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開かれた翻訳村コミュの安すぎる単価の仕事は断りましょう

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先日、イベント告知を出したJTF翻訳祭における講演で、私は以下のような話をしました。

=====

単価の下限は翻訳者の手元に入る金額で8円/ワード(英日翻訳)がいいところ。それを下回る単価では、駆け出しクラスの翻訳者がどうがんばっても生活保護並みの収入も得られない。翻訳者にとってワーキングプアーまっしぐらの単価であり、食べるためには長時間労働で量をこなすしかない。これでは、きちんと考えて翻訳するということをくり返して実力を高めてゆくのが不可能なのはもちろん、すでにある程度の力を持っている人でも手が荒れてまともに翻訳ができなくなる。

翻訳会社としては、10年たったら翻訳者が全員入れ替わっていてもかまわない。次の翻訳者が登場するかぎり、今の翻訳者を使い捨てても翻訳会社は存続する。でも、我々翻訳者は、翻訳者として10年、20年、30年、40年と続けてゆきたいと考えている。翻訳者として存続できない安すぎる単価の仕事は断ろう。

=====

翻訳者募集に応募するときは、その翻訳会社のウェブサイトでソースクライアント向けの売り価格を確認しましょう。我々に払われるのは、せいぜいその5割、半額です。英日翻訳で16円/ワードを切っているなどのところは避けるのが得策です。1〜2年でつぶれてもいいから、一時期、プロ翻訳者という肩書きが欲しいというのであれば止めはしませんが……

コメント(20)

そのあたりはくり返し情報発信するしか方法がありませんね。

業界に与える影響という意味では、「勉強のため、タダでも良いので翻訳させてください!」という話、私はあんまり気にしていません。そのレベルでまともな仕事はできないので。値段に引かれてそちらに移るクライアントもいるでしょうけど、痛い目にあって戻ってきますよ。まともな仕事ができる翻訳者はきっちり仕事をしていれば大丈夫です。

むしろ、そういうふうにこの業界にはいってきてしまう人はかわいそうだなと思います。力を伸ばすこともできず、疲弊して使い捨てられる道ですから。そう思うから、正直なところ同じ話を何度も書くのに飽きたにもかかわらず、折に触れ、こういう話を出すわけです。
そうだ。翻訳祭については、私の独断と偏見によるレポートがあります(↓)。

http://buckeye.way-nifty.com/translator/2009/11/jtf2009-9773.html

興味のある方はどうぞ。
ちょうど今さっき、初めての会社からの泣きそうなくらい安いオファーをお断りしたところです。

あまりにも安い仕事を受けると、やりながら情けない気持ちになるので...。
でも、「このご時勢だし...」っていうのも頭の隅にあったりしてふらふら

自営業だから組合があるわけでもないし、何とかならないもんですかね泣き顔
snowberryさん、

私はいいんだと思います。

語学力がある人は増えてます。じゃ、そういう人がきちんと翻訳ができるのかと言えば、必ずしもそうじゃありません。はっきり言えば、できない人が多い。できない人から見ればできているように見えるかもしれないけど、まともなプロから見たら穴だらけ。そんなものですよ。

ウチの長男、今、期末試験中なんですが、美術では「缶のデッサン」が出るのだそうです。我が家は私も嫁さんも美術はからきしなので、嫁さんが缶デッサンの基礎みたいなページをウェブで探しました。そんな中で見つけた一つが(↓)

http://www.toyobi.com/scripts/cc1page/p2415.html

質問者のデッサンも、描けない私なんかから見たら「上手じゃん」と思うものなんですが、それに対する第一声が「いろいろあるので書き切れません」……でも、プロから見たらそんなものでしょう。

ちなみに、(↓)なんかが円柱デッサンの基礎となるらしいです。

http://www.izu.co.jp/~atorie33/dessan/mokuji.htm

こんなの基礎の基礎であって、プロレベルなら、もっといろいろたくさんのことを注意しながら描くはずです。

翻訳学校で教えていてじりじりするのが、「間違っていない訳から先がおもしろいのに……」です。私としてはその先を教えたいのに、「どうしたら間違っていない訳になるか」あたりで時間が終わってしまう。いや、時間の問題じゃないですね。あちこち間違った訳をしているレベルでその先を聞いてもホントには理解できないし、勝手訳に落ち込んでゆくのが関の山ですから。

だから、語学力がある「だけ」の人が低単価でががーっとやっている話に脅威をおぼえる必要はないと思います。逆に、そこに脅威をおぼえるレベルの人は、もっと力をつけなきゃ、早晩、行き詰まります。

先の投稿で「かわいそうだ」と書きましたが、それについて補足します。

語学力については問題のない人たちの中には、翻訳とはどういうものなのかを知って2〜3年、じっくり取り組めば、後々エースクラスに成長できる人がたくさんいるはずなんです。それが低単価の荒い仕事からはいってしまえば、大半の人が2〜3年でつぶれるでしょう。本人はかわいそうだし、業界にとってはもったいないことだと思います。

ヒロパパさんも書かれていますが、今、翻訳は「その程度のもの」という見方をされてます。ちょっと語学ができれば誰でもできるカンタンな仕事だと。そうじゃない、「正当に評価されるべき」だと私も思います。で、そのためには、「払っただけのお金に見合うものを出してくれた」と思ってもらう必要があります。ひるがえって我々翻訳者の現状を見れば、無償のボランティアで訳したもののほうがいいなんて翻訳、残念ながら、掃いて捨てるほどあります。これじゃ、自分にもできるって思われますよ。「これはいい」と思う翻訳ができる人をもっと増やさなきゃいけないのに……そうなってくれる可能性のある人たちを使いつぶしてどうするんでしょうね。
きのこさん、

そうですねぇ、組合なんてないし、作っても実効はないでしょう、残念ながら。

まともな翻訳ができる人、一人ひとりが断るしか、流れを変える方法はないと思います。選挙なんかでよく言われることと同じです。自分一人があがいてもとみんなが思っていれば何も変わらない。変えたければあがくしか道はないんです。
とらねこさん、

どうも〜。

二極分化は今にはじまったことじゃないと思いますよ。ちなみに、8年前、2001年のJTF翻訳祭でしゃべった内容が(↓)。

勝ち残る翻訳者−高低二極分化する翻訳マーケットの中で
http://buckeye.way-nifty.com/translator/2005/10/post_2fde.html

  この少しあと、理事にって言われたような……
  この講演で目を付けられた?(^^;)

「経験の浅い人に仕事を回してあげているんだから、それだけでも有り難いと思うべきだ」っていうのも一理あると私は思います。ただし、「それなりの単価であること」という条件付き。

今回の翻訳祭でも話しましたが、駆け出しが力をつける努力をしつつギリギリ食えるか食えないかが英日でワード8円だと思うんです。で、そのレベルから出てくる翻訳がワード8円に見合うものかと聞かれれば、かなりの割合がそれじゃ高すぎるレベル。でも、それは仕方ないじゃないですか。それを品質にみあった単価にするって引き下げちゃったら、10年後、20年後にまともな翻訳者、いなくなっちゃいますよ。次代が育たないんだもん。
興味深く拝読しました。

翻訳自体の価値が下がっているのは社内に英語がある程度使える人間が増えたことや、低価格でサービスを提供してしまうAクラスの翻訳者がいることなど、様々な要因が考えられます。また、お客がびっくりしてしまうくらい低レベルな翻訳があるのもまた事実です。家内事業はデフレ・プレッシャーを受け易く、翻訳も例外ではありません。

毎度、頭の痛い問題ですね。がく〜(落胆した顔)
他のコミュのトピで、仕事請けます、みたいなのがありますよね。
あそこで自分の宣伝をしている翻訳者、とっても低い単価を掲示しているときは
やめてくれ〜〜とメッセージを送りたくなります(実際にやったことはないですが)
提示されて断りきれない、ならまだしも、自分から単価を下げないで、って。
そういう人が業界全体を落とすというのに、、、
でも、それってその人が日ごろ請けている単価なのでしょうか?

最近、まともな単価の仕事は確かに減っていますが(それでも、このごろやや戻している感じはします)
とっても低い単価を提示してくる会社(日ごろお付き合いがないのに突然現れるようなところです)は、
なんというか対応もあまりよくないですね。翻訳者のことをとっても低く扱っています。こちらから願い下げ、とタカピーなことは言ってられないのかもしれませんが、今のところはそのスタンスで頑張ってます(笑)
タカビーなこと、言っていいんじゃないですか? 少なくとも、そういう価格の仕事をしなくてもなんとか食べていられるうちは。食べられなくなったときは、タカビーなことを言わずに超低単価の仕事をするのか廃業するのか、選択しなきゃなりませんけど。私は今でも、「安い人を探しているのならほかをあたってください」とはっきり言っちゃいます。

まあ、いろいろと難しいのは確かです。

我々の世界、相場なんてあってないようなものだし、自分の力を相対化して把握することは難しいし、第一、実力評価だって人によってまちまちだし。難しいのは難しいですね、いろいろと。多くの人が認めるならそれなりのはずだし、誰からも認められないならそれはまたそれでその程度なのだと思うべきとは言えますけど。

業界レベルで考えるといろいろと頭の痛い問題があるのですが、個人レベルでは、とりあえず、しっかりとした仕事をしていればいいんじゃないかと思います。逆にそこを外したら、もう、寄って立つところ、なくなっちゃいますからね。
manamiさん、

無料の依頼などは分量も少ないですしね。私も、「答えたい人がいたら答えてもいいし、皆が無視すればそれもよし」なのだと思います。

>> 何かするなら善意(もしくは好奇心)でタダでやるか
>> 正当な報酬をもらってするべきで、
>> 中間の「安いレートで適当に」が一番タチが悪いですね。

私もそう思います。

プロだと言うならきちんと「正当な報酬」をもらうべきですよね。

一方、相手との関係と案件の性質を考え、ノーマルの料金とは無関係にやってあげるのもそれはそれ。その場合は、おっしゃるとおり、無償が一番ですね。無償でもやりたい、やってあげたいと思うなら、かつ、無償でできる分量だと思うなら、いくらでもやればいいんだと思います。このパターン、たまにですが私にもあります。

安いレートであっても、それが明確に「例外」であればアリだと思います。私がノーマルより大幅に安いレートでやるのは、(↓)の条件がすべて満足された場合です。

・いろいろと関係の深い相手である
・その相手が困った状況に陥った
・私の正規料金を払うのが困難な状態である
・あくまで単発
はなちゃんどの、

大学関係者が安く翻訳するというのは昔からありましたよ。

いずれにせよ、出てくる翻訳の質は意外なほど高くありません。横縦以上のことをしようとは考えない人たちなのですから。全体で処理できる量もそれほど多くはありません。我々プロにとってうれしい状況ではありませんが、危機的と言うほどの状況でもないと思います。

とは言え、内容的な理解は一般的な翻訳者を大きく超える力を持っているのが普通なわけで、大学工学部の助手さんなら一応は留学経験もあったりして英語力もそうそう見劣りすることはないでしょう。

そういう人たちと比べられたとき、少なくとも、同料金ならこちらを選んでもらえるケースがかなりあるところまで「翻訳の力」を磨くことが我々としては大事なんだと思います。

「英語が堪能」で「その分野の専門家」である「日本語ネイティブ」がアウトプットできるのは、ほとんどの場合、「内容的には間違っていないが英語の構造を引きずった読みにくい日本語」までです。私は、ここから先が「翻訳」だと思っています。言語構造の違いなどを翻訳の段階で吸収し、訳文側まで引きずらないようにするんです。プロならそこで勝負すべき、いや、そこで勝負できるのがプロだと。

この部分までできるようになるのは基本的にプロだけなんですが、世間は広く、いろいろな人がいるので怖いものがありますけどね(↓)。

「翻訳者でない人が気づいた翻訳のコツ」
http://buckeye.way-nifty.com/translator/2005/06/post_df87.html
こちらのトピ、大変参考になりますし、うなずきながら読みました。私自身まだ駆け出しではありますが、とんでもない依頼がくることがあります。確かに初めは『私のレベルではこんなものなのかな』なんて思ったりもして請けそうになったこともあります。(以前このコミュでご相談しました)

皆さんの意見におおかた大賛成なのですが、ちょっとだけ。

翻訳の『素人』に安く仕事を依頼する、または『素人』が安く仕事を請ける、ということは資本主義社会では許されちゃっていることですし、また理屈にかなっていることだと思います。悲しいかな。
まず、『素人』と『玄人』を瞬時に区別する資格や定義はこの職業には存在しません。そして区別をするには本当に実際の実力で判断するしかないわけですが、そもそも素人レベルの翻訳で充分な依頼内容を持ってる人たちは、コストはなるべく抑えたい。そしてそれを受ける素人が存在する限り需要と供給の関係がしっかり成り立っているわけで、大量生産の既製服が安く出回るのをオートクチュールの先生方が嘆いても庶民にはやはり安い既製服が必要ですものね…。

実際にはプロとしての(あるレベル以上の)仕事を「この人に頼みたい」と思っていただけるだけの実力をつけておくしかないのでしょうね。逆に言うと安く仕事を請ける『素人』を批判するのではなく、実力がある人が安く仕事を請けていることを危惧するべきなのだと思います。

また研究者が翻訳…の話ですが。
実は私も工学部建築出身です。プロの皆様はある程度ご存知でしょうけれど、私の学生時代の専門の翻訳は数人の研究者の専売特許化しています。恐らく関係者から関係者に仕事が回るんでしょうね。ちなみに私はその『輪』にコネもないのでその分野の翻訳には手を出せていません。その分野の私の言語(フランス語)の翻訳者数名の語学レベルは決して高くないし、翻訳も時にひどいです。が、伝統的にそうなっているのですよね…。どの分野でも専門書の翻訳版は読めないものがたくさんありますよね…。だから翻訳のレベル云々以前にそういった構造上の問題があると思います、この件については。

かけだしが偉そうにすみません…。ちょっとだけ思ったことを書いてみました…。
こちらのトピを興味深く拝見しました。 私は専門職ですが、据え置かれた「安い」単価に耐えられずに翻訳をやめました。こちらを読んで努力の甲斐なく自分が高級ブランドになりそこねただけだったとわかりました。

>「英語が堪能」で「その分野の専門家」である「日本語ネイティブ」がアウトプットできるのは、ほとんどの場合、「内容的には間違っていないが英語の構造を引きずった読みにくい日本語」までです。私は、ここから先が「翻訳」だと思っています。言語構造の違いなどを翻訳の段階で吸収し、訳文側まで引きずらないようにするんです。プロならそこで勝負すべき、いや、そこで勝負できるのがプロだと。

私もそう思っていたんです。ところが、そうではない考え方を翻訳者に求めてくる監修者もいますね。 たしかに、内容を理解できない人が「読みやすい日本語」にしてしまう過程で、重要な情報が抜け落ちることがあります。それさえも含めて、正確かつ完璧な日本語に置き換える作業というのは、テクニックさえ身につければ誰にでもできるというような仕事ではありません。 それを考慮すれば、英語の構造を引きずった読みにくい日本語のほうがまだまし(内容の精度の方がはるかに重要ですから)という考え方もわからなくもありません。

専門分野の論文や国際学会でのプレゼンの和文英訳は大変重要な仕事だと思いますが、英文和訳のほうは「自分で読めば?そのほうが勉強になるんだし」という気持ちが先にたち、お金をもらうことが後ろめたく、単価を気にしはじめた自分を恥ずかしいと思ったこともありました。
外国語としての英語力が一般に日本よりも高い台湾に来て、翻訳本ではなく英語の原書で勉強する学生と接するようになってから、本の内容理解が浅い学生が多いことを知り、母国語への翻訳の重要性を認識するようになりました。。完全な母国語に置き換わった情報になって初めて深い理解に到達できる、または、より速いスピードで情報をインプットしていける。 専門分野の英文和訳の意義はそこにあると思います。  本来は、科学の発展がかかっている重要な仕事だと思います。翻訳者の方々、ぜひがんばってください。

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