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けんのじのさきちな小説コミュのさき☆ちな 第25話 甘い甘い恋のチョコレート

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教室の中は甘い匂いが充満していた。そこらじゅうに溢れているチョコの山。千奈美は予め買っておいた袋詰めのチョコを取り出して友達と配りっこする。みんな同じようなものを買っているのでこの辺は安心。あっという間に袋がいっぱいになる。
合格発表はネットでも見られる。自宅にも合格通知が届くらしい。でも佐紀ちゃんは直接見に行きたいと言って千奈美に『メールするから楽しみにしててね』と笑っていた。

三時間目の授業。まったくもって身が入らない。時計を見ると11時・・・ちょうど佐紀ちゃんが電車に乗っている時間のはず・・・。予定では11時半頃に着くって言ってたけど・・・。あーっ、もう!なんで時間が過ぎるのがこんなに遅いの?

四時間目が始まるまでの短い休み時間。雅が千奈美の前の席に後ろ向きに座った。

「ね・・・佐紀ちゃんからメール来た?」
「んーん・・・たぶん11時半過ぎくらいだと思う・・・。」
「そっか・・・ま、心配はしてないけどねっ。」
「まーね。でも万が一ってこともあるし・・・ううっ・・・胃が痛くなってきた・・・。」
「私のあげたチョコ食べれば治るわよ。なんたってこの私の手作りなんだからねっ。」
「よけい痛くなりそう・・・。」
「・・・無理やり口に押し込むよ?」
「うそですっ!ごめんなさいっ!・・・ごめんね、みやにあげたの買ったやつで・・・。」
「そんなの期待してないから大丈夫よ。」
「ひどいと思います・・・。」
「ははは。あ、先生来たよ!」

四時間目の授業・・・気が気ではない。本当は授業中は電源を切らなきゃいけないんだけどそんなこと絶対できない。千奈美はマナーモードでも振動する音でばれてしまうので腿の上に乗せて手で押さえている。

11時30分・・・11時35分・・・11時40分・・・。なかなかメールが来ない。
11時45分。低くくぐもった振動。びくっとなった千奈美は机の下で携帯を開いてみる。添付ファイル一件・・・佐紀ちゃんから・・・。

タイトルは無題。本文なし。画像は・・・番号が張り出してある掲示板の前でピースしている佐紀ちゃん。横に半分写ってる舞美ちゃん。覗き込んで顔の一部だけボケて写ってるえりかちゃん・・・。千奈美の顔がぱぁっと明るくなる。よしっ!右手でガッツポーズをとる。

ガタッ!

勢い余って肘を机にぶつけて大きな音がする。一斉に注がれるみんなの視線。おでこに手を当てて小さく首を振る雅。

「す・・・すいません・・・。」

先生はうんうんと頷いてまた黒板に向かった。


授業が終わると雅が千奈美の横に走ってきた。

「どうだった?」

携帯を開いて見せる千奈美。

「おー!これで一安心だねっ。あの二人の先輩も同じ高校?」
「うん、そう言ってた。この表情見ると3人とも無事合格みたいだねっ♪」

ブルブルブル。

着信・・・佐紀ちゃんからだ。

「もっ・・・もしもしっ。」
「あー!ちぃ!合格したよー!」
「うん・・・うんっ!おめでとう!」
「まいみもえりかも合格っ!」
「おぉー!また3人一緒じゃん!」
「あはは。来年は4人一緒になるんだからね?」
「う・・・頑張ります・・・。」

後ろで聞こえる舞美ちゃんとえりかちゃんの声。すごく賑やかだ。

「じゃ、ウチらご飯食べて帰るからさ、後でねー!」
「あっ!ちょっと待って・・・」

雅が千奈美の顔を覗き込む。

「なんだって・・・?」
「・・・切れちゃった・・・。」

しょぼんとする千奈美。

「3人でご飯食べて帰るって・・・。今すぐにでも直接おめでとうって言いたいのに・・・。」

千奈美の目に涙がたまる。

「しょうがないよ。こっちはまだ授業あるんだし。」
「そうなんだけどさ・・・。」
「さっ!いいから早くお弁当食べるよ!」


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