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お好み焼 味幸コミュの映畫『スバ人 (素晴しき哉、人生!)』

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夢のクリスマス 作詞 村崎 文 男・作曲 高秋 美樹彦






     映畫『スバ人 (素晴しき哉、人生!)』


 今年もまた、『スバ人』の季節がやつて來た。ヤアヤア、ヤア!
 『スバ人』とは題名(タイトル)にもある通り、
 
 『素晴しき哉、人生!』

 の事で、察しの良い方は今更といふ感のある名作中の名作で、「メタ映畫」の素材として、いろんな映畫の中でもこの作品が取上げられ、その頻度(ひんど)では『スター・トレック」と竝び稱される程である。


 この映畫は1946年度に亞米利加で制作され、監督のフランク・キヤプラは亞米利加の「良心」とまで言はれた人道主義者(ヒユウマニスト)で、主演のジエエムス・スチユワアトとのコンビで幾つかの作品を殘してゐる。


 この映畫は幾度か(午後に1囘、深夜に數囘)テレビで放映されたが、それを初めて見た時、筆者は學校をサボつて家でゴロゴロしてゐて、午後3時か4時頃から釘づけになつて鑑賞した。
 當時、テレビの黎明期でもあり、この時間に『世界の名作映畫』が頻繁に放送されてゐたが、筆者はその爲にどれほど假病(けびやう)を使つた事か解らない程である。


 『スバ人』は、無駄なエピソオドがなく、全てが終結に向つて解決されてゐて、脚本家が手本とすべき恰好の教材となつてゐる。
 特に、最終場面(ラスト)近く、橋の上で主人公が祈つてゐる時、止んでゐた雪が降り始めて現實に戻るといふ演出の巧みさは、絶品である。
 さうして、この映畫には、日本で公開されたものと、亞米利加での公開時の間にギヤツプがあつて、日本で公開された映像には數分の不足がある。
 それは主人公を取卷く二人の女性の内の一人、詰り、結婚しなかつた方の女性が困つてゐるのを見て、援助を申し出る場面である。
 ほんの數分の場面だが、「人道主義」の名に恥ぢない美しいエピソオドである。


 この映畫を見た時の感動は未だに續いてゐて、筆者の子供たちには幼い時から、毎年これを我が家で鑑賞してゐる。
 鳥渡、大袈裟かも。

 けれども少し許り問題もあつて、亞米利加の「良心」とまで呼ばれたキヤプラに、

 「餘りにも、人間を信用し過ぎる」

 といふやうな批判があつたやに聞くが、その事が彼の後の作品に影響を與(あた)へ、一時期は低迷(?)するも、再び復活して人道主義を謳歌したのだが、問題はそこにはなく、この映畫の「亞米利加讃歌」にこそ重要な疵があつて、それは作品の中での戰爭の場面で、主人公の弟が戰果を擧げて勲章を手にし、母親や嫁は従軍看護師として働き、勿論、主人公も本土で戦力の一員として奉仕してゐるが、しかし、その戰爭相手とは日本の事で、うつかりこの映畫を見ながら應援してしまふと、昔ならば「非國民」と呼ばれてしまふ事になる。
 

 ここにこそ、日本も亞米利加も贔屓(ひいき)にしない立場を表明す可きではなかつたか。
 彼の人道主義が全人類的なものではなかつた事が曝露されてしまつたのである。


 だが、彼にここまでの人道主義を求めるのは、時代背景から考へても酷といふものであるかも知れない。


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映畫(えいぐわ)『アバター』
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=49512567&comm_id=4671861



『パリ・テキサス』を觀て
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=48475947&comm_id=4671861

コメント(2)

父の要望で昔の映画は色々観たつもりでしたが、
この作品は残念ながら観ていません。

一応、フランク・キャプラ監督作品をネットで確認してみました。
「或る夜の出来事」、これは観ていまして、好きな作品の一つです。
キャプラ監督の作品を語る上で、良い判断材料になりそうです。

観ていない映画にコメントするのは非礼かも知れません。
しかし私としては、ケンタウロスさんのトピックにコメントする形なので、
今後もどうか大目に見てやって頂ければと。

米国では、クリスマス必見の映画とか。
今も尚愛され、踏襲され、放映されているとは感心しました。
そういう映画、日本では思い浮かびませんので。
さすがは映画の国、アメリカです。

そして、ケンタウロスさんのお宅でも受け継がれていたとか。
父から子へ、これもまた好ましいことです。
私も父からたくさんの映画を託されました。

「街の灯」「ライムライト」「シェーン」「汚れなき悪戯」「鉄道員」「道」
「ベン・ハー」「雨に唄えば」「巴里の亜米利加人」「禁じられた遊び」
・・・並べれば暇がありません。
幼い頃に観た作品は、その後の価値観に大きく影響を与えます。
お子様方も私も、良き父を持って倖いです。

エピソードの無駄がなく、完結に向かって解決されているそうですね。
以前から、脚本の悪さが目に付く日本映画が多いもので、
この辺りも古い作品から学ぶべきなのでしょう。

「或る夜の出来事」を例に取れば。
偶然出会った二人が恋に落ちるまで、とても丁寧に語られていますね。
一見すると突飛な設定なのに、強引さはなく、むしろ自然で説得力があり、
観客も水と油に思えた二人と共に恋に落ち、その成就を願ってしまいます。
ファンファーレで落とされた毛布、伏線を活かしたラストも逸品でした。

ですが、この当然で当たり前のことが、いかに難しいものかと。
自らも創作をしていた者として、耳痛いばかりです。

さて、「人道主義の疵」ですが。
ケンタウロスさんもおっしゃっていた通り、時代背景からすれば酷ですね。
米国はベトナム戦争を体験するまで、それを知りませんでしたから。
古き良きアメリカの時代だったのですもの。
そう申せば、「11人の怒れる男」は、アメリカ最後の「正義」かもですね。

時代と共に人も変わり、あらゆる価値観も変容するものですが。
「眼下の敵」の様な戦争映画が、観られないのは寂しい気がします。
例え現実にそぐわなくても、理想を謳う映画があってもいいはずかと。
現実の前で硬直しては、明るい未来など望めません。
幼い頃に示された価値観は、その後の人生に大きく影響を与えます。
次世代に繋げれば、それこそ宝となりましょうし。

「夢のクリスマス」、ステキな曲をありがとうございます。
拙文、失礼致しました。
らいら さん。

娘に言はせると、

「クリスマス。キヤロル」の變形だ、

といはれて今では「負うた兒」に教へられる始末です。

「人道主義の疵」については、

反戰の氣分があればと思つたので書いてしまひました。

それで思ひ出したのですが、

「笛吹川」

といふ木下恵介監督の映畫は、

戰爭を横から眺める農民の視線から描かれてゐて、

色遣ひも好もしくて秀逸です。

ただ彼の作品は抑揚に缺けてゐるのが缺點(けつてん)ですが。

現在『素晴しき哉、人生!』は五百圓(ゑん)で入手出來ます。

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