Programm ハイドン / クラヴィーアソナタ 第31番 変イ長調 Hob.XVI-46 F.J. Haydn Sonate für Klavier Nr.31 As-Dur Hob.XVI-46 Op.54-3 シューベルト / 幻想曲 ハ長調《さすらい人幻想曲》D.760 F.P. Schubert Fantaisie 'Wandererfantasie' C-dur D.760 Op.15 Interruption(15分間) ラフマニノフ / 幻想小品集より《前奏曲》嬰ハ短調 Op.3-2 S.V. Rachmaninov Prélude en ut diése mineur Op.3-2 スクリャビン / ピアノソナタ 第5番 嬰へ長調 Op.53 A. Scriabin Sonata n.5 en fa diése majeur Op.53 ラフマニノフ / パガニーニの主題による狂詩曲より 第18変奏曲 変ニ長調 / 江口 玲 編曲 S.V. Rachmaninov Variation n.18 en ré bémol majeur de 'Rapsodie sur un theme de Paganini' Op.43 ラフマニノフ / ピアノソナタ 第2番 変ロ短調 Op.36 ホロヴィッツ版 / 山口 雅敏 採譜 S.V. Rachmaninov Sonata n.2 en si bémol mineur Op.36
お客様が人気投票で決めるアンコール(約30分の名曲プログラム) Ein Stück nach Ihrer Wahl als Zugabe
ピアノ調律 / 越智 晃(京葉銀行文化プラザ)
Die Musikgeschichte 1992年千葉市生まれ。渋谷幕張高校在学中に、ウィーン国立音楽大学コンサートピアノ科に首席合格。現在21歳。2歳よりピアノを始め、7歳よりエレーナ・アシュケナージ女史に師事。16歳より中村紘子、ミヒャエル・クリスト、アリエ・ヴァルディ各氏に師事。これまでにA.セメツキー、S.エーデルマン、T.ゼリクマン、D.タイ・ソン、A.ナセドキン、D.ヨッフェ、A.ヤシンスキー、A.ヒューイット、N.フィッシャー、V.トロップ、S.ハフ、P.スコダ、G.ツィッターバルト(古楽器)各氏等からレッスンを受ける。音楽学を三ツ石潤司氏に師事。指揮法を湯浅勇治氏に師事、小澤征爾氏からレッスンを受ける。
第1楽章 Allegro con fuoco ma non troppo ハ長調 4/4拍子 再現部が省略されたソナタ形式 何も心配を伴わないかのような若人の威風堂々たる主和音によって、曲は高らかに始められます。冒頭の3小節に、重要な動機が3つ含まれています。主和音によるダクティルリズム(タータタ タータタ)動機、主調の16分音符による上昇アルペジオ動機、そして、結尾を形成する2つの属和音による第3動機です。曲の至る所にこの動機が顔を出し、それらが即興的な側面も持ちつつ展開されていきます。第1主題が力強く提示されると、pp に変化し主題が確保されます。するとそこからは、アルペジオ動機を主体に、ホ長調の優美な第2主題へと移ります。第2主題と呼ぶものの、この部分を支配しているのはダクティルリズムです。その後は、オクターブ上昇した冒頭主題を経て、拡大された展開部へと移行します。この楽章は、全曲の統一性を確保するため再現部が省略されている分、展開部が拡張され、3つの動機を自在に織り込み、自由な形で発展していきます。イ短調によるヴィルティオーゾが発揮されるパッセージ、変ロ長調の愛らしいメロディを左手が規則正しく支える場面、冒頭主題が変ニ長調に移り、そこから目まぐるしく技巧的に発展する部分を経て、曲は次第に雲行きが怪しくなり、2楽章への移行への準備を始めます。どの場においても、主要動機が余すところなく用いられ、曲の大きな統一感が感じられます。ダクティルリズムとアルペジオ動機によって、曲調は次第に暗闇へと進み、フェルマータを経て、2楽章へと結ばれます。