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高木 竜馬:RYOMA TAKAGIコミュの2015年夏 高木竜馬 ピアノリサイタル 楽曲解説 前半

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           浜松国際ピアノ アカデミー コンクール 優勝記念
               高木 竜馬 ピアノリサイタル
                “ ウィーンからの風 ”

                  2015年
             7月16日 (木) 午后7時 開演
           カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
              主催 / カワイ音楽振興会
 
             7月26日 (日) 午后2時 開演
              わたなべ音楽堂 Bellne Saal
              主催 / わたなべ 音楽堂

             8月23日 (日) 午后1時30分 開演
              京葉銀行 文化プラザ 音楽ホール
             主催 / コンセルヴァトワール デミカ

                  Programm

      ベートーヴェン / ピアノソナタ 第21番 ハ長調 作品53《ワルトシュタイン》
        L.V. Beethoven Sonate für Klavier Nr.21 C-dur "Waldstein"  Op.53

      ドビュッシー / 映像 第1集より 水の反映
        C.A. Debussy Images 1 "Reflets dans l'eau"

      シューマン / アベッグの名による変奏曲 作品1
        R.A. Schumann Variations sur le nom "Abegg" Op.1

      ショパン / スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31
        F.F. Chopin Scherzo en si bémol mineur Op.31 CT198
 
                 Interruption 

      ブラームス / 4つの小品 作品119
         J. Brahms Klavierstücke  Op.119

      リスト / ピアノソナタ ロ短調
        F. Liszt Sonate für Klavier h-moll S.178 / R.21 A179

      お客様が人気投票で決めるアンコール(7.26・8.23 公演)
        Ein Stück nach Ihrer Wahl als Zugabe

   使用楽器 / Shigeru - Kawai EX 調律・整調・整音 / 7.26 大久保 英質 8.23 萩尾 啓介

  1992年生まれ、22歳。2歳よりピアノを始め、7歳よりエレーナ・アシュケナージ女史のもと、ロシアピアニズムを学ぶ。16歳より中村紘子、ミヒャエル・クリスト各氏に師事。渋谷幕張高校在学中に、ウィーン国立音楽大学コンサートピアノ科に合格。現在、特別奨学生として在学し、ミヒャエル・クリスト氏よりドイツ奏法を学ぶ。また、巨匠パウル・バドゥラ=スコダ氏より自宅レッスンを受け、ウィーン奏法の神髄に触れる。今秋からは、ボリス・ペトルシャンスキー氏の招聘を受け、イタリアのイモラ国際ピアノアカデミーに併修し、ロシア奏法の研鑽に励む予定。室内楽はクリストフ・エックナー氏に師事。これまでに、A.セメツキー、S.エーデルマン、T.ゼリクマン、D.タイ・ソン、A.ナセドキン、D.ヨッフェ、A.ヴァルディ、A.ヤシンスキー、A.ヒューイット、N.フィッシャー、V.トロップ、S.ハフ、G.ツィッターバルト(古楽器)、R.ブラウティハム(フォルテピアノ) 各氏等から薫陶を受ける。和声学を川辺真氏に、音楽学を三ツ石潤司氏に師事。指揮法は小澤征爾氏からレッスンを受け、現在、ウィーン国立音楽大学で指揮伴奏助手を務め、湯浅勇治氏に師事する。
  第1回日本チャイコフスキーコンクール、モスクワ第2回ネイガウスフェスティバル、第15回国際ピアノコンペティション“ローマ2004”、キエフ第6回ホロヴィッツ国際ピアノコンクールで各々優勝。本年度は、若手登竜門としてつとに知られる第19回浜松国際ピアノアカデミーコンクールで第1位に輝く。また、一世紀を超える伝統をもつウィーンの第38回エレーナ・ロンブロ-シュテパノウコンクールで第1位。
  ドイツカッセルザール、モスクワ音楽院大ホール、ローマテアトロヴァッレ、ヤロスラブリハーモニアホール、ウクライナ国立フィルハーモニアホール、キエフ国立オペラ座、ニューヨークスタインウエイホール、みなとみらい大ホール、新国立劇場、紀尾井ホール、千葉県文化会館大ホール、水戸佐川文庫、ミューザ川崎シンフォニーホール、大阪フェニックスホール、モスクワクレムリン宮殿、ウィーン楽友協会、コンツェルトハウス等々にて演奏。ロシアヤロスラブリ響、ウクライナ国立フィル、東京交響楽団、東京フィル等々と共演。TV『題名のない音楽会21』『〈東京の夏〉音楽祭』等に出演。ウィーン楽友協会及びコンツェルトハウスのコンサートシリーズに4年連続で出演。(公財)江副記念財団奨学生。


                    楽曲解説
                                      高木 竜馬
    
       ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770 ボン 〜 1827 ウィーン)
          ピアノソナタ 第21番 ハ長調 作品53《ワルトシュタイン》
  ベートーヴェン中期の『傑作の森』に足を踏み入れ、後世においても燦然と輝く名曲を数多く世に送り出した1803年から04年に掛けて、全32曲のソナタの中でも、「熱情ソナタ」と並び、堂々たる存在感を放つこの名曲は完成しました。02年に「ハイリゲンシュタットの遺書」をしたためたベートーヴェンは、生来もっていた自身の人並みはずれて優れた聴力が、不条理にも冒されます。『死から私を引き止めたのは芸術である。私は、自分が果たすべきだと感じている全てのことを成し遂げないうちに、この世を去って逝くことはできないのだ』。現世に対し、果たすべき自らの使命と改めて向き合ったベートーヴェンは、次々に傑作を世に送り出します。ピアノソナタ「テンペスト」「熱情」、ヴァイオリンソナタ「クロイツェル」、交響曲第2番、第3番《英雄》、そしてこの『ピアノのための英雄交響曲』と賞賛される「ワルトシュタイン」です。
  曲の愛称は、ベートーヴェン初期のパトロンであったフェルディナント・フォン・ワルトシュタイン伯爵に由来します。本人もピアノの名手であったワルトシュタイン伯は、ボン時代より青年ベートーヴェンの天才に瞠目し、『不断の努力により、ハイドンの手からモーツァルトの精神を受け取りなさい』という激励の言葉と共に、ウィーン留学を勧めたのでした。
  経済的にも精神的にも、援助を惜しまなかったワルトシュタイン伯の厚恩に報いるべく、伯爵から贈られた当時最新のエラール製ピアノを駆使し、創り上げた2楽章構成のこの曲は、初版時「ピアノフォルテのための大ソナタ」と名付けられます。壮大なる世界観を有し、古典ソナタとして規格外の規模をもつこの曲は、当初、今の第2楽章とは異なった緩徐楽章が構想されていましたが、長大さによる冗長を憂いた友人の忠告を聞き入れ、現在では「アンダンテ・ファボリ WoO.57」として別個に出版されています。

  第1楽章 Allegro con brio ソナタ形式 ハ長調  ソナタ形式でありながら、提示部、展開部、再現部、コーダのどれもが、第1主題から始められることから、ロンド形式の特性を有しているこの楽章は、ロンド形式として第2楽章への採用を構想していた「アンダンテ・ファボリ」と、やはり大規模なロンド形式を誇る終楽章との強い本質的関連が認められます。
  ハ長調の同音連打によって始められる pp の第1主題によって、ベートーヴェンは、自らの心に誓った強い使命感を宣言します。曲頭からの転調による段階移動とバスの順次下降進行を繰り返し、終着点はハ短調。希望の道のりが、決して容易なものではないことを暗喩するかのように、以降の展開を予期させない冒頭です。トレモロ音型で主題を確保しつつ、推移では、音階によるホ短調のパッセージが盛り上がりを見せ、やがて、ホ長調のコラール風の第2主題へ向けての収斂を図ります。パッセージを多用した動機重視の第1主題と、美しい旋律を豊かな和声で支える第2主題とは対蹠的であり、それぞれの主要主題の強い個性が、明確に浮かび上がります。更に三連符を用いて変奏されると、直ちに展開部で大きく発展する推移へと移ります。
  様々な移行動機を用いながら、展開部に入り、2度目の第1主題の足音が聴こえてくると、極めて整理されながらも、曲はこの楽章最大の盛り上がりを見せます。第1主題により、続いて第2主題後の推移により、そして第1主題主要動機により、異なる3つの展開をした後、第2主題は本来の姿を見せるべき主調ではなく、イ長調を挟んでイ短調へ、そして最後にハ長調へと落ち着きます。やがて、カデンツァと見まがうかのような規模に拡張されたコーダへと入り、曲の充実ぶりを堂々と見せながらも、余計な要素が一切排除された、洗練極まる筆によるこの偉大な楽章は、力強く終結します。

  第2楽章 Introduzione : Adagio molto - Rondo : Allegretto moderato  華やかで外向的な第1楽章の雰囲気とは一変し、晩期のベートーヴェンの孤独と瞑想の宇宙を予感させるような導入部。このソナタの核となる第1楽章と第2楽章後半のロンドとの橋渡し役を担い、それを見事なまでに果たしています。
  導入部の主要動機は、希望を求め、高く煌めく星に手を伸ばさんとするが如く、6度音程の上昇音型と、その儚い望みを無情にも分断し、常に緊迫感を与え続ける休符の、2つの要素によって形成されています。厳格な3部形式で書かれており、中間部はチェロのように朗々とした謳いと、それに付随したカノンの静寂が曲を彩ります。主部に戻ると、左手の32分音符が第1部との違いを生み出し、6度音程の上昇音型が度数を変えながら飛翔することを望みますが、バスの和声進行はそれを許さず、安着の地であるハ長調への帰着を執拗に押しとどめます。飛翔の激情はやがて収まり、今度は下降し、イ短調を通過し、やがてフェルマータと sf によって特別な意味が与えられたハ長調の属音が鳴り響くと、アタッカの指示により、夜明けを迎えたその先に、ベートーヴェンが望み続けた『ハ長調のロンド』による美しい理想郷が顕れ、視界一杯に広がります。
  分散音型の和声の遥か上空に、温かく美しい歌声が左手で奏される主要旋律こそ、ベートーヴェンの天にも通ずる洗練された美の極致です。この主要旋律は、楽章を通して強い支配力を保ち続けます。右手に主要旋律が移り、トリルを伴い ff で確保されると、第2主題的性格をもった右手の分散音型が現れ、曲の勢いを促進します。少しずつ形を変えながらも、一貫した力強い勢いを持続する第1エピソードが終わると、第1主題に再び戻ります。全く同じ形で提示され、ロンドソナタ形式の中間部的性格をもつ第2エピソードに入り、まるで運命に抗うベートーヴェンそのものを、描いたかのようなハ短調の激しいパッセージに引き継がれます。しばらくすると、それは突然なまでに収束し、天の声を表すかのような変イ長調による主題の和音が姿を現し、主題の徹底した解析による pp による微細なる世界が、流れるような右手の16分音符と、好対照をなしながら展開されていきます。蠢き、隆盛し、立ち消える。いいえ。これは単なる展開ではなく「メタモルフォーゼン(変容)」です! 最後は第1主題が ff で登場し、Prestissimo のコーダに向けてその推進力を失うことなく、曲はわき目も振らず進み続けます。刹那の衝突を経て、急速なコーダに入ると、交響曲「運命」にも似た執拗なまでのハ長調の確保を経て、ベートーヴェンは、遂に希求し続けた栄光を勝ち取り、曲は天へ昇華します。

クロード・アシル・ドビュッシー(1862 フランス サン=ジェルマン=アンレー 〜 1918 パリ)
               「映像」第1集から 水の反映
  ドビュッシーの曲の中で特に愛好されているこの曲は、作曲家としてのキャリアを確実なものとしていた1904年に描かれました。既に「牧神の午後への前奏曲」や「夜想曲」「ペレアスとメリザンド」「海」などピアノ曲以外でも大成功を収め、フランスの最高勲章レジオン・ドヌールを授与されていたドビュッシーの充実ぶりが、このピアノ曲からも如何なく感じられます。「映像」第1集に対して『シューマンの左か、ショパンの右に位置するだろう』との自負は、決して過剰なものではなく、現在まで多くのピアニストが好んで演奏し続ける佳作です。
  ドビュッシーは、ピアノ曲でも管弦楽曲でも、「水」を題材にした曲を数多く書いています。標題音楽の傑作、交響詩「海」を書き上げた後に推敲された「水」の描写。その精緻さは、この曲において極致を迎えます。

  Andantino molto [Tempo rubato] 変ニ長調  『和声の化学反応に成功した』と評した自身の言葉の通り、極限まで拡大され、そして交わる和声と、自由に行き来する調性の変化は、淀みを全く感じさせず流麗そのものであり、高い所から低所へと流れる水の流れの自然な営みが、見事に具現されています。
  冒頭に提示される3音=ラ♭・ファ・ミ♭は、曲全体を支配する主要動機であり、重要な転換部分には常に現れます。更にドビュッシーの言葉を借りるならば、『水に小さな輪がひとつ。小石がその中心に投げ入れられたのだ』。この主要動機は、小石の役割を果たし、水面に輪が生まれ、次第に水面で踊り続ける波紋を生じさせます。やがて岸にぶつかり反射する波紋の永遠性は、32分音符などの細かいパッセージにより、繊細に、かつドビュッシーがもつ『独特なる煌びやかさ』を帯びて、描写され表現され尽くします。

  ロベルト・アレクサンダー・シューマン(1810年 ドイツ ザクセン 〜 1856年 ボン近郊)
              アベッグの名による変奏曲 作品1
  ピアニストとして、また作曲家としての前途に大きな希望を抱いていた青年シューマン20歳の作品であるこの処女出版曲は、早くもシューマンの魅力に満々ちています。この特異な題名は、ABEGG=ラ・シ♭・ミ・ソ・ソ として、そのまま主題に採用され、架空の伯爵令嬢パウリーネ・フォン・アベッグに献呈されましたが、実在の女性メータ・フォン・アベッグに恋をしていたとも謂われています。出版業を営み著作家でもあった父の死により、母のたっての希望で一家の大黒柱たるべく、シューマンは、ライプツィヒ大学法学部、後にルプレヒト・カール大学ハイデルベルク法学部に在籍します。しかし、シューマンの音楽への情熱もだし難く、9年の後に最愛の伴侶となる名ピアニスト クララ・ヴィークの父フリードリヒのもとで、ピアノ演奏家を目指し修練を積んでいました。その才能への自負は、この曲においてもヴィルティオージティとして存分に示されています。洋々たる未来への飛翔に果敢に挑戦する、若きシューマンの健全なる野心=フロレスタン的側面と、耽美的な幻想を内包した鋭敏な詩人感覚=オイゼビウス的側面との両者が、随所で顔を覗かせる、シューマンの美質と特性に溢れた名曲です。

  主題 Animato ヘ長調  オクターブによる美しい主題が、4回姿を変えて提示されます。2回目と4回目の提示では PP の指示があり、冒頭から『非凡なる美への感覚』が示されます。

  第1変奏曲 ヘ長調  平和な雰囲気から一転、energico の指示が与えられ、地底からフロレスタンが突進していくかのような暗い情熱が燃え盛ります。半音階やアルペジオなどのパッセージなどにより、曲は第1変奏曲で、既に一気呵成の大きな進展を見せます。

  第2変奏曲 ヘ長調  一転して、オイゼビウスの瞑想的な世界観が漂う、半音階による多重旋律が支配する曲です。まるで神秘の扉がゆっくりと開くような、そしてその中を、陰から動悸を高めながらひっそりと覗き込むような感覚に陥ります。

  第3変奏曲 ヘ長調  corrente と呼ばれ、16分音符が絶え間なく動き続ける速い舞踏ステップに由来するこの曲には、シューマンのヴィルティオージティが凝縮されています。フロレスタンがあちこちに動き回り、火花が弾けるように曲は展開されていきます。
 
  第4変奏曲 Cantabile non troppo lento 変イ長調  終曲への橋渡しとなるこの耽美なる変奏には、オイゼビウスがまどろみに身を委ねるような、官能的な雰囲気が漂います。次第に曲は発展し、勢いよく飛翔しますが、徐々に滑空し、molto lento のカデンツァ風パッセージを経て、幻想の世界へと旅立ちます。

  幻想曲風終曲 Finale alla Fantasia ヘ長調  幻想的終曲と銘打たれたこのフィナーレは、詩的精神に満ち溢れながらも、突発的な変化に富む、後年のシューマンの音楽性を予期するかのような終曲です。あたかも、オイゼビウスに擬態したフロレスタンが、縦横無尽に駆け回るような情景が浮かびます。最後の突如フッと煙が消えるように姿が見えなくなる終わり方は、『人生は塵と幻である。幻想なのだ』という後年のシューマンの気質を、預言しているかのようです。

 フレデリク・フランチシェク・ショパン(1810 ポーランド ワルシャワ近郊 〜 1849 パリ)
              スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31
  ショパン全作品の中でも有名なこの曲は、ジョルジュ・サンドとの出逢いによって迎えた人生の転換期、1837年に作曲されます。前年に、相愛のポーランド伯爵令嬢マリア・ヴォジンスカヤに求婚したショパンでしたが、ショパンが抱える宿痾から、マリアの父や伯父から強い反対にあい、ついに二人の結婚は叶わぬものとなります。この悲劇的な結末はショパンの心に深い傷を残します。マリアとの愛の軌跡である手紙の数々は、リボンで結ばれ、自身の手によって『我が悲しみ』と記されて、生涯大切に保管されました。失恋の傷が癒えない中、フランツ・リストの紹介で出逢ったのが、その後のショパンの創作活動を支えたカジミール・デュドヴァン男爵夫人で、女流作家ジョルジュ・サンドだったのです。パリ社交界で活躍し、今までのどの女性とも違う積極的なサンドに対して、ショパンは、当初は悪感情さえ抱いていますが、サンドの寛やかな心と豊かな母性に触れるにつれ、やがてサンドを必要とする自分に気付き始めます。ショパンは、マリアとの失恋の痛手を抱きつつ、サンドはそのショパンの心を知りながら、二人の交際は深まります。
  この曲には、この二人の女性の間で、揺れ動きうつろう、ショパンの心が映し出されているかのように、多くの二元論対峙の要素が散りばめられています。元来、イタリア語で「冗談」を意味し、簡明な形式で、規模も性格性も過大ではない筈の「スケルツォ」に、激しいドラマを包含させたショパン。実は、自らの心の虚ろいや、自身の人生の流転にこそ、強い諧謔性を感じていたのかも知れません。

  Presto 変ロ短調  主部冒頭、主調のオクターヴユニゾンによって不気味に始まり、直後の ff によって音は激しく打ちつけられます。それに対峙して、第二主題ともとれる甘美なメロディが、変ニ長調によって奏されます。中間部「delicatissimo 最大限の繊細さをもって」。ここにおいても同様に、実に見事な情感の対比がなされます。コラール風に始まる主題により、感動的に始まり、やがて装飾音を伴い様々に動きをみせる動機が奏されます。そして、再度コラールに戻ることで、相反する心情の虚ろいが、鮮やかに描き出されています。その後、巧みな転調のもと曲は徐々に盛り上がりをみせ頂点を迎えた後、ふと我に返るかのように、興奮から身を引き、不気味な突然性をもって主部へ戻ります。属音である「へ音」が、6拍に引き伸されることで、不気味さを増した再現部が始まり、やがて、最後は華麗なコーダで、800小節に迫る長大な叙情詩は、締めくくられます。

              ここで、15分間の休憩を頂きます。

コメント(2)

竜馬さん、デミカさん、昨日は素晴らしいコンサートをありがとうございました。

竜馬さんの演奏を久しぶりに拝聴して、10代の頃とはまた違った演奏の円熟ぶりに感嘆いたしました。それでいてエネルギッシュで力強さもありどの曲も圧巻でした!
充実した学生生活を送られているのが演奏にも表れているようでした。

日々の生活や仕事のストレスで若干かさついた心に甘美なメロディーが沁みて、うるっとしました。
あのように人の心を打つ演奏ができるなんて素晴らしいことですよね。

今後益々のご活躍をお祈りいたしております。

ほんとうにありがとうございました。
 roxana さん

 過日は、ご多忙の中ご来場を賜り、本当に有難うございました。拝

 わざわざ事前に送って下すったロールケーキ。あんなに美味しいものは、生まれて初めて頂きました! 甘いものに目がない妹の薫子こそ、ドイツ語の資格試験で向こうに残留で頂けませんでしたが、大感動しながら頂戴いたしました。(なんだか遠い昔の想い出のようです)

 リサイタルでは、お言葉のように少しでも感動して頂けましたなら、本人も努力の甲斐があったと、大喜びだと存じます。まだまだ拙い演奏ですが、これからも一生懸命勉強したいと申しておりますので、今後とも、どうぞ宜しくお願い申し上げます。お同行されたご友人の方にも、くれぐれも宜しくお伝え下さいませ。

 「暑さ寒さも彼岸まで」。まだ残暑があるかも知れませんが、季節はいよいよ秋ですね。どうぞ、ご機嫌ようお過ごし下さいますよう、お祈り申し上げております。
 

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