「名もなき詩人」同好会コミュの返戻書への回答

仙台高等検察庁徴収係様

　返戻書なるもの並びに私のCDを確かに受け取りましたが、まこととに遺憾なことにCDを返した理由が全く説明されていませんし、今後私に対しどのような働きかけをするのかも説明がありません。また、CDの中身を確かめもせずに私が送ったそのままの状態で返ってきましたが、これは私のCDに価値を感じないということなのでしょうか。
　繰り返し申し上げますが、私の所有物の中にあなた方が財産だと判断できる物あるいはその真価を理解できる物は、私のオリジナルCD以外にはありません。もちろん、私が現在住んでいるマンションは親戚からの財産分与によって私の所有となってはいますが、高々１９万円程度の金額を徴収するために私から住居までも奪ってしまうという乱暴は、いくらあなた方が冷酷であろうともやりはしないだろうと予想しています。
　このCDに手を付けずに、それ以外の私が生活の中で愛用するものを奪おうというおつもりでしたら、そこには単純に私から財産を徴収する意図以上の、別の意図があるものと判断いたします。つまりそれは、去年の私の裁判で検察官が主張した｢(被告の)規範意識の欠如ぶりには甚だしいものがある。(中略) この際，被告人を相当期間矯正施設に収容し，徹底した矯正教育を施して更生を期するのが相当である。」と同等の意図、つまり、私に制裁を加え精神的苦痛を負わせたいという意図です。
　あなた方のような、現代社会という愚かな集団狂気に隷従している方々は、得てして私のような束縛から自由である者に対し強い妬みを感じ、時にその者を罰してやりたいという暗い情熱を抱かれるようです。しかしそれは、あなた方の身勝手な思想・信条の押し付けであり、私の憲法に保障された権利を著しく侵害するものです。よって、あなた方がどうしても強引に私のオリジナルCD以外の物を私から奪おうとなされるのであれば、私も黙って泣き寝入りなどはしません。司法の場でとことん戦う所存であることをここに表明いたします。
　幸いにも、私はこの一年裁判というものを初めて体験し、あなた方のやり方・ルールといったものを多少は学習する機会を得ました。それに、弁護士の方々とも知り合うことができました。いざこの訴えが法の場で争われるとなれば、私にもそれなりの分があるものと考えます。それでもあえて私に制裁を課したいとお考えならば、それ相応の覚悟をしておいてください。
　また、あなた方が今後の身の振り方を明らかにしないことで私に精神的不安を与えようという意図がおありでしたら、それには屈しないということもここではっきりと申し上げておきます。もしも、あなた方が私の不意を突いて住居に押し入り強制執行とかいう行為をなさるならば、室内から大麻取締法に抵触する物を見つけ出す可能性はないとは言えません。たとえそうであっても、私の中にはもうすっかりあなた方の法や罰を恐れる気持ちが消えてしまっています。あなた方がどのような法を使って私をどのように罰しようとも、その状況を神の導きとして楽しんでみようと思っています。
　あなた方は、大麻を麻薬だ、精神に障害を来すものだと迷信していらっしゃるようですが、それは大きな間違いです。今年６月の｢ナショナルジオグラフィック」には欧米の医療大麻の特集が掲載されていますが、その中には人間の脳内に大麻成分に反応する受容体があることが書かれています。あなた方の科学もようやくそれくらいのことは解明できるようになったようだと、非常に喜ばしく感じています。はるか縄文の時代から日本民族が大麻を神として崇め信仰してきたことは伊達や酔狂ではないのです。大麻は私たち人間一人ひとりが心に宿す神の食事です。豊かな食事に恵まれた神は強く清らかに成長し、不安や猜疑・憎しみのような矮小な心を寄せ付けません。また、大麻は麻薬ではないので薬効が切れた途端に気が狂うようなこともありません。大麻によって得た強い確信は時間の経過と共によって変容することはなく、一度目にした高みの景色を忘れません。それを私は留置所におけるハンガーストライキ２７日間で証明したかったのです。心の神を大きく育てた者をあなた方のルールで押さえつけようなどと思わないことです。あなた方がどれだけがんばっても結局無駄骨となるでしょう。そのような浅はかな思惑さえ、大きな神が守る心は超えてしまうのです。
　とどのつまり、大麻取締法は、あなた方のような勝手気ままのできない方々が、私たちのような自由に生きる者たちに妬ましさを感じ、懲らしめてやろうとする心が存続させている法律であり、ヒガミ根性から来る意地悪なのです。｢大麻体験の抜け駆けをさせてなるものか！」といったような嫉妬で成立している法なのです。この神の草を必要とし苦しみ悩んでいる人々がこの国には大勢います。あなた方のいじめを恐れ人々が大麻の必要を声に出せないからといって、それを｢公知の事実｣だと言い張るのは、心底陰険ですね。そんなに意地悪だから、あなた方は老け込むのが早いのです。そんな人々が運営する社会にいじめや自殺がなくならないのは当たり前です。いじめは心の病気です。大麻を吸えば治ります。私は一刻も早く、この社会に蔓延する病気を治したいと思います。邪魔をしないでください。
　そしてもういいい加減、あなた方も素直になりなさい。このばかばかしい社会にいつまで付き合うつもりですか。経済成長だとか三本の矢だとか最近はさっぱり騒がなくなりましたが、それが無茶なハッタリでしかないことは冷静な目で見れば誰でもわかっていたはずです。一票の格差？くだらねえ。震災復興？福島原発のコントロール？本当にあなた方は嘘つきですね。正直になりなさい。気が楽になりますよ。あなた方は自然を切り刻みコンクリートの街を広げて、それが文明だ、進歩だとはしゃいでいますが、水も空気もどんどん毒が混じり、自分の首を自分で絞めていることに全く自覚がないようです。というか、本心ではわかっていても目を背けていたいのです。私にはこの社会の５０年後が大体予想できます。老朽化し修繕もままならなくなったマンションは配管から悪臭が漂い、住居者は一人また一人と逃げ出し、都市の廃墟化が進行してゆくでしょう。ダムや堤防は決壊し原発は廃炉できず置きっぱなし。未来に生まれた子供たちは私たちの世代をひどく恨むでしょう。そして人類史上最も愚かな時代だったと誰もが言うでしょう。それが今あなた方がやっていることなのです。
　もうこれ以上、この愚かな社会に加担することはやめなさい。すぐさまやめる勇気がないのなら、私のやることに手を出さず黙って見守っていなさい。狂った心から目覚めれば、あなた方だってこの星の一員であり心に神を宿す者です。だから本心ではわかっているはずです。この社会に未来はなく、私の言ってることこそが正しいということを。だから早く目を覚ましなさい。大麻を吸いなさい。もういい加減経済競争とかいう他所の国とのつまらない小競り合いに地道をあげてなどいないで、この星全体に思いを広げ、自然と和解した調和と喜びの時代を歩き始めなさい。
　今年の４月、私が作成配布したチラシで安部首相と習主席の心の通わぬ握手を批判したことがありましたが、そのあとすぐに握手のやり直しをしたことはとてもよいことだったと思います。あなた方はやればできるのです。本当は今すぐにでも世界中の戦争をなくすことができるし、飢餓難民を一人残らず救うことだってできるのです。無理だ、それをやるのは大変だというポーズを続けるのはもうやめなさい。端から見ててもういい加減うんざりです。あなた方の人生は一から十まで猿芝居。総理大臣も大統領も法王もハリウッドスターもみんな猿。人間らしく生きようよ。私を見なさい。毎日ウハウハです。
　私が満ち足りているのは、人が進化する生き物であることを知っているからです。誰でも毎日サッカーボールと遊んでいれば上達するし、ギターに触っていれば上手くなります。生まれたての赤ん坊だって寝たきり老人だってその点に関しては平等です。進化
は人間に備わる能力です。残念ながら、この現代社会においてこの能力を活用している人はごくわずかです。だから人々は日常的に不幸なのです。医者に言われるままウォーキングなんかしてるから幸せになれないのです。進化能力を活用しない者はバカです。バカは進化能力を利用してはるか遠くまで行ってしまった私をまともに見ようとしません。私のような者を素直に感嘆することはカッコ悪いと学校やテレビで刷り込まれてしまったからです。でもそんな足踏みももう長くはないでしょう。私をうらやむ心に素直に従い、私を見習って自分も輝きの道を歩き始める、そんな目覚めた人々がどんどん増えていくことでしょう。この流れはなお一層加速します。あなたも乗り遅れないように。
　私のCDに話を戻しましょう。私は責任を持ってこのCDが額面２８００円どおりの価値を持つようにすることを誓います。私自身がなお一層切磋琢磨し、私のCDなら買ってみたいと思う人を増やせばいいだけの話です。この先十年かかろうとも二十年かかろうとも、私は必ずそのような人物になってみせます。心に宿る神の導くままに生きればそれは必然なのです。ですから、私のCDなど価値もない聴く気にもならないなどといったみえみえのポーズをいい加減やめて、私の提案に素直に従いなさい。あなた方も無意味な仕事を増やさずに済むのですから、本当はそのほうがいいことは十分承知しているはずです。私はあなた方といがみ合いを続けたいとは思っていません。一刻も早く一緒に力を合わせ地球再生の仕事をしたいのです。私にはワクワクするような人類の未来が見えています。本心に立ち返れば、あなた方だってわかっているはずです。だからさあ和解しましょう。

一応書き加えておきますが、この手紙は返品不要です。読む気などない！などといったポーズをしたって、ネットにも立ち上げちゃうわけですので無駄です。素直になろうね。

それではさようなら。　　名もなき詩人ことセキチヒロ