平成２７年（あ）第２９０号 最高裁判所第二小法廷
大麻取締法違反被告事件 控訴趣意書
１、総論
大麻取締法第24条の2第1項は憲法１３条、１４条、３１条、２５条２項に違反し、この法の違憲性を不問のまま適用してきた裁判官の態度は憲法７６条２項に違反する。
よって被告人を懲役１年（執行猶予4年）に処した上、大麻を没収し、訴訟費用を被告人に負担させるという原判決は破棄するべきであり、憲法４０条に則り留置施設に拘留するなどの被告人に課した精神的苦痛に対ししかるべき弁償を行うべきである。
また、論告要旨２、情状��は、被告人の思想を侵害するものであり憲法１９条に違反するものであるから撤回し、他の判決と均整のとれた判断をするべきである。
２、大麻取締法第24条の2第1項が違憲であること
憲法１３条、１４条、３１条違反については担当弁護人作成の控訴趣意書と重複するためここではとりあげない。それ以外の憲法違反について述べる。
�〃�法２５条２項違反
原審における論告要旨では『被告人が，本件大麻の入手場所等を秘匿している』ことをして、思想的矯正の必要を訴えているが、これは被告人が原審の意見陳述において
『国は「大麻使用による国民の公共衛生上の危害の防止」という理由で、本来日本の国土のどこにでも自生しているはずの大麻草を片っ端から刈り取ってしまい、植生のバランスを崩し、大地の活力を弱め、西洋タンポポやセイタカアワダチソウなどの外来種の進出を許し、生態系を改変させています。実に浅はかで思慮を欠いた近視眼的な行為だと思います。方や世界では、国民の公共衛生という日本と同じ目的で、日本と全く正反対のことが行なわれています。医療大麻を導入し、従来の薬物医療では治る見込みのなかった難病を治したり症状を緩和させたり、紙の原料として大麻を栽培し木材の乱伐を防いだり、化学肥料で痩せ衰えた畑を大麻栽培で復活させたりして、大麻の力を最大限に利用して、人々の生活を豊かにしようと取り組んでいます。そんな世界の姿を見て見ぬ振りをして大麻を絶滅寸前にまで追い込んでいる日本は、愚かを通り越して気が狂っているのではないかとさえ思います。』
と述べているように、日本の貴重種である大麻草を絶滅させようとする国の行為を予防するためのものである。環境保全は公衆衛生を向上させるうえで無視できない要素であり、これを政治的な意図で改変しようとする日本政府は公衆衛生の向上の義務を怠っている。
また、大麻の薬理作用が様々な難病に目覚しい効果があることは公知の事実であるが、日本国民の中にも大麻の薬理作用を病状の改善や精神的なささえとして必要とする人々が多数存在する。被告人が大麻を所持する理由の一つも、そのような大麻を必要とする人々に分け与え、社会福祉に寄与するためであり、国が大麻取締法によってその行為を規制することは国民の福祉向上の義務を怠っているといえる。
よって国は早急に大麻取締法を撤廃し憲法２５条２項に則った公衆衛生ならびに社会福祉の向上に努めるべきである。
��憲法７６条２項違反
大麻取締法が戦後日本を占領下に置いたＧＨＱの命令で施行されたことは公知の事実である。この法の施行目的は不明であったが、『大麻草に含まれている樹脂等は麻藥と同樣な害毒を持っている』という科学的根拠のあいまいな理由で法的体裁を繕って施行された。しかし、大麻草は自然由来であり化学的に加工された麻薬と同一視するべきではない。また、司法者間における認識も『東京高等裁判所昭和53年9月11日判決（判例タイムズ369号424頁）が「大麻に従来考えられて来た程の強い有害性がない」と説示』とあるように施行当時とは見解が大きく変化しており、この法の存在意義が失われているのは明白である。そのような状況を理解していながら、なおこの法に従い続ける司法者の態度は『その良心に従ひ独立してその職権を行う』という憲法７６条２項の規定に則していない。司法者は早急にこの法を遵守することに異議を唱え、大麻取締法の撤廃を政府に対し提言するべきである。
�Ｏ盛靈彁櫃砲�ける憲法１９条違反
論告要旨２、情状��には以下のように記述されている。
『被告人は，捜査段階においても当公判廷でも大麻の効用を主張している上，検察官調書においては，「大麻を他の人に吸わせることでその人に生きる希望を持たせるなど人助けにもなっている」と供述しており，大麻の害悪を不特定多数の者に拡散させることに何らちゅうちょがなく，むしろそれを広く推し進めるべきであると主張しているのであるから，その規範意識の欠如ぶりには甚だしいものがある。
加えて，被告人が，本件大麻の入手場所等を秘匿していること，今後も大麻と関わりを断つ気はないと述べていることからすれば，被告人が再犯に及ぶことは確実というべきであり，この際，被告人を相当期間矯正施設に収容し，徹底した矯正教育を施して更生を期するのが相当である。』
しかしながら、いかに被告人の思想が社会常識とかけ離れ規範意識が欠如していようとも、それは憲法１９条「思想・良心の自由」に保障されているはずである。にもかかわらず、検察官の主張『徹底した矯正教育を施して更生を期するのが相当』は被告人の思想・考え方に制裁を科すべきだというものであり、１９条を侵害しているのは明らかである。
また、懲役1年の実刑判決は検察官の「制裁を科すべきだ」という意図を盛り込んだものであり、初犯としては量刑的に重いものである。
よって憲法１９条に則り、司法者は論告要旨２、情状��を判断材料から排除し、被告人の思想に私見を挟むことなく、他の判決例と均整の取れた判断をするべきである。
３、「大麻が精神的薬理作用を有し，かつ，それが人体に有害なものであることは公知の事実である。」への反論
�仝業酬茲砲�いて、大麻所持を犯罪として取り締まる必要性を述べているものは唯一この説示だけであり、言い換えれば、この説示が覆されてしまうと大麻所持を犯罪とする大麻取締法の法的正当性は完全に失われることになる。
文脈から読みとれる主張は「被告は有害な大麻を使用し自らの人体を損ねているから刑に処すのだ」という、なんとも「余計なお世話」的なものである。人体に有害なものを使用することが犯罪ならば、酒やタバコはもちろん、発がん性のある塩素消毒された水道水を飲む行為さえも処罰の対象となってしまう。たとえ有害性が認められても個人の自由として尊重するというのが憲法が保障する権利であり、それを超えて法を行使するには「公共の福祉に反する」ことを示す明確な道義的説明が必要である。しかし判決はそれについてはなんら言明しておらず、被告の人権を刑罰によって侵害する正当性は皆無である。
��大麻の有害性は公知の事実ではない
仮に判決文が「大麻が精神的薬理作用を有し，かつ，それが人体に有害なものであることは科学的に立証された事実である。」などといったものであるならば、個人的な推量などの入る余地は無く、科学的データの確かさに検討の焦点が移ることになる。ところが日本はこれまで大麻の有害性を科学的に検証した経験が無く、「科学的に立証された」などという文言は使用できない状況であり、そういった状況を覆い隠すための苦し紛れの表現が「公知」なのである。
近年多くの国々が大麻の薬理的有用性を認め、世界的に大麻合法化を推進する動きが活発化している。その事実を知っている国民にとって、大麻の薬理的有害性は公知の事実では決してない。
また、大麻には創造力やアイディアを高める効果があることが知られており、ビートルズやボブ・マーリィをはじめ多くのアーチストが、創作活動などに利用していることも「公知の事実」である。（証拠１）
そして大麻が縄文の太古から神事の道具として用いられ、「神宮大麻」というお札の名称からもわかるように日本民族の信仰の対象であったことや戦前の日本人の生活を支え、繊維や種子油だけでなく医療品として喫煙されていたことも「公知の事実」である。
これらの事実を知るものにとって「大麻の薬理的作用は有害である」という主張が真実ではないことは自明のことである。１９９６年には「若者に広がる大麻汚染」と題する番組を報道したＮＨＫが大麻の事実を曲げていると起訴されている。大麻を麻薬と同一視し過度に有害性を誇張しているのは、閣議決定で発足した財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターが行っていることであり、国が政策として大麻の有害性を喧伝していることを、司法者は「公知の事実」と誤認しているだけなのである。
私名もなき詩人は岩手県二戸市、宮城県仙台市、広島県広島市などで数日にわたり「大麻開放」の背旗を掲げ大麻の有用性を記したパンフレットを通行者などに手渡し、大麻を有害とする国主導の喧伝を、国民が信用しなくなっている現状を実体験をもとに確認している。活動の様子を紹介した動画はインターネットで「アサ開きウォーク」を検索すれば簡単に見つけられる。合計で約７００通のパンフレットを、私は人々に手渡してきたが、警察は言論の自由を認め、私の行為を制止することは無かった。私に対する人々の応援や激励を目にして、警察も不調和な介入が適切でないことを状況から察したはずである。社会認識は大麻が有用であることを急速に受け入れつつあり、今や大麻の有害性を支持するものこそむしろ少数となりつつあると考える。（証拠２．３）
��「大麻の精神的薬理作用が人体に有害なものである」という見解は世界的に統一されたものだというわけではない。
西洋思想が入る以前、かつての日本には東洋思想に基づいた医学があり、それは大麻を最上の薬草として扱うものであり、戦前は薬局で喫煙用の大麻が売られていた。インドや中国などの古書も大麻の薬用効果を高く評価している。それら東洋医学の知見よりも現代医学が優秀であるという根拠はどこにもない。「大麻の薬理作用が人体に有害」であるとする見解は、世界でも一部のものに過ぎず、日本政府がこの見解を支持し、西洋的な現代医学を優遇しているだけのことである。
�ぁ崑臻磴寮鎖静�薬理作用が人体に有害なものである」という科学的根拠は存在しない。
西洋思想の根幹にあるものは機械論であり、ウィキペディアにはこのように定義されている。
『機械論は、天候や地形、生命などの諸々の自然現象を、心や精神や意志、霊魂などの概念を用いずに、その部分或いは要素の決定論的な因果関係のみ、特に古典力学的な因果連鎖のみで、解釈でき全体の振る舞いも予測できる、とする立場。』
ところが、この機械論には限界があることが量子力学の発見によって明らかになっている。
『事象が確率的にのみ記述されるということは、ニュートン力学などで成り立っていたような強い意味での因果律が成り立たないことを意味する。（ウィキペディア）』
機械論のみで世界観を構築し心や精神や意志、霊魂などの概念を否定することはできな以ことが判明したにもかかわらず、西洋思想は根本的な路線変更をすることなく、機械論を踏襲したまま進展していった。「科学と疑似科学の哲学〜伊勢田哲司著」には次のような記述がある。
『「機械論的説明があるならそちらを優先すべし」という暗黙のルールにしたがって科学者達は行動しているため，イカサマの可能性が排除できない限りは超能力の存在を否定することになる。「イカサマの可能性があるからといってイカサマをした証拠にはならない」というのは普通なら筋の通った反論だが，この場合には機械論的方法論によって覆される。機械論的でない説明は，そのこと自体で疑いの目で見られるのである。ホメオパシーや鍼治療に対する疑いの目も同じ理由で説明できる。これらすべては，機械論的世界観が「うまくいっている」という前提のもとでの話である。もしも機械論的世界観が，たとえばラカトシュの言う意味で後退的であるとか，ラウダンの言う意味での進歩をまったくとげていないとかいう状況になってくれば，機械論が放棄されることもありうるだろう。ただ，現状では，圧倒的に機械論の側が生気論・目的論よりも前進・進歩しているため，今機械論的世界観が放棄されることは非常に考えにくいし，合理的でもない。』
現代医学は機械論を基調とした西洋思想から派生したものであり、人間ならば誰にでも自覚がある心や精神というものを一切考慮せず、人体を「心や精神や意志、霊魂などの概念を用いない」物質として捉える学問である。人体を扱うのにこれほど不適切なものもなく、命の尊厳を無視するあまり薬害や医療事故が多発するのも無理はないことである。
そんな欠陥学問でありながら、現代医学は東洋医学の成果の多くを疑似科学として退けてきた。例を挙げれば、インターネットでは以下のような東洋医学批判が平然と公開されている。
『鍼治療は中国の伝統的な医療技術で、気を調節して陰陽の力のバランスをとるというものである。「気」は、すべての物体にあまねく存在する“エネルギー”とされていて、経絡とよばれる14種の道筋を通って体内を流れていると信じられている。陰と陽が調和しているとき、気は体内を自由に流れ、人は健康である。病気や怪我を負っているときは、経絡を流れる気が妨げられる、と信じられている。鍼治療は、からだの特定の位置に針を打ち込む。こうして気の不健康な障害を取り除き、陰陽の分布を是正するのだそうだ。針は回したり、加熱したり、あるいは針に弱い電流や超音波、特定周波数の光を流すこともある。しかしいずれの方法であれ、過去20年にわたっておこなわれた科学的研究では、いかなる傷病に対しても針治療の効果は認められなかった。』
鍼治療に効果があることは「公知の事実」であるが現代医学はそれを認めない。これは、鍼治療に問題があるというよりは、現代医学に効果を把握するツールが無いことに原因がある。
現代医学において薬理効果などを検証する方法として最も整備されているのは二重盲検法であるが、それ以外に確立された検証方法は存在しないというのが実情である。
『二重盲検法とは、特に医学の試験・研究で、実施している薬や治療法などの性質を、医師（観察者）からも患者からも不明にして行う方法である。プラセボ効果や観察者バイアスの影響を防ぐ意味がある。この考え方は一般的な科学的方法としても重要であり、人間を対象とする心理学、社会科学や法医学などにも応用されている。（ウィキペディア）』
二重盲検法ほど機械論に支配された現代医学の特質を象徴するものはなく、様々な生活背景がある人それぞれの個性的な側面は一切考慮外に置き、物質的な人体として扱い、試薬の結果誰もが同じ効果を現すはずだという古典的因果関係を拠り所とした検査法である。しかし、プラシーボ効果などに顕著なように、試薬された人体すべてが期待通りの効果を示すとは限らず、心や精神が影響する人体から一律明確な因果関係を検出することはほぼ不可能である。さらに実験を観測する研究者の判断基準がいつ何時も冷静に公正さを保っているとはいえず、観察者バイアスを考慮する必要がある。
原審では大麻の薬理作用を『これを摂取することにより陶酔的になったり多幸感をもたらす反面，衝動的あるいは興奮状態や不安，恐怖状態になったり，妄想や幻覚の発現，パニック反応などが生ずることもあり，特に多量に摂取した場合には，幻視，幻聴が現れたり錯乱状態になることがあるなど，その有害性が大きくなることが認められる。』とあるが、一律明確な因果関係を検出することが困難な人々の多種多様な生活から、いったいどのような方法を用いてこれほど克明な症例を検出したのかに関し、なんら明らかなものがない。現代の医学水準を鑑みれば、研究者の主観が強く記述を補強していると考えるのが相当である。
また、二重盲検法は遅れて現れる副作用などを把握することは不可能である。旧厚生省が作成した「大麻」には、『再現症状つまり、薬物使用をやめた後で薬物使用時に経験するような症状が観られることが、大麻の使用後２日ぐらいから３週間に起こる』『ヒトの研究でも禁断症状と思われる軽〜中度等の不安、抑うつ、弱気、睡眠障害、発汗、細かな振戦等の症状の報告がある』と述べられているが、それを裏付ける検証方法が現代医学には存在しない。つまりは、「大麻」に記された症状の一切は、全く裏づけの無い制作者の作り話である可能性も否定できないのである。
旧厚生省作成の「大麻」には以下の記述がある。
『ラットにＴＨＣを投与した場合、（中略）腹腔内投与で１．４（０．７〜２．８）ｍｇ/ｋｇであった。ＴＨＣ１〜２ｍｇ/ｋｇの投与量では自発運動の亢進あるいは背を丸くしてうずくまるようになる。その他、後ずさり歩行や後肢を軸として転回するなどの異常行動が発現する。また息を吹きかけたり、捕獲したり、外から刺激を与えると、激しい鳴き声を発するなどの被刺激性増大が見られた。また木片やチョーク等、目前にあるものを何でも咬み続けたり、マウスを近づけるとこれを直ちに咬み殺し、死んだ後でもなお咬み続け、これを喰ってしまうというような攻撃的行動を発現するラットもあった。』
また、別の部分には以下の記述がある。
『１９６７年、アメリカのIsbell（ＷＨＯ薬物依存に関する専門化委員会委員）が、ＴＨＣをヒトに使用しての実験で、摂取方法、摂取量と精神作用との関係を次のように明らかにしている。
１、吸煙で５０μg/ｋｇ、口径投与で１２０μg/ｋｇの量で陶酔感を覚える状態となる。
２、吸煙で１00μg/ｋｇ、口径投与で240μg/ｋｇの量で知覚，感覚の変化を生じる。
３、吸煙で２００〜３００μg/ｋｇ、口径投与で３００〜４８０μg/ｋｇの量で著明な感覚の変化、離人感、現実遊離感、幻覚、幻聴が現れる。』
1,000μg＝1mgであるから、１ｍｇ/ｋｇのＴＨＣを腹腔内投与されたラットは、ヒトが幻覚症状を発現するとされる３００〜４８０μg/ｋｇの約3倍もの量を投与されたことになる。ラットとヒトの体の大きさを考えれば、影響の度合いは３００倍に及ぶといっても過言ではないだろう。これで異常行動を示さないラットがいるほうがむしろ不思議ではないか。まさに「大麻の薬理作用は有害」という結論を恣意的に導くための実験であり、「大麻」に記された日本独自の生体実験は唯一これのみである。つまり、日本政府は「大麻の精神的薬理作用が人体に有害なものである」という科学的根拠を全く持っていないのである。
大麻取締法違反被告事件 控訴趣意書
１、総論
大麻取締法第24条の2第1項は憲法１３条、１４条、３１条、２５条２項に違反し、この法の違憲性を不問のまま適用してきた裁判官の態度は憲法７６条２項に違反する。
よって被告人を懲役１年（執行猶予4年）に処した上、大麻を没収し、訴訟費用を被告人に負担させるという原判決は破棄するべきであり、憲法４０条に則り留置施設に拘留するなどの被告人に課した精神的苦痛に対ししかるべき弁償を行うべきである。
また、論告要旨２、情状��は、被告人の思想を侵害するものであり憲法１９条に違反するものであるから撤回し、他の判決と均整のとれた判断をするべきである。
２、大麻取締法第24条の2第1項が違憲であること
憲法１３条、１４条、３１条違反については担当弁護人作成の控訴趣意書と重複するためここではとりあげない。それ以外の憲法違反について述べる。
�〃�法２５条２項違反
原審における論告要旨では『被告人が，本件大麻の入手場所等を秘匿している』ことをして、思想的矯正の必要を訴えているが、これは被告人が原審の意見陳述において
『国は「大麻使用による国民の公共衛生上の危害の防止」という理由で、本来日本の国土のどこにでも自生しているはずの大麻草を片っ端から刈り取ってしまい、植生のバランスを崩し、大地の活力を弱め、西洋タンポポやセイタカアワダチソウなどの外来種の進出を許し、生態系を改変させています。実に浅はかで思慮を欠いた近視眼的な行為だと思います。方や世界では、国民の公共衛生という日本と同じ目的で、日本と全く正反対のことが行なわれています。医療大麻を導入し、従来の薬物医療では治る見込みのなかった難病を治したり症状を緩和させたり、紙の原料として大麻を栽培し木材の乱伐を防いだり、化学肥料で痩せ衰えた畑を大麻栽培で復活させたりして、大麻の力を最大限に利用して、人々の生活を豊かにしようと取り組んでいます。そんな世界の姿を見て見ぬ振りをして大麻を絶滅寸前にまで追い込んでいる日本は、愚かを通り越して気が狂っているのではないかとさえ思います。』
と述べているように、日本の貴重種である大麻草を絶滅させようとする国の行為を予防するためのものである。環境保全は公衆衛生を向上させるうえで無視できない要素であり、これを政治的な意図で改変しようとする日本政府は公衆衛生の向上の義務を怠っている。
また、大麻の薬理作用が様々な難病に目覚しい効果があることは公知の事実であるが、日本国民の中にも大麻の薬理作用を病状の改善や精神的なささえとして必要とする人々が多数存在する。被告人が大麻を所持する理由の一つも、そのような大麻を必要とする人々に分け与え、社会福祉に寄与するためであり、国が大麻取締法によってその行為を規制することは国民の福祉向上の義務を怠っているといえる。
よって国は早急に大麻取締法を撤廃し憲法２５条２項に則った公衆衛生ならびに社会福祉の向上に努めるべきである。
��憲法７６条２項違反
大麻取締法が戦後日本を占領下に置いたＧＨＱの命令で施行されたことは公知の事実である。この法の施行目的は不明であったが、『大麻草に含まれている樹脂等は麻藥と同樣な害毒を持っている』という科学的根拠のあいまいな理由で法的体裁を繕って施行された。しかし、大麻草は自然由来であり化学的に加工された麻薬と同一視するべきではない。また、司法者間における認識も『東京高等裁判所昭和53年9月11日判決（判例タイムズ369号424頁）が「大麻に従来考えられて来た程の強い有害性がない」と説示』とあるように施行当時とは見解が大きく変化しており、この法の存在意義が失われているのは明白である。そのような状況を理解していながら、なおこの法に従い続ける司法者の態度は『その良心に従ひ独立してその職権を行う』という憲法７６条２項の規定に則していない。司法者は早急にこの法を遵守することに異議を唱え、大麻取締法の撤廃を政府に対し提言するべきである。
�Ｏ盛靈彁櫃砲�ける憲法１９条違反
論告要旨２、情状��には以下のように記述されている。
『被告人は，捜査段階においても当公判廷でも大麻の効用を主張している上，検察官調書においては，「大麻を他の人に吸わせることでその人に生きる希望を持たせるなど人助けにもなっている」と供述しており，大麻の害悪を不特定多数の者に拡散させることに何らちゅうちょがなく，むしろそれを広く推し進めるべきであると主張しているのであるから，その規範意識の欠如ぶりには甚だしいものがある。
加えて，被告人が，本件大麻の入手場所等を秘匿していること，今後も大麻と関わりを断つ気はないと述べていることからすれば，被告人が再犯に及ぶことは確実というべきであり，この際，被告人を相当期間矯正施設に収容し，徹底した矯正教育を施して更生を期するのが相当である。』
しかしながら、いかに被告人の思想が社会常識とかけ離れ規範意識が欠如していようとも、それは憲法１９条「思想・良心の自由」に保障されているはずである。にもかかわらず、検察官の主張『徹底した矯正教育を施して更生を期するのが相当』は被告人の思想・考え方に制裁を科すべきだというものであり、１９条を侵害しているのは明らかである。
また、懲役1年の実刑判決は検察官の「制裁を科すべきだ」という意図を盛り込んだものであり、初犯としては量刑的に重いものである。
よって憲法１９条に則り、司法者は論告要旨２、情状��を判断材料から排除し、被告人の思想に私見を挟むことなく、他の判決例と均整の取れた判断をするべきである。
３、「大麻が精神的薬理作用を有し，かつ，それが人体に有害なものであることは公知の事実である。」への反論
�仝業酬茲砲�いて、大麻所持を犯罪として取り締まる必要性を述べているものは唯一この説示だけであり、言い換えれば、この説示が覆されてしまうと大麻所持を犯罪とする大麻取締法の法的正当性は完全に失われることになる。
文脈から読みとれる主張は「被告は有害な大麻を使用し自らの人体を損ねているから刑に処すのだ」という、なんとも「余計なお世話」的なものである。人体に有害なものを使用することが犯罪ならば、酒やタバコはもちろん、発がん性のある塩素消毒された水道水を飲む行為さえも処罰の対象となってしまう。たとえ有害性が認められても個人の自由として尊重するというのが憲法が保障する権利であり、それを超えて法を行使するには「公共の福祉に反する」ことを示す明確な道義的説明が必要である。しかし判決はそれについてはなんら言明しておらず、被告の人権を刑罰によって侵害する正当性は皆無である。
��大麻の有害性は公知の事実ではない
仮に判決文が「大麻が精神的薬理作用を有し，かつ，それが人体に有害なものであることは科学的に立証された事実である。」などといったものであるならば、個人的な推量などの入る余地は無く、科学的データの確かさに検討の焦点が移ることになる。ところが日本はこれまで大麻の有害性を科学的に検証した経験が無く、「科学的に立証された」などという文言は使用できない状況であり、そういった状況を覆い隠すための苦し紛れの表現が「公知」なのである。
近年多くの国々が大麻の薬理的有用性を認め、世界的に大麻合法化を推進する動きが活発化している。その事実を知っている国民にとって、大麻の薬理的有害性は公知の事実では決してない。
また、大麻には創造力やアイディアを高める効果があることが知られており、ビートルズやボブ・マーリィをはじめ多くのアーチストが、創作活動などに利用していることも「公知の事実」である。（証拠１）
そして大麻が縄文の太古から神事の道具として用いられ、「神宮大麻」というお札の名称からもわかるように日本民族の信仰の対象であったことや戦前の日本人の生活を支え、繊維や種子油だけでなく医療品として喫煙されていたことも「公知の事実」である。
これらの事実を知るものにとって「大麻の薬理的作用は有害である」という主張が真実ではないことは自明のことである。１９９６年には「若者に広がる大麻汚染」と題する番組を報道したＮＨＫが大麻の事実を曲げていると起訴されている。大麻を麻薬と同一視し過度に有害性を誇張しているのは、閣議決定で発足した財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターが行っていることであり、国が政策として大麻の有害性を喧伝していることを、司法者は「公知の事実」と誤認しているだけなのである。
私名もなき詩人は岩手県二戸市、宮城県仙台市、広島県広島市などで数日にわたり「大麻開放」の背旗を掲げ大麻の有用性を記したパンフレットを通行者などに手渡し、大麻を有害とする国主導の喧伝を、国民が信用しなくなっている現状を実体験をもとに確認している。活動の様子を紹介した動画はインターネットで「アサ開きウォーク」を検索すれば簡単に見つけられる。合計で約７００通のパンフレットを、私は人々に手渡してきたが、警察は言論の自由を認め、私の行為を制止することは無かった。私に対する人々の応援や激励を目にして、警察も不調和な介入が適切でないことを状況から察したはずである。社会認識は大麻が有用であることを急速に受け入れつつあり、今や大麻の有害性を支持するものこそむしろ少数となりつつあると考える。（証拠２．３）
��「大麻の精神的薬理作用が人体に有害なものである」という見解は世界的に統一されたものだというわけではない。
西洋思想が入る以前、かつての日本には東洋思想に基づいた医学があり、それは大麻を最上の薬草として扱うものであり、戦前は薬局で喫煙用の大麻が売られていた。インドや中国などの古書も大麻の薬用効果を高く評価している。それら東洋医学の知見よりも現代医学が優秀であるという根拠はどこにもない。「大麻の薬理作用が人体に有害」であるとする見解は、世界でも一部のものに過ぎず、日本政府がこの見解を支持し、西洋的な現代医学を優遇しているだけのことである。
�ぁ崑臻磴寮鎖静�薬理作用が人体に有害なものである」という科学的根拠は存在しない。
西洋思想の根幹にあるものは機械論であり、ウィキペディアにはこのように定義されている。
『機械論は、天候や地形、生命などの諸々の自然現象を、心や精神や意志、霊魂などの概念を用いずに、その部分或いは要素の決定論的な因果関係のみ、特に古典力学的な因果連鎖のみで、解釈でき全体の振る舞いも予測できる、とする立場。』
ところが、この機械論には限界があることが量子力学の発見によって明らかになっている。
『事象が確率的にのみ記述されるということは、ニュートン力学などで成り立っていたような強い意味での因果律が成り立たないことを意味する。（ウィキペディア）』
機械論のみで世界観を構築し心や精神や意志、霊魂などの概念を否定することはできな以ことが判明したにもかかわらず、西洋思想は根本的な路線変更をすることなく、機械論を踏襲したまま進展していった。「科学と疑似科学の哲学〜伊勢田哲司著」には次のような記述がある。
『「機械論的説明があるならそちらを優先すべし」という暗黙のルールにしたがって科学者達は行動しているため，イカサマの可能性が排除できない限りは超能力の存在を否定することになる。「イカサマの可能性があるからといってイカサマをした証拠にはならない」というのは普通なら筋の通った反論だが，この場合には機械論的方法論によって覆される。機械論的でない説明は，そのこと自体で疑いの目で見られるのである。ホメオパシーや鍼治療に対する疑いの目も同じ理由で説明できる。これらすべては，機械論的世界観が「うまくいっている」という前提のもとでの話である。もしも機械論的世界観が，たとえばラカトシュの言う意味で後退的であるとか，ラウダンの言う意味での進歩をまったくとげていないとかいう状況になってくれば，機械論が放棄されることもありうるだろう。ただ，現状では，圧倒的に機械論の側が生気論・目的論よりも前進・進歩しているため，今機械論的世界観が放棄されることは非常に考えにくいし，合理的でもない。』
現代医学は機械論を基調とした西洋思想から派生したものであり、人間ならば誰にでも自覚がある心や精神というものを一切考慮せず、人体を「心や精神や意志、霊魂などの概念を用いない」物質として捉える学問である。人体を扱うのにこれほど不適切なものもなく、命の尊厳を無視するあまり薬害や医療事故が多発するのも無理はないことである。
そんな欠陥学問でありながら、現代医学は東洋医学の成果の多くを疑似科学として退けてきた。例を挙げれば、インターネットでは以下のような東洋医学批判が平然と公開されている。
『鍼治療は中国の伝統的な医療技術で、気を調節して陰陽の力のバランスをとるというものである。「気」は、すべての物体にあまねく存在する“エネルギー”とされていて、経絡とよばれる14種の道筋を通って体内を流れていると信じられている。陰と陽が調和しているとき、気は体内を自由に流れ、人は健康である。病気や怪我を負っているときは、経絡を流れる気が妨げられる、と信じられている。鍼治療は、からだの特定の位置に針を打ち込む。こうして気の不健康な障害を取り除き、陰陽の分布を是正するのだそうだ。針は回したり、加熱したり、あるいは針に弱い電流や超音波、特定周波数の光を流すこともある。しかしいずれの方法であれ、過去20年にわたっておこなわれた科学的研究では、いかなる傷病に対しても針治療の効果は認められなかった。』
鍼治療に効果があることは「公知の事実」であるが現代医学はそれを認めない。これは、鍼治療に問題があるというよりは、現代医学に効果を把握するツールが無いことに原因がある。
現代医学において薬理効果などを検証する方法として最も整備されているのは二重盲検法であるが、それ以外に確立された検証方法は存在しないというのが実情である。
『二重盲検法とは、特に医学の試験・研究で、実施している薬や治療法などの性質を、医師（観察者）からも患者からも不明にして行う方法である。プラセボ効果や観察者バイアスの影響を防ぐ意味がある。この考え方は一般的な科学的方法としても重要であり、人間を対象とする心理学、社会科学や法医学などにも応用されている。（ウィキペディア）』
二重盲検法ほど機械論に支配された現代医学の特質を象徴するものはなく、様々な生活背景がある人それぞれの個性的な側面は一切考慮外に置き、物質的な人体として扱い、試薬の結果誰もが同じ効果を現すはずだという古典的因果関係を拠り所とした検査法である。しかし、プラシーボ効果などに顕著なように、試薬された人体すべてが期待通りの効果を示すとは限らず、心や精神が影響する人体から一律明確な因果関係を検出することはほぼ不可能である。さらに実験を観測する研究者の判断基準がいつ何時も冷静に公正さを保っているとはいえず、観察者バイアスを考慮する必要がある。
原審では大麻の薬理作用を『これを摂取することにより陶酔的になったり多幸感をもたらす反面，衝動的あるいは興奮状態や不安，恐怖状態になったり，妄想や幻覚の発現，パニック反応などが生ずることもあり，特に多量に摂取した場合には，幻視，幻聴が現れたり錯乱状態になることがあるなど，その有害性が大きくなることが認められる。』とあるが、一律明確な因果関係を検出することが困難な人々の多種多様な生活から、いったいどのような方法を用いてこれほど克明な症例を検出したのかに関し、なんら明らかなものがない。現代の医学水準を鑑みれば、研究者の主観が強く記述を補強していると考えるのが相当である。
また、二重盲検法は遅れて現れる副作用などを把握することは不可能である。旧厚生省が作成した「大麻」には、『再現症状つまり、薬物使用をやめた後で薬物使用時に経験するような症状が観られることが、大麻の使用後２日ぐらいから３週間に起こる』『ヒトの研究でも禁断症状と思われる軽〜中度等の不安、抑うつ、弱気、睡眠障害、発汗、細かな振戦等の症状の報告がある』と述べられているが、それを裏付ける検証方法が現代医学には存在しない。つまりは、「大麻」に記された症状の一切は、全く裏づけの無い制作者の作り話である可能性も否定できないのである。
旧厚生省作成の「大麻」には以下の記述がある。
『ラットにＴＨＣを投与した場合、（中略）腹腔内投与で１．４（０．７〜２．８）ｍｇ/ｋｇであった。ＴＨＣ１〜２ｍｇ/ｋｇの投与量では自発運動の亢進あるいは背を丸くしてうずくまるようになる。その他、後ずさり歩行や後肢を軸として転回するなどの異常行動が発現する。また息を吹きかけたり、捕獲したり、外から刺激を与えると、激しい鳴き声を発するなどの被刺激性増大が見られた。また木片やチョーク等、目前にあるものを何でも咬み続けたり、マウスを近づけるとこれを直ちに咬み殺し、死んだ後でもなお咬み続け、これを喰ってしまうというような攻撃的行動を発現するラットもあった。』
また、別の部分には以下の記述がある。
『１９６７年、アメリカのIsbell（ＷＨＯ薬物依存に関する専門化委員会委員）が、ＴＨＣをヒトに使用しての実験で、摂取方法、摂取量と精神作用との関係を次のように明らかにしている。
１、吸煙で５０μg/ｋｇ、口径投与で１２０μg/ｋｇの量で陶酔感を覚える状態となる。
２、吸煙で１00μg/ｋｇ、口径投与で240μg/ｋｇの量で知覚，感覚の変化を生じる。
３、吸煙で２００〜３００μg/ｋｇ、口径投与で３００〜４８０μg/ｋｇの量で著明な感覚の変化、離人感、現実遊離感、幻覚、幻聴が現れる。』
1,000μg＝1mgであるから、１ｍｇ/ｋｇのＴＨＣを腹腔内投与されたラットは、ヒトが幻覚症状を発現するとされる３００〜４８０μg/ｋｇの約3倍もの量を投与されたことになる。ラットとヒトの体の大きさを考えれば、影響の度合いは３００倍に及ぶといっても過言ではないだろう。これで異常行動を示さないラットがいるほうがむしろ不思議ではないか。まさに「大麻の薬理作用は有害」という結論を恣意的に導くための実験であり、「大麻」に記された日本独自の生体実験は唯一これのみである。つまり、日本政府は「大麻の精神的薬理作用が人体に有害なものである」という科学的根拠を全く持っていないのである。
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コメント(2)
以上ここまでが、大麻取締法が憲法違反であるという控訴の趣意説明ですが、司法者の皆様にはこの場を借りて特に申し述べておきたいことがあります。
最終判決を迎え、私は今、自分の意志を最後まで貫くことができたことに対し強い満足を覚えています。警察による脅迫的な逮捕拘留、あなたがた司法者の処罰をもってしても、私の意志を打ち砕くことはできませんでした。大麻取締法は違憲であるという私の信念は、これらの経過を経てむしろ一層強固になりました。
そしてまた私は、最高裁において私の作成したこの文書が取り上げられ、裁判記録に保存されることを喜ばしく思っています。この文書は、大麻取締法に私が絶対に屈しないことを宣言するものであり、あなたがた司法者も日本政府も社会も、必ずいつか私の正しさを認めざるを得ない定めのものであることを予告するものです。
担当弁護人の話では、私は証拠の提出をしてこなかったから、判決を翻すことは非常に困難であるとのことです。私にはそのような形式的なことはわかりませんが、全く証拠を提出してこなかったとは思っていません。日本古来からの大麻信仰を裏付ける資料として「日本の建国と阿波忌部」、戦前の東北の貧農が大麻を生活の支えにしていたことを記した「麻と稗の哀史」、医療大麻の実情を記した「医療マリファナの奇跡」を、私はこれまでの提出書面で紹介しました。情報は十分にお伝えしたと考えます。要は、それらの情報をあなたがた司法者が正しい良心を持って読み取るかどうかだと思います。立場の違いを超えれば私たちはみな日本民族です。大麻と密接につながっていた過去の歴史をいまさら取り立てて説明する必要があるのでしょうか。良心の目がしっかり開かれているのならば、これらの情報が形式的な不都合によって霧散してしまうような脆弱なものではないことは、あなたがたも内心ではご存知のことと思います。
もしかしたらあなたがたは、仙台での控訴同様にこの控訴趣意書に何らかの言いがかりをつけて棄却してしまうかもしれません。それでも、あなた方がこれを読んだ、私がこれを世に投じたという事実は決して消え去ることはありません。そのような専門家だけに通用する小細工に逃げ込むようなことを、よもや日本の司法の最高機関である最高裁で繰り返すことはなかろうと期待しております。この裁判は多くの国民が見守っています。「さすが最高裁だ。申し分の無い検討がされているようだ」と頷ける判決をお願いします。
判決が翻り無罪が確定することはもちろん最も好ましいことではありますが、たとえそうならなくても、それによって私の人生態度が変わることはないということは、この場ではっきりと明言しておきます。検察官や警察での事情聴取の際、私は繰り返し「大麻取締法がもっともな法律だと納得できない限り、大麻と縁を切るつもりは無い」と述べてきました。そしてこれまでの裁判を振り返ってみて、私はいまだに大麻取締法がもっとももな法律だとは思えません。法の介入が無ければ、私は平穏に周囲と協調した生活をしていたはずです。誰にも迷惑をかけない者が犯罪者にされる、この状況こそが大麻取締法の違憲性を如実に物語るものであり、このような非人道な扱いに私は屈するつもりはありません。つまり、私は今後も大麻と縁を切るつもりはありません。そんな私を権力がいかに屈服させようとしても、私は大麻が教えてくれた希望の心を道しるべに歩んでいくつもりです。
また、原審で命じられた訴訟費用の負担には一切応じるつもりはありません。私には全く自分が悪いことをしたという実感が無いのですから、当然の態度だと考えます。あなたがたは現金収入の無い私から、どのような取立てを行うのでしょうか。興味を持って拝見させていただきます。
最終判決を迎え、私は今、自分の意志を最後まで貫くことができたことに対し強い満足を覚えています。警察による脅迫的な逮捕拘留、あなたがた司法者の処罰をもってしても、私の意志を打ち砕くことはできませんでした。大麻取締法は違憲であるという私の信念は、これらの経過を経てむしろ一層強固になりました。
そしてまた私は、最高裁において私の作成したこの文書が取り上げられ、裁判記録に保存されることを喜ばしく思っています。この文書は、大麻取締法に私が絶対に屈しないことを宣言するものであり、あなたがた司法者も日本政府も社会も、必ずいつか私の正しさを認めざるを得ない定めのものであることを予告するものです。
担当弁護人の話では、私は証拠の提出をしてこなかったから、判決を翻すことは非常に困難であるとのことです。私にはそのような形式的なことはわかりませんが、全く証拠を提出してこなかったとは思っていません。日本古来からの大麻信仰を裏付ける資料として「日本の建国と阿波忌部」、戦前の東北の貧農が大麻を生活の支えにしていたことを記した「麻と稗の哀史」、医療大麻の実情を記した「医療マリファナの奇跡」を、私はこれまでの提出書面で紹介しました。情報は十分にお伝えしたと考えます。要は、それらの情報をあなたがた司法者が正しい良心を持って読み取るかどうかだと思います。立場の違いを超えれば私たちはみな日本民族です。大麻と密接につながっていた過去の歴史をいまさら取り立てて説明する必要があるのでしょうか。良心の目がしっかり開かれているのならば、これらの情報が形式的な不都合によって霧散してしまうような脆弱なものではないことは、あなたがたも内心ではご存知のことと思います。
もしかしたらあなたがたは、仙台での控訴同様にこの控訴趣意書に何らかの言いがかりをつけて棄却してしまうかもしれません。それでも、あなた方がこれを読んだ、私がこれを世に投じたという事実は決して消え去ることはありません。そのような専門家だけに通用する小細工に逃げ込むようなことを、よもや日本の司法の最高機関である最高裁で繰り返すことはなかろうと期待しております。この裁判は多くの国民が見守っています。「さすが最高裁だ。申し分の無い検討がされているようだ」と頷ける判決をお願いします。
判決が翻り無罪が確定することはもちろん最も好ましいことではありますが、たとえそうならなくても、それによって私の人生態度が変わることはないということは、この場ではっきりと明言しておきます。検察官や警察での事情聴取の際、私は繰り返し「大麻取締法がもっともな法律だと納得できない限り、大麻と縁を切るつもりは無い」と述べてきました。そしてこれまでの裁判を振り返ってみて、私はいまだに大麻取締法がもっとももな法律だとは思えません。法の介入が無ければ、私は平穏に周囲と協調した生活をしていたはずです。誰にも迷惑をかけない者が犯罪者にされる、この状況こそが大麻取締法の違憲性を如実に物語るものであり、このような非人道な扱いに私は屈するつもりはありません。つまり、私は今後も大麻と縁を切るつもりはありません。そんな私を権力がいかに屈服させようとしても、私は大麻が教えてくれた希望の心を道しるべに歩んでいくつもりです。
また、原審で命じられた訴訟費用の負担には一切応じるつもりはありません。私には全く自分が悪いことをしたという実感が無いのですから、当然の態度だと考えます。あなたがたは現金収入の無い私から、どのような取立てを行うのでしょうか。興味を持って拝見させていただきます。
結局、大麻取締法はなんのためにあるのかといえば、私のような大麻を正しい目で見、正しくものを言う者の出現を拒むためだと考えます。この法によって罰することで人々を恐れさせ、口をつぐませるために大麻取締法はあるのです。しかしもはやその封印は解かれました。もはや私の口を封じようとしても無駄です。それよりも、もっと未来に目を向けてください。地球環境の再生のため、愚かな現代文明を盲進する人々の心を目覚めさせより良い社会を作るため、人類には大麻が必要です。あなたがたの子孫のこと、そしてあなたがたの心身の健康を思えば、かつての日本がそうであったように、大麻を自由に何の規制も無く国民の手に戻すことが最も賢明な選択です。あなたがたは大変な苦労をして現在の地位を手にしたことでしょう。その苦労は政府の嘘を擁護し権力の下僕として使えるためのものではないはずです。
旧厚生省作成の「大麻」で常軌を逸した動物実験を行った研究者は正気であったといえるでしょうか。真実を曲げられる、覆い隠せると本気で信じていたとしたら、それは狂気ではないでしょうか。現代人は権力によって真実は曲げられると信じ、化粧によって老いは隠せると信じ、山奥に捨てればゴミは忘れられると信じています。それが当たり前だと思っていることこそが狂気なのです。
そんなあなたがたは大麻の薬理作用を道しるべとして人生を歩む私を気が狂っていると言うかもしれません。しかし実際のところ、大麻を知らないあなた方は清浄な良心から最も遠い人生を生きているのではありませんか。人類に多大な恵みを与えてきた大麻を取り締まる法は狂気です。そしてその状況を許し存続させる心も良心を忘れた狂気の中にあります。あなた方は素直に認めるべきです。大麻を知る私のほうがあなたがたよりもはるかに正常であり、与えられた命を正しく生きているということを。
私は現在５１歳ですが、現代医療に従事する同年代の方々の中に、私よりも健康を理解していると思える方を見たことがありません。彼らはただ単に職業として命を扱っているだけで、専門家としての知識はあっても知恵を働かせるすべを知りません。私は日課としてギターとサッカーを練習していますが、体力・技術的な限界は全く感じておらず、日々成長している実感があります。体のことを最もよく知る者は最も健康な者であると考えます。私自身が誰よりも若々しく健康を保ち続けることが、大麻の汚名を晴らすうえで最も大切なことだと考えています。そして私の人生は犯罪者の汚名に霞むことなく一層輝きを増しており、未来への期待は高まるばかりです。そんな私には、あなたがたが良心を埋没させ、狂った時代の下僕となりいたずらに命を浪費していることが哀れでなりません。
あなたがたは結局私を受け入れるしか道はないことに気付くでしょう。誰もが喜びに満ちた人生、健康で心に無理のない生活を望んでいます。だから、いつかは私に共感し同じ道を歩みだすことは必然なのです。
私はあなたがたと敵対したいのではありません。友として手を取り合いたいのです。真心に生きる喜びをあなたがたにも味わっていただきたいのです。嘘を容認する古い社会通念は日増しに消滅していき、未来には真心を大切にする新たな時代が急速に広がっていくでしょう。あなた方司法者がいつまでも惨めな生き方にしがみつき、時代の変遷に乗り遅れることが無いように祈ります。
証拠１
「回想するジョンレノン 片岡義男訳」１２１ｐ
証拠２
「イヤサカ種まき通信Ｎｏ．２」仙台市で配布したもの
証拠３
「イヤサカ種まき通信Ｎｏ．３」広島市で配布したもの
旧厚生省作成の「大麻」で常軌を逸した動物実験を行った研究者は正気であったといえるでしょうか。真実を曲げられる、覆い隠せると本気で信じていたとしたら、それは狂気ではないでしょうか。現代人は権力によって真実は曲げられると信じ、化粧によって老いは隠せると信じ、山奥に捨てればゴミは忘れられると信じています。それが当たり前だと思っていることこそが狂気なのです。
そんなあなたがたは大麻の薬理作用を道しるべとして人生を歩む私を気が狂っていると言うかもしれません。しかし実際のところ、大麻を知らないあなた方は清浄な良心から最も遠い人生を生きているのではありませんか。人類に多大な恵みを与えてきた大麻を取り締まる法は狂気です。そしてその状況を許し存続させる心も良心を忘れた狂気の中にあります。あなた方は素直に認めるべきです。大麻を知る私のほうがあなたがたよりもはるかに正常であり、与えられた命を正しく生きているということを。
私は現在５１歳ですが、現代医療に従事する同年代の方々の中に、私よりも健康を理解していると思える方を見たことがありません。彼らはただ単に職業として命を扱っているだけで、専門家としての知識はあっても知恵を働かせるすべを知りません。私は日課としてギターとサッカーを練習していますが、体力・技術的な限界は全く感じておらず、日々成長している実感があります。体のことを最もよく知る者は最も健康な者であると考えます。私自身が誰よりも若々しく健康を保ち続けることが、大麻の汚名を晴らすうえで最も大切なことだと考えています。そして私の人生は犯罪者の汚名に霞むことなく一層輝きを増しており、未来への期待は高まるばかりです。そんな私には、あなたがたが良心を埋没させ、狂った時代の下僕となりいたずらに命を浪費していることが哀れでなりません。
あなたがたは結局私を受け入れるしか道はないことに気付くでしょう。誰もが喜びに満ちた人生、健康で心に無理のない生活を望んでいます。だから、いつかは私に共感し同じ道を歩みだすことは必然なのです。
私はあなたがたと敵対したいのではありません。友として手を取り合いたいのです。真心に生きる喜びをあなたがたにも味わっていただきたいのです。嘘を容認する古い社会通念は日増しに消滅していき、未来には真心を大切にする新たな時代が急速に広がっていくでしょう。あなた方司法者がいつまでも惨めな生き方にしがみつき、時代の変遷に乗り遅れることが無いように祈ります。
証拠１
「回想するジョンレノン 片岡義男訳」１２１ｐ
証拠２
「イヤサカ種まき通信Ｎｏ．２」仙台市で配布したもの
証拠３
「イヤサカ種まき通信Ｎｏ．３」広島市で配布したもの
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