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さしゃの二次小説(ハリポタ)コミュの本編第十六章 惨劇1

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ハリポタ二次小説 レナスの物語

第十六章 「惨劇」1 前触れ



今朝方、早くに校長達は、ホグワーツを出立した。
なんとしてもレナスを拘束したいと願う魔法省を、説得する為なのだろう。

我輩も同行すると、進言したが、この通りホグワーツに居残りを命じられた。


不快でならん…。



頭の中で論争するのは、スネイプ。
腕を組んで、目頭を押さえ、なにやら唸っている。



「……んせい…」


一体何のために、今まで……。


「せんせい…」


レナスは、地下でどう過ごしているのか…。


「先生!!」


気がついた時には、教室中の生徒がスネイプに注目している。


「な、なんだね?」

「あの…。テキスト、読み終わりました。」

「そうか…では次の課題だ…!」


慌てて取り繕ったスネイプ。
生徒に言葉を放ちながらも、頭の中では、論争が続いている。



らしくないな…。
授業に身が入らんとは…。

今は、待つことしか出来ぬというのに…。


それにしても…なんだ?この違和感は…。
酷く不快な空気が纏っている。

粘りつくような、絡みつくような空気。
教室…いや、辺りの空間を包んでるとでもいうのか…?


あるいは、我輩の気のせいか?


今日が、2月4日であるにも関わらず、レナスが牢にいるためか…?


何にしても、今は何も出来ん。
待つしかなかろう…。



*******



「だれ…?」


ふと、目を覚まし上体を起こす。
虚ろな視界を、頭を振って目覚めさせる。
バサバサに乱れた髪を、手ぐしで乱暴に整えてから、鉄格子の向こうを見た。

相変わらず、暗闇の中、たいまつが揺れ動いてる。


「誰かいると思ったけど、……気のせいか…。」


そして、現実に戻る。自身の置かれた状況を。


「そっか…。あたし…、今、地下牢なんだっけ…?」


相変わらず、閉ざされた空間に半分、諦めたような気分だった。


「夢で…あるわけがないんだよね…。」


鉄格子を見つめたまま、肩と視線を落とし、力ない笑みを浮かべる。
ふと、目に入って来た物がある。

床に置かれた、銀色のトレー。
不思議な事に、夜までおいてあった料理が真新しくなっているのに、一瞬で気がついた。


「マクゴナガル先生…、また持って来たのか…。」


独り言を漏らしながらも、ベッドから抜け出て、トレーに近づく。


「いい加減、見捨てても良いだろうに…。あんなに酷い事言ったんだから…。」


トレーを持ち上げると、はらりと一枚の紙が舞い落ちた。


「……メモ…?」


トレーをベッドに置いた後、床に落ちたメモを拾い上げる。


それには、短く……「Please eat even a little. 」
「少しでも食べてください」とだけ、書いてある。


その筆跡は、いつも料理を運んでくるマクゴナガルのものではない。
いやと言うほど見覚えがある、達筆とでも言うような…インクと羽ペンというより、墨と毛筆で書き上げたような文字。


「あいつ……。」


見紛う筈もない。
それは明らかに、レナスの使い魔のもの。


「まぁ…食べてやらない事もないけど…。」


どことなく、柔らかく微笑むレナスは、独り言を漏らした。

しかし、同時に喪失感に襲われた…。
それは即ち、マクゴナガルが、自身を見捨てた事を意味する…。と。

妙に納得した気分で、ベッドに腰かける。
自分のしでかした事なのにも関わらず、妙に後悔の念だけが膨らんでいく。


メモにもう一度目を通し、考えを振り払うかのように頭を振った。
そして、一枚のメモを握り締める。


「これで…いいんだ…。」


重苦しい気持ちのまま、メモをキレイに畳んだ。
そして、いつもは杖が刺さっている筈の、スカスカになったポケットに、そのメモを押し込む。


杖はというと…。
牢獄に入るものが、武器となる杖など持っていて良いはずはない。
という訳で、没収されていたのだから。

ベッドに胡坐をかき、銀のトレーと向き合う。
食べきれる自信がないながらも、カップに注がれたスープに手をかける。


ズズ…
一口啜ったのが、運の尽きだった


「うェっ……ッッ……!!」


思わず口を押さえ、こみ上げてくるものを堪えるが、無駄だった。
耐え切れずに、体が拒絶反応を起こした残骸が床に散乱する。


≪気持ち悪い……≫


顔は青ざめ、汚れた口元を拭いながら、トレーを床に置いた。
とても、食事を見ていられる気分ではなかったのだろう。


ベッドに突っ伏し、妙な吐き気との格闘が始まった。


そうだ…。
きっと、寒いから体調を崩したんだ…。


そうだよ、一週間食べてないんだから…。逆に食べられなくなっただけ…。きっとそうだ。


何か違和感を感じる。
きっと体調が悪いからだ…。眠ってしまおう…。



仰向けに向き直り、毛布を頭までかぶる。



しかし……




    カタン…




…………?!




「だれっ…?!」



突然起こった物音。そして違和感。
重い体を起こし、レナスは、鉄格子の向こうをじっと見やった。


何かがおかしい。


体調が悪い。きっとそんなものではないと、レナスは確信した。


レナスの鼓動が、早鐘を打っていく。


焦り、不安、滴る汗…



たいまつが揺れる中、レナスは視線を凝らす……



得体の知れない何かへ……



*******



一方、逸早く【違和感】に気づいていた者がいる。
レナスや、スネイプよりも先に…。


一面の銀世界を、その深紅の瞳で見据える。吹き荒れる上空の風にも、微動だにしない。
聳え立つホグワーツ城の頂上に彼はいた。


そして、眉を潜め、探し当てる。


「………敵…?!」


飛び降りるように、頭から降下する。

徐々に地表が近づく。
地面と接触する直線で翼を広げる。


「結界があるというのに…近づけるとでも思ったのか…!!」


向かう先。
木が覆い茂る、立ち入り禁止の森。


翼を折りたたみ、消した後に地表に着地し、周囲を警戒する。


雪が降り、一面の雪と木々。


そして、一点を睨みつけ、口角を上げる。


「また…性懲りもなく…。」


言葉を投げかける先


ザクザクザクザク……


雪を踏みしめる音だけが近づいてくる


ザクザク………


徐々に…徐々に…近づき、ぴたりと止まる。


そして、深紅の瞳と目が合った。





見覚えのある黒髪、丹精な顔立ちと、向こう側が透き通って見えるソレは……




ゴースト





「やぁ…久しぶり。確か君は…あの時の…」

「………結界があり、入り込めなかったと見受けるが…?」


シオンの中に蘇って来る記憶。

2年前、ハロウィン機に乗じ、ビルを媒介にレナスに近づいたが、シオンの手によって、お引取り戴いた、インキュバスの亡霊。
勿論、【丁重に】追い返したわけだが…。



「確か…ナック・パーキーソン……」


シオンから笑みが消える。


「主を付け狙う、薄汚いインキュバス…。貴方も、懲りませんね…?」


鋭い目つきで、敵対心をむき出しにした。


「僕は、レナスに会いに来たんだ…。邪魔しないで欲しいなぁ?」

「主に何の用かは存じ上げぬが…」


ひらりと掃う空間。
突如、出現する物が、シオンの手に収まる。

まるで玩具の様にも思えたソレは、小さな剣の様にも見えた。
ギラギラと光を放つソレを、構え迎え撃つ。


「お引き取り…願いましょうか…?」


シオンは剣を構える。
しかし、目の前の亡霊は不敵に笑う。


「君って…案外間抜けなんだね…」

「…何…?」



ドゴォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!




地響きを起こす程の爆発。

なんだ、と視線を走らせるのはシオンだ。
その先には、ホグワーツが映る。どこに視線を走らせても、変化は見られない。


しかし、今の音は…?!


インキョバスはというと、視線一つ動かさない。


「貴様…何をした…?!」

「悪いけど、僕じゃないよ?」

「………?!」

「僕は知らせに来たんだよ?それなのに、君が邪魔するから…。」

「……どういう事だ…?」


警戒を解く事のないまま、シオンは目の前の【敵】を見据える。
その敵は、クスクスと笑っている。狂ったような目つきと、口元を這う舌が、嫌悪感を誘う。


「だから、君は間が抜けてるって言うんだよ。」


続く言葉はシオンに衝撃を与えた。


「このまま彼女を一人にしたら…連れていかれちゃうよ…?」



【仲間の所へ……。】



「……まさか…?!」



*******



「きゃああああああ!!」
「地震…?!」
「あぶね!」
「何?!何?!!!なによ!!」


「……!!」


パニックに陥る教室。

薬の入った沢山のビンが、次々に落下する。
ガシャンガシャンとビンが割れる音を立てる棚の隣では、立つ事も出来ない地響きに、身をかがめる事しか出来ない生徒たち。


「落ち着け!」


天井から釣り下がるシャンデリアがぐらぐらと揺れ。
付け根の金具が音を立てて切れる


そして


落ちる



杖を取り出し、瞬時に魔法を放つ教師。それはスネイプだった。


「ウィンガーディアム・レビオーサ!浮遊せよ!!」


衝撃を免れた生徒は、シャンデリアの下から逃げ出す。
それと同時に、シャンデリアが床に衝撃を与え、ガラスが飛び散る。


暫し身をかがめ、衝撃に耐える。



やっとのことで、地響きが止むなり、騒ぎ出す子供達。


「な、なんなんだ…?今の…。」
「地震…?凄かったよな…。」
「でも…これって地震なのかな…。」
「怖かったぁ…。」
「私、ローブが切れちゃった…。」


まるで瓦礫にでも埋もれたかのような生徒が立ち上がり、自身のローブやら頭やら、とにかく埃をかぶってしまった箇所を一生懸命に掃う。


そして、この光景は、どの教室でも同じだった様だ…。


「地震が起こった後は、すぐさま建物から非難する!この常識に気づいていない愚か者はいないだろうな?」


誰もが、睨みつけるスネイプに視線を向け、生唾を飲む。


「え?地震って…そうなんですか…?」

「余震が来れば、ホグワアーツとて只では済まんこともある。慌てず、騒がずに、クイディッチ競技場に向かいたまえ。」

「でも…。」

「イギリスでは地震が少ないからと言って油断をするな。地震の多く発生する国での処置だ。早く教室から出たまえ。」


其の言葉と同時に教室を出て行く生徒達。


スネイプは、一番最後に外に教室を出た。


「おぉ!スネイプ先生!」


手をブンブン振りながら近づいてきた、まるでドワーフのような教師。


「フリットウィック先生。校長と、副校長が不在の今、貴方が生徒たちの取り纏めをなさってください。我輩は、地下へ向かう。生徒たちを頼みましたぞ。」

「す、スネイプ先生!!何故地下に!!?」

「取り残された、厄介な生徒が居るのでな。」


緊張の糸を張り詰めたような空気の中、生徒たちは小走りで進む。
その中を、スネイプが逆方向に走る。


「くそ…。今度は何が起こっているのだ…!!」


スネイプは気づいていた。
この地響きが、地震のような、自然災害などでは無いと言うこと。
一刻も早く、生徒をホグワーツの城から、出さなければならないという事。
この地響きの原因は、地下からであり、それは即ち、取り残された、レナスの危険を意味しているという事。


「何だ…この纏わりつくモノは…」


押しつぶされそうな空気を掻き分け、向かう。





地下に備え付けられた、牢へと…。




****続く****

コメント(4)

新しい物語に突入ですねるんるんるんるん

あらすじも同時に読みましたが…
赤い髪ってまさか…げっそりげっそりげっそりげっそりバッド(下向き矢印)バッド(下向き矢印)爆弾爆弾

うわぁーん冷や汗冷や汗冷や汗
惨劇って、レナスがどうにかなっちゃうんですかexclamation & questionexclamation & questionexclamation & questionexclamation & questionexclamation & question

レナスーexclamation ×2exclamation ×2exclamation ×2逃げてーげっそりげっそりげっそりげっそりげっそりげっそり
璃っちゃん

レナスがどうにか…かは、のちほど明らかになります( ̄ー+ ̄)ニヤリ

年末までに…頑張れればいいなぁ…
クラウドさん

先生ダッシュです(>_<)
始まったら長いです…(ノ_<。)

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