海と芸術の街ハウステンボスコミュのタマリンド航海記（HTB→大分佐伯）

９月２８日から友人のヨットを廻航する事になりました。

２８日早朝ハウステンボスマリーナ出港。
目的地は伊豆半島真鶴。
針尾瀬戸から佐世保湾、九十九島を右に見て平戸瀬戸から玄界灘、
関門海峡から瀬戸内海、紀伊半島を回り込んで伊勢湾、
駿河湾から西伊豆、そして下田から熱海、真鶴を目指します。

船長はオーナー。クルーは私を含め彼の友人３名で合計４名。

デイリースケジュールは日の出前後出港で１６時には寄港。
一日約１０時間航海で航程５０ｎｍ～６０ｎｍ。
船内泊、夕食と風呂は陸で、朝食、昼食は船内の予定。

私は９月２７日ハウステンボスマリーナ到着。
全員廻航は始めて。
どんな航海になることやら？

ＬＡＮが使えない場所では書き貯めて、
ＬＡＮが使えるマリーナで一気にＭＩＸＩに掲載という方法で
航海記をアップして行こうと思っています。
よろしくお願いします。

のはずが

天気が悪く思うように航海できず、台風１８号も来て、
結局私は大分県の佐伯にある風無漁港までしか、
おつきあいが出来ませんでした。
今日は１０月１２日、ヨットはすでに佐伯を出発し、
伊豆半島真鶴に向かって航海を続けているはずです。

コメント(13)

最初
全て
最新の40件

[1] mixiユーザー 09月26日 00:33

タマリンドさん、お久しぶりです

今年もハウステンボスカップ出場しました

後ろからのほうが早いゴールでしたが、楽しかったですよ。

航海記楽しみにしています

お気をつけて！！

ぼんぼやーじ♪

[2] mixiユーザー 09月26日 23:21

ぐんちゃん　さん

最近暑さに弱くなって熱中症になるので、
ヨットは暑さがおさまってからにしています。

そんな訳でハウステンボスカップは残念ながら欠場

廻航、明後日早朝に出港予定です。
今からわくわくしています。

[3] mixiユーザー 09月28日 10:28

まぢ・・・・超暑かったですよ・・・・

スタート後・・・おなじみの無風状態で・・・・

もう出発されましたね！

[4] mixiユーザー 10月09日 01:07

はい出発しましたが、ランにうまく繋がらなくて、
１０月４日に大分の佐伯に入り、台風エヴァケーション。
船を置いて５日に全員で東京に帰りました。
家に着いたので、これから書き貯めた１０月４日までの航海記を、
仕事の合間を見ながら順次ＵＰして行きます。
私は仕事があるので、これ以降の廻航には参加できませんが、
他のクルーは９日に再び佐伯に行き、
真鶴までの航海を続けます。

[5] mixiユーザー 10月11日 07:03

９月２８日　その１　　ＨＴＢ→佐賀県北松浦の呼子漁港

天気情報によると今日は寒冷前線と温暖前線を伴った低気圧が韓国東南部にあり
全般的に雨、低気圧と関連前線に南から強い南風が吹き込みあまり良い天気ではない。
久しぶりの船中泊の為昨日から寝られなかった。
結局４時半に起き上がり洗顔の準備をする。
まだ４時半で船内は暗く他のメンバーを起こさないように注意するが
どうしても音が出てしまう。
洗顔と着替えの準備を整えてマリーナのシャワールームとトイレに向かう。
シャワールームで洗顔と着替えを終え戻る頃には明るくなってきた。
船に戻るともう出港とのこと。
６時３分ハウステンボス出港。
やっとの事でほぼ予定通りの出港にこぎつけた。
出港してから朝食用に買っておいた菓子パンをほおばる。
針尾瀬戸６時３０分通過。追い潮のはずが結構向かいの部分もある。
無事針尾瀬戸を抜け佐世保湾に入る。
佐世保湾を抜けるまでは雨が降ったりやんだりだったが風は弱く波も無く海は平穏。
８時に佐世保湾から外海に出る。
雲は低いが肥前大島、黒島、牛ヶ首崎、等がはっきり見え一安心。
外海に抜けると南の強風に土砂降りの雨を予想をしていたが、
風はそれほど強くない。うねりはあるがたいしたことはない。
予想していた気象状況よりかなり良いので一安心。
ところが黒島と牛ヶ首崎の間に向け針路を取って向かっている間に
後ろを見ると全天真っ白になっていて、
今出てきたばかりの佐世保湾の出口も、良く見えていた肥前大島もまったく見えない。
霧ではない。雨域が広がって一面に真っ白になっている感じ。
後ろ全体を覆うその雨域があれよあれよという間にどんどんこちらに近づいてくる。
今のところ黒島も牛ヶ首崎もよく見えているがそのうちすべてが見えなくなるだろう。
３６０°すべてが真っ白になってからでは遅い、
針路の角度（ヘディング）をしっかり覚える（３１０°だ）この角度を守っていれば
少なくとも黒島と牛ヶ首崎の間の海面を抜ける事が出来る。
キャビンでGPSのマップで航跡の確認をしていたオーナーのWSさんに状況を報告。
そのうちすべての視界が失われる事を報告しGPSの作動の確認を依頼。
何も見えなくなったらこれだけが頼りだ。
レーダーが無いので、遠くが見えている間に他の船など障害物の状況を脳裏にたたきつける。
頭の中に、推測でバーチャル世界を創る為に必要な周辺イメージのインプットだ。
そうこうしているうちに雨が強くなり、案の定すべての視界が失われる。
３６０°すべてが真っ白、バケツをひっくり返したような雨。
何も見えなくて自分のバーチャルイメージだけに頼る推測航法で不安だが、
霧ではなく雨による視程障害なので短時間で回復の可能性が大きい。
視程が回復するまでGPSを確認しながらの推測航法ですすむ事ができるが、
先ほどまで見えていた数隻の大型船との間隔はイメージで推測するしかない。
そうこうするうちに予想通り牛ヶ首崎が見えてきたのでホットする。
雨も小やみになり牛ヶ首崎のあたりではほとんど止んで視程もかなり良くなった。
牛ヶ首崎のアビームを８時半に通過。
ここから針路を０２０度に変え平戸瀬戸に向かう。
視程が回復し北松浦の風速発電の風車や平戸大橋の赤い橋脚が見える。
風は後ろからで機帆走なので船速が７ノットも出ている。
後ろからのうねりはあるが快適な走りだ。
平戸瀬戸にかかる頃には晴れ間も見え天候は回復するかに思えた。

[6] mixiユーザー 10月11日 07:08

９月２８日　その２　　平戸大橋→呼子漁港

１０時３０分に平戸大橋の下をくぐる頃には日がさしてまぶしくなり、
暑いので皆ヨットウエアーを脱ぎ、サングラスを用意し、ルンルン気分。
１１時に平戸瀬戸を抜け進路を０５６度にとり一路呼子漁港の入り口に向ける。

ところが平戸瀬戸を抜けてから１時間ほどするとポツンポツンと雨が落ちてきた。
あれっと思って、ヨットウエア－に着替えた頃ざーっと雨が降り始める。
雨足はどんどん激しくなってバケツをひっくり返したような雨。
目標にしていた相島も何も見えなくなり周りの視界はゼロ。再び推測航法になってしまった。
GPSマップのありがたさが骨身にしみる。
風は今までのまま、後ろからの良い風でスピードは平均７ノットも出ている。
目標の相島が見えたり見えなかったりはあるが順調なクルージングだった。

ところが１３時半頃、呼子漁港への入り口のウエイポイントまで７マイルの地点で
左（西）に真っ黒な不気味な雲が広がり始め、遠く落雷の音が聞こえ始める。
何とも言えない不気味な雲。中心の部分に真っ黒いかたまりがあり、
天から手のひらが襲いかかって来るような指の形をした雲が襲いかかってくる。
雷鳴をとどろかせながらその雲の塊がみるみるうちに迫ってくる。
積乱雲の吹き出しの突風が吹けばヨットはたちどころにひっくり返ってしまう。

オーナーＷＳさんの鶴の一声、「メインを降ろすぞ～」
メインを降ろすには向かい風に立て無ければならない。
当然大急ぎでバウをその不気味な雲の方に向けメインセールを降ろす。
すでに突風が吹き始めている為メーンセールがなかなか降りない。
やっとの事でメーンセールを下ろし、すかさず右に反転エンジン全開で雲から逃げる。

しかし雲の速度の方がずっと早く、あっという間にバケツをひっくり返したような雨になる。
そのうち遠くに聞こえていた落雷の音がだんだん大きくなる。
車は金属のボディーがシールドになっているので、
たとえ雷が落ちても中にいる人に危害は無いが、ヨットは違う。
もし落ちればひとたまりもなく破壊されてしまう。
雷はどんどん近づきそのうち稲光が天を走るようになる。
バケツをひっくり返したような雨に頭の真上を竜がはしるような稲光が光ったと思うと
バリバリとはじけるような大音響。いつヨットにおちても不思議では無い。
落ちないのはただただ運が良いだけ。もう生きた心地がしない。
ただただ神に祈りながら豪雨の中を進み、そして悪魔のような雲は去った。

まだまだ雨は降っているが落雷の音がだんだん遠ざかって行く。
運がよかった。本当に運がよかった。神に感謝感謝。
そしてそれから２０分で呼子の港へのターニングポイントに到達した。
すでに視程も回復しているので島と島の間もなんなくぬけて右転舵。
正面に呼子大橋が見える。
あの橋を抜ければ泊地だ。

島屋釣具店の前の防波堤になんとか横着けし釣り具店でここに止めて良いか尋ねる。
漁協で聞いてくれという事なので漁協に電話。
そのまま今の位置で停泊オッケーという事で安心しているとまた漁協から電話。
その場所が県の管轄だという事で県の担当者から連絡があるとの事。
その後県の担当者から連絡があり、
悪天回避という事で県の方からも許可を得られたので安心した。
最初に付けた場所にそのまま停泊できる事になったので、
しっかりもやいをとり船内の片付けや整理。

その間にオーナーのWSさんが居なくなる。
水場やトイレ燃料の手当の為近辺の状況を見て回り、
すべてを見つけ出し、その上呼子名物活イカを買った上自転車まで借りてきた。
近くのスーパーで明日の身なの朝食と昼食を確保するためだ。
オーナーの活動力には頭が下がる。

その後すぐ近くにあった金丸旅館で風呂と食事が出来るかどうか電話で尋ねるとOK
但しなるべく早く来てくれとの事。
６時１５分にそろって金丸旅館に行き、まず５階の展望風呂に入り汗を流す。
クルージング後の風呂は最高の疲れ休め。
７時頃には食べ始めてほしいとの事なので急いで風呂を出て一階のレストランで夕食。
呼子名物イカの活き作りと鯛茶漬けを二人前ずつ頼み皆で分ける。
ビールがうまい。これで疲れもなおり元気が出る。
その後９時過ぎにヨットに戻り就寝。

[7] mixiユーザー 10月11日 07:23

９月２９日　呼子漁港→福岡市民ヨットハーバー

島屋釣具店の前に無事停泊できたのは良いが
沖合を漁船が通る度にヨットが大きく揺れ目が覚める。
オーナーはキールが船底下の海底に着いているような音に不安で寝られない。
その音はたぶん別の原因で実害は無かったが、
マリーナのような浮き桟橋ではないので潮の満ち引きでのもやい調整が気になる。
そんなわけで５時起床６時出港の予定が全員寝坊してしまい６時１５分に飛び起きる。
トイレも水道も無いので顔も洗えない。
と思っているとWSさんがいつものようにどこからとも無く水場を探してくる。
ＷＳさんに教えてもらって誰もいない漁港の氷場で、
ほこりだらけで誰も使った事がないような汚い洗面水道に行き
顔を洗い歯磨きをしてすっきりする。６時５８分出港。
今日は雨は殆ど降っていないが曇りで風が強い。
風の方向が東北東で真っ正面からの風のためセールが使えず機走のみ。
普通機走だと５ノットは出るのだが前からのうねりの度に速度が落ちる。
呼子漁協から出た時は向かい風もそれほど強くはなく目的地北九州の芦屋漁港まで
届くはずだったのだが、
途中から向かい風がどんどん強くなりうねりも大きく、
うねりでバウが上がってたたきつけられる度に速度がガクンと落ちて
平均３．５ノットしか出ない。
このまま行けば芦屋到着は暗くなってしまう。
漁港は昼間でも難しいのに夜になってしまうと係留場所を見つけるのも困難
１０時を過ぎた段階で芦屋へ行くのはあきらめた。
途中の福岡のマリーナを探す。
最初海の駅西福岡マリーナにしようと思って電話をかけると誰もいない。
火曜日なのでマリーナは休みのところが多い事を思い出した。
そのすぐ隣にある福岡市民ヨットハーバーに電話をかけると繋がった。
快諾を得たので今日の目的地は福岡市民ヨットハーバーに決定。
１３時２０分に入港。
ここはすばらしいマリーナでヨットでクルージングする人への配慮が行き届いている。
やはりマリーナは居心地が良い。
さっそくマリーナ事務所で停泊料の支払いがてら情報の入手。
関門海峡の通過情報を聞く。ハーバーマスターが廻航の専門家を紹介してくれた。
ＭＺさんといい、請負でヨットの廻航もやっているそうだ。
関門海峡は難所なので専門家の情報はありがたい。
関門橋の下の潮が一番速い事。ここさえ過ぎてしまえばあとはたいしたことが無い事。
関門海峡を小型船で通過する場合、
往復とも関門航路の西側（九州側）を通る事になっていること。
航路の境は赤浮標でこの外側を通っていれば良いとの事。などの情報を聞く事が出来た。
その後ハーバーマスターに福岡までの交通案内を聞いた。
福岡の中心部天神や赤坂に出るには地下鉄があり、
地下鉄の最寄り駅、姪が浜駅までバスで行ける事を聞いた。
帰りは地下鉄で姪が浜、ここからマリノワシティ行きにのりマリノワシティ。
コインランドリーは手前の小戸で降りるとある事が分かった。
ヨットに戻りテーブルを出してビールにおつまみで小宴会になった。
その後皆でマリーナからタクシーで１０分ほどの所にあるスーパー銭湯「ふくの湯」に行く
ふくの湯でゆっくり休んだで英気を養った後、
歩いて５分ほどにあるチェーン店長浜ラーメン「一心亭」でラーメン餃子を食べ
タクシーでヨットに戻る。
その後ミクシー用日記を書き、久日ぶりのちゃんとしたトイレで用を済ませて就寝。
明日は８時間かけて関門海峡まで行きそのまま新門司マリーナまで４時間、
合計１２時間の強行軍の予定だったが、
北九州から瀬戸内海にかけて強風波浪注意報が出ているうえ、雷注意報も出ているので
悪天回避、福岡市民ヨットハーバーにもう一泊する事になった。

[8] mixiユーザー 10月11日 07:33

９月３０日　　悪天回避で福岡市内満喫

今日は悪天回避で福岡市民ヨットハーバーにもう一泊する事になった為、
朝８時までゆっくり出来た。
テーブルを出しWSさんが４人分のコーヒーをドリップしてくれた。
昨日買っておいた菓子パンとおにぎりで朝食。
朝からポツポツ降っていた雨が食事中に強くなり、
臨時に作っておいたオーニングからポタポタ雨漏り。
オーニングの下に傘を３つ入れてしのいだのだがあまり役に立たず、
背中がびっしょりぬれてしまった。９時半頃朝食を終わり船内の片付けをして、
１１時半にタクシーで福岡の有名な料亭「稚加栄」のランチを食べに出かける。
稚加栄は中央区大名にあり、ここのランチは豪華なのに安いのでいつも行列が出来る。
稚加栄での豪華な昼食に皆満足。
ここでWSさんが船内で無くしてどうしても見つからない眼鏡を急遽作りたいとの事で
よる９時にヨットに戻るという事で自由行動にする事になった。
そこでWSさん以外の私とNMさん、HJさんの３人は隣の稚加栄明太子の店でお土産を買い、
その後温泉に行ってゆっくりする事に決定。
１３時半頃、稚加栄から歩いて１０分ほどにある天然温泉「ゆの華」に着いた。
ゆの華は天然温泉でスーパー銭湯のようになっていて、
ジェットバスや電気風呂などいろいろな風呂が楽しめる。
さんざんいろいろな風呂を楽しんでお湯から出てみるとまだ１５時。
まだ時間があるしNMさんもHJさんも居ないので４０分の全身マッサージを頼んだ。
マッサージを終わって飲みものを飲んで新聞を読んでいるところにNMさんが来たので
マッサージを勧める。
１７時半に「ゆの華」を出て私は長靴を買いにダイエイショッパーズに、
NMさんとHJさんは明日の朝食のパンと飲み物それに昼食用のおにぎりを買って
稚加栄の近くにある「魚末」で夕食に決めた。
「魚末」は昔から有る居酒屋でNMさんのなじみの店。
何十年ぶりかで入ったのだそうだがNMさんの事を覚えてくれていた。
ここで９時近くまで飲んで食べてタクシーで市民ヨットハーバーに戻り就寝。

[9] mixiユーザー 10月11日 13:47

１０月１日　その１　福岡市民ヨットハーバー　→　新門司マリーナ

昨日暴風注意報の為に天候待ちをしただけあって、今日の天気は良好。
朝４時５５分に福岡市民ヨットハーバーを出港。
まだ夜が明けていないので周囲は真っ暗。
一昨日入港の際に避けた刺し網の青い旗の列が気になるが暗くて見えない。
少し進むと左のはるか先の海岸近くに１つの青いライト、
その手前すぐ近くに同じく青いライト、
その１００メートルほど手前にオレンジのライト。
そこから５００メートルほど手前に同じくオレンジのライト。
その１００メートルほど右に青いライト。そのずっと右に青いライトがあるが、
何処を通ったら安全なのかまったく見当がつかない。
すぐに減速し対策を練る。
私はオレンジとオレンジの間を通過すべきと主張したが、
オーナーのＷＳさんは左手前の青のライトとその手前のオレンジのライトの間の
狭い部分を通過する事に決定。
おそるおそる青ライトとオレンジライトの間を通過したが、
何事もなく通り過ぎる事が出来一安心だった。
その後、右に能古島の白鳥崎と左に毘沙門山の間を通過、
玄海島と志賀島の間、志賀島寄りの黄色浮標の少し左を通り、
博多湾を出る頃には周囲がうっすらと明るくなってきた。
夜間航行の間はＮＭさんのガーミンのハンディーＧＰＳにより深度を見ながら、
深度１０メートル以下の海域を避けて進んだので心強かった。
ＮＭさんは今回の廻航に備え、ハンディーＧＰＳ以外に
e-モバイル付きのＰＣを購入しＧＰＳとＰＥＫの海図情報を入れて来ていた。
そのおかげで海底の深度が心配な海域も、
視程がゼロになった時も安心して航行できた。
私は本来海図に線を引きコースを決め、
地形を見、コンパスと速度と時間で位置を推測しながら
時々ＧＰＳで緯度経度を確認して海図に作図しコンパスヘディングを修正するといった、
従来ながらの航海を信頼する主義で、
電子機器にはあまり信頼を置いていなかったのだが、
今回のようにまったく初めての海域を視程ゼロで進むような場合には
最新の電子機器がいかに重要か認識をあらたにした。

本来は９月２９日の段階で呼子漁港から芦屋漁港に進み、
３０日に芦屋漁港から関門海峡を越えて新門司マリーナに行く予定だったので、
福岡から新門司だと距離が６２マイルとなり一日の走行距離としては結構強行軍になる。
もし２９日のように風や波の影響で４ktしか出なければ１５時間の航海になってしまい、
しかも関門海峡の潮が逆潮に変わってしまって超える事は出来ない。
その場合には日にちはかかるが最初の寄港地芦屋漁港に入る事に決めていた。
博多湾を出ると結構良い風が吹いていて波も低く時々７kt平均６ktの速度。
海流もほとんど無く対地速度も同じ。
６ｋｔなら関門海峡の入り口に１２時、
最も潮の速い関門橋下には１４時に到着できる。
今日の関門海峡の潮止まりは１４時。このまま行ければ最高のタイミングだ。
関門海峡の潮は最大７ktはある。
もし逆潮になるとヨットではとうてい通過出来ない。本当に運が良かった。
志賀島が右後ろに見えるあたりになると、風も波も大きな変化はなく、
速度も平均６ｋｔと先行きに対する不安が無くなったので一安心。
今日の航路の最初の目標は相島。相島の左端を目標に進む。
そこでトローリングでもしようかという事になり、
オーナーのＷＳさんが飛行機も潜行板も付いていないタコベイトだけの仕掛けを流すと、
流したラインがピンと張った瞬間アタリがあった。
ＷＳさんの「かかった－」という声に皆びっくり！！
慎重にあげてみると、なんと大きなおいしそうなサワラ！！
ＨＪさんにティラーをあずけ、
サワラ受け取りすぐに安全ベルトを着けて船尾に下り血抜きを行う。
ＨＪさんは料理店チェーンのお嬢さん。
何も分からない私に血抜きの方法を教えてくれる。
その間にＷＳさんがもう一度仕掛けを流すと、またアタリ！！
「えー、処理が間に合わないよ～」と言っている間にＷＳさんが釣り上げる。
今度は小型のワラサ。これもすぐに血抜き処理をする。
その間にまたアタリ！！３匹目も同じ程度の大きさのワラサ。
今夜の夕食はサワラの塩焼きとワラサの刺身に決定。新門司マリーナでの夕食が楽しみ。
その後もトローリングは続けたがピタッと釣れなくなった。
先がながいので、交代で操船するために、
ＮＭさんには志賀島を過ぎたあたりから休んでもらっている。
釣りの好きなＮＭさんに見せたかった。

[10] mixiユーザー 10月11日 13:48

１０月１日　その２　福岡市民ヨットハーバー　→　新門司マリーナ

風がそれほど強くないので今まで２ポンにしていたメインをフルセールにする。
平均７ｋｔが出てますます早くなる。
その後操船はほとんどＨＪさんが行っている。
このハードなクルージングに喜んで参加し疲れの色も見せないＨＪさん
女性とは思えない体力と気力に脱帽だ。
あっという間に相島を過ぎ、次の目標は大島。
左に大島、右に宗像市の勝島を見、正面に地島を見て通過、
その後大島の響崎と地島の間を通過して響灘を関門海峡に向かう。
このあたりからオーナーのＷＳさんがティラーを握る。
１２時に関門の入り口にある赤浮標４番、その後の緑浮標３番の右を通過する。
潮止まりの時間帯とあって前からも後ろからも５００トン以上の大型船がひっきりなしに通る。
ここから関門橋までがまた長い。
左に貝島、瀨﨑、右に北九州港を過ぎ、馬島、和合良島を正面に見て進む。
１４時に潮止まりのはずなのだがすでに追い潮が２ノットもある。
北九州港を過ぎたあたりで右正面の海の中に巨大なクレーンが３基も立っている。
海図に無いのでびっくり。海底のしゅんせつを行っているらしい。
周囲に警戒船が３隻いる。
左にクレーン郡を見ながら右の岸壁との間を通過して良いのか迷ったが、
ティラーを握っているオーナーＷＳさんの判断で、
深度も充分あるのでショートカットする事になった。
関門海峡に沿って右に曲がると正面に門司の山々が屏風のように立ちはだかり、
その麓に門司の町並みが見える。
その辺から関門航路の外端を示す赤浮標が並んでおりその外側、九州寄りを航行。
大型船は航路の中を進んでいるので特に脅威は感じない。
右手小倉駅の横を過ぎたところから関門海峡は大きく左に９０度曲がっている。
そのちょっと手前で赤浮標がグッと陸地に近くなり、
その赤浮標の右側を通ろうとすると深度が急に浅くなる。
４．５メートルまで浅くなり、皆の顔に緊張が走る。
どうやらそこが一番浅かったようですぐに１０メートル以上になり一安心。
ただ風が強く急な風の変化に備えなければならない。
風の変化がどうなるのかまったく見当が付かず不安。
ところが左に曲がっている間も風は常に正面から吹いている。
関門海峡は両側を高い山で囲まれているので風が海峡に沿って吹くらしく、
海峡に沿って進む船に対して風が常に真っ正面から吹いてくる。
ここで左に９０度旋回している間に正面に関門橋が見えてくる。
門司駅あたりの市街地を右に見る頃には追い潮が３ｋｔを超え対地速度は９ノットもある。
すごいスピードだ。左に下関の市街地、右に門司の市街地を見ながら進み、
１４時に関門橋の下を通過！！「やった～！！」
関門橋の下は岸壁まで関門航路になっており、緊張が走るが、
記念すべき関門橋通過に皆の表情がほころぶ。
大型船がひっきりなしに通り、後ろから突っかかって来るのでヒヤヒヤものだ。
その合間を縫って関門橋を後ろに一人一人記念撮影をした。

[11] mixiユーザー 10月11日 13:49

１０月１日　その３　福岡市民ヨットハーバー　→　新門司マリーナ

その後は門司田野浦の太刀浦埠頭ギリギリにコースを取り大谷山を右に見ながら、
部崎灯台を回り込んで針路を南に向ける。
南に向けると遠くに赤い橋のような大きな構造物が見えた。
そんな海の真ん中に橋があるわけもなく何かと思っているとその構造物は
新北九州空港のアプローチライトだった。
ムクラノ鼻を過ぎ次の名前の分からない鼻を２つ過ぎると、
真っ正面に新門司マリーナが見えて来た。
そのまま進もうとすると左前方にかなり広い定置網のようなものが見える。
びっくりして速度を落とし、近づいてよく見ると魚の養殖場だった。
その見た感じではその養殖場と右の陸地の間を通る事が出来る感じだったが、
念のため新門司マリーナに電話を入れて聞いてみると、
沖合に迂回し港湾案内にある新門司マリーナの進入路を来てほしいとの事。
仕方なく沖合に周り進入路に沿って陸地に直角に赤浮標と緑浮標に向かう。
両浮標の間を通過後左に９０度変針して１６時１０分、新門司マリーナに入港。
電話では、もし給油が必要なら最初に給油ピットに入ってほしいとの事だったので、
入港後右手岸壁の中程にある給油バースに入り給油。
その後３本あるバースの真ん中のバースのあいている浮き桟橋に係留。
疲れた～！！かなりハードな航海だったので皆くたくただ。
さっそく係留料を払いにマリーナクラブハウススに向かう。
担当の女性は非常に親切でいろいろ世話をしてくれなかなか良いマリーナなのだが、
運営の時間を聞いてびっくり！！
新門司マリーナは海の駅なのに、
職員が帰るときにクラブハウスの鍵を閉める事になっているという。
シャワーもトイレもクラブハウスの中にしか無いのに、
夜８時頃すべての職員が退社した時間から翌朝８時３０分頃に職員が出社するまでの間
シャワーもトイレも使えないという。クラブハウスの中以外には簡易トイレも無い。
とんでもない話で、海の駅の中でこんな所は初めてだ。
トイレが使えない以上、
マリーナの中でヨットのマリントイレを使えというのだろうか？
マリントイレは海に垂れ流し！！そんな汚い事はどうしても出来ない。
このマリーナの運営者は何を考えているのだろう。
ヨットやモータークルーザーで旅をするとはどういう事か？
何も知らない連中が運営しているからこんな事になるのだと思う。
立派な施設で職員も非常に親切なのに、
運営母体が利用者の立場になって考えていないのでこんな事になるのだと思う。
どうせ役人の天下りがトップにいるのだろう。
完全に民間に任せればこんな事は無いはずだ。
そういう訳で、早くシャワーを浴びないと職員が帰ってしまう。
シャワーを浴びる前に今日取れたサワラとワラサをさばかなければならない。
その上この新門司マリーナは陸の孤島。
マリーナだけが別天地で一度マリーナを出ると周りは倉庫や工場ばかり。
私は自転車を借りて往復３５分もかけて一番近いコンビニに、
全員の明日の朝食と昼食を買い出しに出かけ、
その間にＷＳさんとＮＭさんがサワラとワラサをさばく事になった。
女性のＨＪさんには早くシャワーをあびてもらって、
その後の料理のアドバイスを頼む。
買い物が終わって帰ると魚の処理も終わっていた。
職員が居るうち大急ぎでシャワーを浴び、ヨットに戻って夕食の準備。
サワラは焼き網が無いのでフライパンでムニエルにする事になり、
ＷＳさんが料理。
ＷＳさんはなんとＮＭさんが持ってきた最高のワインを料理酒に使おうと言う。
そうして出来たサワラのムニエルは最高の味だった。
さすが今日取れたばかりのサワラだこんなうまい魚は初めてだった。
ワラサの刺身も最高。ビールに最高のワイン。至福の時間だった。

[12] mixiユーザー 10月12日 11:04

１０月２日　その１　悪天で新門司マリーナ足止め

ヨットの中なので眠りが浅く、朝６時前に目が覚めてしまう。
外に出ると天気はポツポツ雨が落ちてくる程度。
マリーナ内は釣り禁止なのに東側の堤防に釣り人が３人。
マリーナ内に向かって釣り糸を垂れている。
クラブハウスが施錠されているので朝の用がたせない。
７時前から雨が本ぶりになりその後１時間の間に雨足は益々強くなる。
ＮＭさんのＥ－モバイル付きＰＣで天気図を見たところ、
低気圧が２つ並んで発達しており、北九州の真上にある。
雷の予報が北九州から瀬戸内の広範囲に出ている。
ハウステンボスから呼子への航程での、
あの雷の中の命カラガラの航海はもうご免だ。
オーナーＷＳさんの判断で、この時点で出港の見合わせが決まった。
もう８時を過ぎているが職員がまだ来ないのでクラブハウスが開かない。
８時過ぎにクラブハウスのマリーナ側にあるテラスまで行き、
テラスのテーブルに座って職員が来るのを待つ。
８時半に職員が来て鍵を開けてくれたので携帯でヨットにいる皆へ伝え、
さっそく洗面所に駆け込み歯磨き洗面とトイレ。
見た目は豪華なのに朝のトイレを我慢しなくてはならないような、
こんなひどいマリーナは始めてだ。
こんな事なら海の駅の名前は返上すべきと思う。駅でもなんでもない。
ポンツーン入り口には北九州市の港湾局が管理していると書いてあった。
官僚は使用する側の立場になって考えられないからこのような人権侵害が起こる。
職員は他のマリーナに比べても遜色なく親切なのに、
基本的なマリーナの構造がヨットマンのニーズにかなっていないのが残念だ。
マリーナを見渡せるクラブハウスのテラスで朝食が取りたいので、
職員の女性に聞くとレストランが使用している部分の手前ならＯＫとの事。
ＷＳさんがお湯を沸かして紅茶を入れてくれた。
そして昨日買っておいた菓子パンとおにぎりですがすがしい朝の宴となった。
テラスの日除けにあたる雨の音が激しくなり、
マリーナ浮き桟橋に降る雨を眺めながらの朝食もまた風情があって良かった。
今日は平日の上大雨なのでクラブハウスは閑散としている。
しかし、ここで結婚式を挙げる人だろうか、
時折係の人と式次第の打ち合わせをしながら歩いている。
門司に来たら「ふぐ」。今は季節ではないが食べられるかどうか聞くと、
養殖トラフグならいつでも食べられるとの事。
クラブハウスの職員の女性が、門司と下関のふぐ料理店、
それにスーパー銭湯の場所を親切に教えてくれた。
結局下関のマリン・ホテル・シモノセキにある「マリン温泉パーク」で温泉の後
カモンワーフに行き中に沢山あるふぐ料理屋のどれかに入る事に決定。

[13] mixiユーザー 10月12日 11:05

１０月２日　その２　悪天の為新門司マリーナで足止め

午後４時まで自由行動。といっても雨だしマリーナの外は倉庫と工場街だし、
結局ヨットの中で私物の整理や明日の航程の調査等をして、
４時半にタクシーを呼び下関に向かった。
ところがマリーナの女性の話ではタクシーで１０分から１５分くらいとの事だったのに
タクシーは高速道路に入っていつまでも走り続ける。
メーターはどんどん上がりどうなるのか心配になる。
運転手によると現在関門トンネルが工事で閉鎖されており、
高速を使った関門橋しか通れる道が無いとの事。
関門橋は高い所にかけられているので橋まで上るのにかなり遠回りになる。
それでも昨日通過した関門橋の上から関門海峡が眺められるので興味深々だった。
橋を下りてから関門海峡に向かって戻り、海に突き当たったところを左折。
左折してからが又遠く、
結局「マリン温泉パーク」までのタクシー代は５７００円。
ちょっとそこまで行く感じの話にすっかりだまされてしまった。
その上カモンワーフは海に突き当たってから右。
マリン温泉パークの反対側にある。
最初のタクシー代にびっくりしてしまっているので、
全員が温泉の後にカモンワーフに行く気力が無くなり、
温泉施設で食事をしようという事になった。
ＨＪさんとは風呂から上がる時間を決めて２階の座敷で落ち合う事にし、
マリン温泉パーク２階の座敷で食事をする事にした。
マリン温泉パークの湯船からは関門海峡を行き交う大型船がすぐ目の前に見える。
緑と赤の様々な浮標の光と灯台の光、それに行き交う大型船の光。
温泉から眺める夜の関門海峡の眺めはまるで光の劇場のようで、
タクシー代の事などすっかり忘れてしまうような光景に見とれてしまった。
２階の大広間の食事は食券制でビールからおつまみまですべて食券。
さっそく生ビールとふぐの唐揚げやタコの唐揚げなどを購入。
安いのにここのふぐの唐揚げがやけにおいしい。
わざわざカモンワーフまで行かなくても結構美味に満足した。
夕食の後、マリン温泉パークの隣にあるイオンのモールで、
雨よけ防水シートや明日の朝食と昼食、その他足りなかった物を購入し、
タクシーを呼ぶ。
帰りのタクシー代にまたびっくり。
門司のタクシー運転手は下関を知らず、下関の運転手は門司を知らない。
普段関門橋を越えてタクシーを使う人など居ないのだろう。
結局帰りは遠回りになり、なんとタクシー代が７５００円。もうビックリだ。
ヨットに戻ると明日の準備と打ち合わせをして就寝。
明日は航程を短くして姫島漁港に向かう事に決まった。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ