくれたら良いよ。」そういうと、スドウは扉を開けた。
中は豪勢な仕上がりになっており、客人をもてなすフワフワの椅子が何個も並べられていた。ちょうど真ん中の椅子に、二人の男性が談笑しながら腰掛けている。
「さぁ、どうぞ座って。」そう言ったのは、ウォキナワ大学の学長のシャクライだ。髪は白髪で、眼鏡をかけている初老の男性だが、背筋はピンと伸びていて、年齢を感じさせない若々しさを醸し出す。
シャクライの横には見覚えのある人物が腰掛けている。首里城にいた役人だ。
「昨日はゆっくり休めましたかな?」役人が笑顔で声をかける。
どうやら、スドウを訪ねてきた政府の役人は、この人だったようだ。
六人が椅子に座ると、役人が話しだした。
「ウォキナワの危機をいち早く察知し、救っていただき、本当に感謝しております。我々はあなた方に感謝の意を表したいと感じております。どうぞ、受け取っていただきたい。」役人は金一封を差し出す。
「もらって良いんすか?ありがとうございます。」ヘイオスが素早く反応する。
「この後は、伝説の武具を封印しなおす旅に出掛けられると、スドウ先生に聞きましたので、旅の費用に当てていただけたら幸いです。政府が所有する馬も使えるように手配しておりますので、旅にお役立てください。」役人は気が利く。
「ありがとうございます。」トゥーマコが礼を言う。
「これで楽に回れるな。」サクーンの緊張が解ける。
「私からも礼を言わせてほしい。」シャクライが立ち上がる。
「私はこの度のことを評し、君たちとスドウ君に証を与えたいと考えておる。もし良かったら、全学で集会をするときに受け取ってほしいのだが。」シャクライは証をくれるという。
「みんなの前でもらうのか。何か緊張しそうだけど、良い経験になるんじゃん。」ヤラキはワクワクする。
「遠慮なくもらいまーす。」フィロヤが手を挙げる。
「けど、そんな大勢の前でもらって良いのかな?今回の件はみんな知らないんじゃないか?ファットバギーのこととか。」マサーは不思議に思う。
「もう君たちは充分に注目の的だよ。」シャクライが今朝の瓦版の号外を取り出して見せる。
そこには、ウォキナワに悪魔襲来し、四越が崩壊、国際通りは騒然とするが、この危機を六人の勇者が救う、といったことが書かれていた。
「めっちゃ俺らのこと書かれてるじゃん!」フィロヤが驚く。
「ついに俺も有名人か。」サクーンの鼻が高くなる。
「これだけ具体的に書かれていては、政府の方も隠すわけにはいかなくてね。近々公表する予定だよ。」役人が汗を拭う。
「伝説の武具については?」トゥーマコが尋ねる。
「政府の調査では、伝説の武具については瓦版会社の方に具体的な情報はいっていないことがわかっている。このまま伝説の武具については触れない方針だ。」役人は真剣な表情で話す。
「そのほうがええやろな。あれはもう使わないようにしたほうが良いんや。」ヘイオスが真面目な顔で言う。
一通りのことを話し終えると、役人が立ちあがる。
「では、私はこの辺で。国際通りの復旧作業もありますので。何かあれば、また連絡いたします。」そういうと、役人は外で待たせてある馬車に乗り込んだ。
役人が帰ったのに合わせて、この場はお開きになった。スドウは自分の研究室に戻る。
六人は昼食をとりに、大学の外に出る。
「あのまま飯食いに行かなくて、ラッキーだったぜ。」ヘイオスは笑いが止まらない。
「俺、離島行くの初めてだから、思いっきり楽しみてぇ。」ヤラキは上機嫌だ。
「大事に使わないとね。」平静を装うが、マサーの足取りは軽い。
「とりあえず、またイスガキ牛食べたいね。」フィロヤがよだれを垂らす。
「それに、泊まる場所も豪華なとこにしようぜ。」ヘイオスは盛り上がる。
「俺は今からAランチだな。がっつし食いたいし。腹減った〜。」サクーンの鼻息は荒い。
「う〜ん、俺は今日は何にしようかな〜。」トゥーマコがスキップしてサファイヤ食堂に入っていく。今日も彼は二個食いする気満々なのだろう。

六人は気分良く、昼飯を平らげたのであった。



ウォキナワの午後



昼食をとった六人は、シゼンカーンの部屋に戻る。
敷きっぱなしの布団の上でゴロゴロと横になり、世間話に花を咲かせた。ほどよく話疲れたところで、六人はそのまま目を瞑り、眠った。

トゥーマコが目を覚ますと、シゼンカーンの部屋はオレンジ色に照らされていた。もう夕方のようだ。まだ寝れそうなので、もう一眠りしようとしたとき、シゼンカーンの部屋の扉がノックされた。トゥーマコが扉を開けに行く。やってきたのは、もちろんスドウだった。
「みんな寝てるのかい?昼寝の最中だったか。」スドウは寝ているメンバーに目を向け、表情を強張らせる。
「今すぐ、みんなを起こしますからっ!」スドウの様子を見て、トゥーマコが焦る。
「早く起こしてくれ。朝話をしたのに。もうセイゴンの両親が来ているんだからさ。」スドウは急いでいる。
トゥーマコはみんなを手荒く起こす。セイゴンの両親が来ていることを話すと、五人はスッと立ち上がった。
「そういえば、来るって言ってたな。ごはん食べすぎて、腹一杯で気持ち良くなって寝てしまったか。」サクーンが反省する。
「寝てしまったものは、しょうがない。急いでセイゴンの両親の元に行こう。」マサーがみんなに呼び掛ける。
スドウに連れられて、六人はスドウの研究室に走る。スドウの研究室に入ると、中にはセイゴンの両親がいた。六人はセイゴンを助けられなかったことを詫びた。スドウはセイゴンについての事情を両親に説明する。スドウは上手く、セイゴンが自ら悪の道に走ったことに触れずに、戦いの様子を話した。六人がファットバギーと戦ったことが報じられたこともあり、セイゴンの両親は納得した様子だった。
六人とセイゴンの両親は、スドウに連れられセイゴンの遺体が安置されている倉庫に着く。そこでセイゴンは両親と無言の対面を果たすのだった。
セイゴンの遺体は、セイゴンの両親が手配した業者が荷車に乗せて、家まで運ぶと聞き、六人とスドウは正門で、セイゴンの両親を見送る。六人は姿が見えなくなるまで、追悼の意を示し、黙祷し続けた。
「もう、セイゴンの両親たちは見えなくなったよ。」スドウが六人に声をかける。六人は目を開ける。
「本当にこれで良かったのかな?」フィロヤが押さえられない気持ちを吐露してしまう。
「セイゴンの両親も納得していたし、殉死っていう形が一番良かったんだと思うぜ。」ヤラキが自分の気持ちを述べる。
「スドウ先生が上手く話してくれたから、助かったさ。ありがとうございます。」サクーンがスドウに礼を言う。
「礼を言われるようなことはしてないよ。君たちは一生懸命だ。けど、時として、その一生懸命さは自らを苦しめることになってしまう。もっと、周りを頼っても良いんだよ。」スドウが優しく声をかける。
「もしセイゴンの両親に責められたら、きっと僕たちは何が正解なのかわからなくなっていたと思います。」マサーが素直な心境を話す。
「良い意味で、俺達はズル賢くならないといけないのかもな。」トゥーマコが笑う。
「そう、そう!ついたほうが良い嘘もあるんやって。で、それを信じてそいつが幸せなら、それで良いんちゃう?俺はいつでも割り切ってるで。」ヘイオスは鼻を高々と伸ばす。
五人は軽蔑の目でヘイオスを見る。
「なっ、なんやねん!?間違ってないやろ?」ヘイオスは焦る。
「まぁ、嘘もほどほどに、だよね。」スドウが上手くまとめた。
「そう、俺はそれが言いたかった!」ヘイオスはスドウの肩を叩く。お調子者だ

六人が振り返り、大学に入ろうとすると、空が薄暗くなっていることに気づく。あっという間に一日が過ぎようとしていた。

「なんか、こうやってダラダラ一日を過ごすのも難だから、明日すぐに旅に出発しないか?」口を開いたのはトゥーマコだった。
「どうしたんだ、急に?」ヤラキが驚く。
「俺まだ疲れ残ってるぜ。」サクーンがダルそうな顔をする。
「なんか、今まで無我夢中で毎日を過ごしてきたせいか、こうやっているのが落ち着かなくて。それに、シゼンカーンの部屋で休んでいるより、旅行気分で出掛けてパァ〜っとやった方が俺たちには合うと思うんだ。」トゥーマコがみんなに提案した。
「俺、賛成!」真っ先に手を挙げたのはヘイオスだった。
「俺も、それが良いな。」マサーも賛成だ。
「疲れは残ってるけど、出掛けた方が面白いことあるはずだよね。俺は面白い方に賛成。」フィロヤは大賛成。
「みんながそう言うなら…、そうしますか。」渋りつつもサクーンが同意する。
「じゃ、明日いきなり島行っちゃいますか??」ヤラキがイスガキ島行きを提案する。
「ナイス!明日は南の島で、パ〜リ〜(パーティー)だ〜!!」フィロヤがはしゃぐ。
「おっしゃ、なんか燃えてきた!明日は早いぞ。」ヘイオスに気合がみなぎる。
「初めての離島。初めての船か。う〜ん、今からドキドキするな〜。」マサーも興奮を隠せない。眼鏡の奥の瞳は燃えている。
六人は正門の前で大はしゃぎだ。それを見ているスドウの頬も緩む。
「よーし!早速馬車の手配をしておくから、みんなは楽しんでくるんだよ。」スドウが気を利かす。
「気ぃ利くやんけ〜!」ヘイオスはタメ口だ。この際もうお構いなしなのだ。
六人のボルテージは最高潮に達す。

暑く、熱い、ウォキナワの夜は、今夜も寝苦しいのだった。



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