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アラビア語マスメディアを使う!コミュのガザが大変なことに!

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<ガザ危機>

始まったのは先月ですが、今もパレスチナのガザというところが大変なことになっています。

イスラエルという国の軍隊が、種子島ほどの大きさのガザ地区に大規模な空爆をはじめ、さらに陸上作戦で戦車などを展開させ、今日までのところ900人以上の人が亡くなっています。

ガザ地区には150万の住民がいて、世界有数の人口密集地です。

イスラエル軍は、「ガザ地区で有力なハマースがイスラエルに何発ものロケット砲を撃っており、市民を守るためハマースを殲滅しなければならない」としています。

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ハマースとは「イスラーム抵抗運動」という組織の略称です。

日本のメディアは「イスラム原理主義組織」と勝手にレッテルを貼っていますが、正確に言うと、ボランティア活動・福祉活動(学校や病院の建設など)・治安維持・政治運動を含む非常に多元的な「社会組織」です。

2005年にはパレスチナの民主的な選挙で多くの議席を獲得した合法的な政党でもあります。

主にガザ地区から、ハマースの軍事部門の関係者がイスラエルに多数のロケット砲を撃っていることは間違いなく、それによる被害も出ています。
しかし、ハマースのメンバーと市民を明確に分けることはほぼ不可能で、一般市民でも定期的にハマースがらみの活動に参加していたり、自らハマースへの帰属意識を持つ人も多くいます。

事実、イスラエル軍の攻撃により民間人に甚大な被害が及んでおり、国際社会からの非難も強まっています。

国連安保理では停戦決議が採択されましたが、イスラエル政府はこれを事実上無視すると発表、攻撃を続けています。
ハマースもこれに対し攻撃を続けるとしました。
もちろん、イスラエルは国連に加盟しています。

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もう1つ重要なのは、イスラエル政府がこの攻撃を「国内の政治競争を意識して」行っていると考えられることです。

イスラエルでは今年2月に総選挙が予定されており、支持率が低迷しているオルメルト政権は国内の戦時ムードを利用して求心力を得、自らが「強いリーダー」であることを誇示しているといわれます。

また、オルメルト首相の連立内閣には、ライバルの労働党党首であるバラク国防相がいますが、彼も作戦を主導して選挙を有利に進めたいと思っているようです。
事実、彼の支持率は急上昇しています。

一方、ハマースにも地上戦を進めるイスラエル軍を泥沼に陥れようと、作戦を長引かせる思惑があるようです。

しかし、被害は圧倒的にガザに集中しており、イスラエル側の犠牲者はほとんどが兵士です。

何しろ、ハマースには手動の小型砲しかありませんが、イスラエル軍には最新の戦闘機や砲弾があります。その多くがアメリカ製です。

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では、アラブ人の住むガザ地区の危機に対して、他のアラブ諸国はどんな対応をしているのでしょう?

アラブ諸国は、今回の危機への対応で割れています。

エジプト・サウジアラビアなどの親米・親イスラエル政府は(国民は大半がイスラエルを嫌っていますが)、イスラエルの顔色を伺いながら対応を遅らせているといわれ、他国から強い非難を受けています。

一方、対米・対イスラエル強硬派のシリアやイラン(イランはアラブ国家ではありませんが)はイスラエルの隣国の組織などに関与し、イスラエルに対する戦略を考えていると言われています。

アラブ諸国の一致した後ろ盾のない中、アッバース・パレスチナ大統領(日本のメディアでは「自治政府首相」)は、ハマースにもイスラエルにも有効な措置をとれずにいます。

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最後に、よく出てくる用語を自分なりに解説させて頂きます。


【パレスチナ】
歴史的に正確に説明すると、南はシナイ半島、北はレバノン/シリアに挟まれた地中海岸の土地です。
オスマン帝国の支配やイギリスの委任統治をへて、1948年にはイスラエルが建国を宣言。
イスラエルの建国以前は、長い間(中世以前から)住民は圧倒的に多くが今のアラブ人でした。

イスラエルと周辺アラブ諸国の間で1949年から4度大戦が繰り返され、1993年に「オスロ合意」成立。その結果、アラブ人は「ヨルダン川西岸」地区と「ガザ地区」に分かれて自治をし、それ以外は事実上「イスラエル領」になりました。

しかし、現在では「自治」とは名ばかりで、周辺をイスラエル当局に囲まれ、経済的にもイスラエルに従属する形になっています。
ヨルダン川西岸地区の周辺はイスラエルが建てた高い「分離壁」に囲まれ、なんと内部の主要道路各所にイスラエル軍の検問所があるのです。
ガザ地区もイスラエル国境警備隊に囲まれ、地中海沖も海上封鎖されています。

大統領はマフムード・アッバース。
彼はファタハという組織に属していますが、ハマースとは事実上ライバル関係にあります。
2005年の選挙でファタハ系が議席を減らし、ハマースが大躍進しました。一時ハマースが内閣をつくったり、ファタハと連立したりしましたが、結局失敗。
今も分裂したままです。


【イスラエル】
1948年にパレスチナに建国された国家。
表面的には「ユダヤ人の国家」を標榜していますが、正確には「パレスチナにユダヤ人専用の国民国家を建設すべきと考える人たち」、つまり「シオニスト」の国です。
全てのユダヤ人が「シオニスト」というわけではありません。

また、イスラエル領内にも15%近くの非ユダヤ教徒がおり、アラブ系ユダヤ人も住んでいます。

ユダヤ教徒(特に敬虔な人)の中には、イスラエル建国以前のようにその他の教徒と共存すべきと考えている人も多く、逆に「シオニスト」には政治家など世俗的な人が多いと言われます。

現在の首相はエフード・オルメルト。
後継者には外相のツィピ・リヴニが選ばれ、彼女が与党カディマ党の代表で、
野党リクードのネタニヤフ元首相と支持率を争っています。
一方、今回の攻撃で労働党のバラク国防相・元首相も頭角を現しました。


【アラブ】
民族の名前です。決して宗教ではありません。
また、「アラブ」と「イスラーム」は別のものです。混同してはいけません。

基本的には、アラビア語を母語とし、アラブ民族への帰属意識を持つ人を指しますので、
イスラーム教徒だろうが、キリスト教徒だろうが、ユダヤ教徒だろうが、アラブ人になりえます。

事実、アラブ世界にはキリスト教徒もたくさんいます。
上にも書きましたが、イスラエルにはアラブ系ユダヤ教徒もいます。

従って、パレスチナという場所にはアラブ人という民族がいて、その中には当然キリスト教徒もいる。
「パレスチナ」=「イスラーム」という誤解は考えものです。

ただし、大躍進中のハマースは表面的にはイスラームを前面に出す、イスラーム主義系統の組織です。


【ユダヤ】
一方、「ユダヤ人」と言う場合、宗教とも民族ともとれてしまいます。
ユダヤ教には選民思想があり、ユダヤ教徒らでひとつの民族が形成されると考えるのが一般的です。
従って、同じユダヤ教徒なのに民族が異なるから差別される、というイスラエルのアラブ系ユダヤ教徒のようなケースが生じます。


…いずれにせよ、今のガザの事態は、歴史や宗教・民族というよりも、目の前の政治が一番の要因になっているといえます。


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長くなりましたが、ガザ危機のニュースを扱うサイトをご紹介しておきます。

〔日本語〕
http://www.afpbb.com/ (仏AFP通信日本語ページ)
http://special.reuters.co.jp/contents/attacks.html (英ロイター通信日本語ページ ガザ攻撃特集)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/ (東外大アラビア語新聞翻訳)

〔英語〕
http://news.bbc.co.uk/2/hi/in_depth/middle_east/2001/israel_and_the_palestinians/default.stm (英BBC ガザ攻撃特集)
http://english.aljazeera.net/focus/ (カタールアル・ジャジーラ 特集)
http://www.iht.com/pages/africa/index.php (英米仏IHT 中東・アフリカ)

コメント(1)

【特番キャッチフレーズにみる各局のスタンス】

当然のことですが、アラビア語各局はガザ危機とその後をを重点的に報道しています。

各局ともガザ関連のニュースを報じる前などに、攻撃されたガザの様子や住民の姿、イスラエル軍などの映像を混ぜてBGMをつけ、数秒ほどのクリップを流しましたが、
それとともに特集のキャッチフレーズを表示しています。

(これは欧米など世界各地のニュースチャンネルにもみられる手法です。)

それらのフレーズが、なんだか各局の報道スタンスにマッチしているように思えたので、取り上げます。


・アル・ジャジーラ(カタール): Harb 'Ala Gazza 「ガザに対する戦争」
・アル・アラビーヤ(ドバイ、サウジ系): Harb Gazza 「ガザ(の)戦争」
・BBCアラビーヤ: Hujum 'Ala Gazza 「ガザへの攻撃」


ガザ危機を最も集中的に報じていたのはジャジーラですが、そのキャッチフレーズの裏には、「(イスラエルが)ガザに対し仕掛けた戦争」という意が含まれているように思います。

ジャジーラはCMの合間にも映像とグラフィックを駆使し、いかにも惨状をあらわすようなBGMを用いたクリップを繰り返し流していました。
また、1月18日の「停戦」後は、Ma Ba'ada al-Harb(「戦争のその後」)というフレーズで報道を行っています。

ガザ攻撃の非人道性を強く非難する姿勢が伺えます。


それに比べ、アラビーヤはある意味少し冷めています。

「ガザ(で起こっている)戦争」という半ばニュートラルなフレーズを用いていました。
CM合間のクリップもジャジーラほどではありません。
ライバルのジャジーラとの違いを示し、海外(特に欧米)のメディアに近づきやすいようにしているのでしょうか。


一方、BBCのアラビア語ニュースチャンネルのキャッチは「戦争」という語も用いませんでした。

さらに、Hujumという語は、アラビア語で「攻撃」を表す語の中でも特にニュートラルで、「中立性」を死守するBBCの姿勢が貫かれているような気がします。
ガザ危機専用のクリップもありませんでした。


ちなみに、ジャジーラはリポートの中で何度か「敵対行為」という意味を含む'Adwan「攻撃」を用いていました。

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