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2026年10月28日21:34

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越後奥三面 ―山に生かされた日々

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早稲田松竹蔦哲一朗監督特集。箒有寛民映研代表、蔦哲一朗監督トーク付き。蔦監督「黒の牛」「祖谷物語」上映に合わせ、世界観を共にするドキュメンタリー本作と「ゆきははなである 新野の雪まつり(野田真吉監督:1980)」を併映する企画。

「越後奥三面 ―山に生かされた日々 デジタルリマスター版」1984・民族文化映像研究所・16�弌�DCP)。監:姫田忠義。編:箒有寛。撮影・取材:小泉修吉、伊藤碩男、澤幡正範、中川邦彦、鈴木正義、西別府出、田口洋美、小原信之、山本則子、伊東琴、千葉寛、堀田泰寛、渕上拳。
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新潟県北部『奥三面ダム(コンクリートアーチ式:工期1971〜2001)』建設に伴い水没した旧三面集落と縄文奥三面遺跡群。本作は三面集落の生活を立ち退きまで追った『越後奥三面三部作』の第一作目(三作目は民映研名義ではなくNHK特集)。スタッフは民家一軒を借り四年間住民と暮らしつつ撮影。
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が、当初は『規定期間居住者と成って保証金獲得を狙った詐欺師集団ではないか?』と疑われたそうですが、作品はあくまで部落民とその生活や文化だけを追ってます。作中でもスタッフに対する部落民の姿勢は様々。またただ撮るだけの映像ではなく、80年代には既に廃れてしまった生活文化は原体験世代に
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再現して行ってもらっているのも特徴。その為、民映研作品の特徴の一つとして、撮影時点よりやや古い記録に見える点があります。本作でも50、60年代だろうという印象ですが、子供達はカラフルな現代型のジャージなどの服装で大人と外見が乖離しており違和感を感じたり。あくまで文化記録が目的なので
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そうした作風は間違ってはいません。むしろ『知っている、出来る人間が元気なうちに』という側面が重要と感じます。勿論”正しい人達”からは【ヤラセ】だと非難を受けます(自分が優越感を得る尊さに比べれば文化記録など何の価値も無いクズで歴史から抹消して構わないとの考えの人達による攻撃口実)。
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本作は姫田監督の没後10年、アテネ・フランセ文化センターの技術提供により編集を担当した箒有寛氏(当時23歳)自らの手によるデジタルリマスター版です。何より驚くのは元が16�个任△襪砲盍悗錣蕕唆辰�程鮮明な画像で、適切な保存さえすればフィルムの記録情報量は保たれる事が分かり、蔦監督など半ば涙目。
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また音声も16�个任麓紊ぅ汽Ε鵐疋肇薀奪�ではなく、6�仄Уぅ董璽廚�ら再生されていてコレまた鮮明な音で驚きます。勿論デジタル化の際に当事者である箒氏によるカラー、音声補正再生を並々成らぬ努力が為されてるのを感じます。因みに百本以上ある民映研フィルム作品でDCP化されているのは本作のみ。
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また民映研作品は市販ソフト化はされておらず、ほぼ全ての作品が上映用DVD化され上映会用にレンタルを行っています。これは現在の代表者である箒さんの方針で、その意図はよく分かります。また民映研作品=姫田忠義監督作品というスタンスから姫田氏死去以後は新作の制作は行っていません。
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私は本作は初見なのですが『腰が抜けるほど素晴らしい完成度』で驚きました。映画の神髄はドキュメンタリーに在りと改めて思い知らされます。本作の解説記録資料集も出版されたものの勿論絶版、古本屋で5万円が相場。上映後パンフレットは残り15冊でそれ以上の行列が出来ており買うのは断念。
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朝日連峰奥深い狭い河岸段丘で年間の半分が雪に覆われる気候とはいえ、縄文の遺跡が残り部落の最古の記録は慶長2年(1597)である事から古代より人が住むに適した豊かな土地だった事が分かります。狩猟や漁、山菜や木の実などの採集、焼き畑や水田を組み合わせた農業を車掛かりに行って行く生活は圧巻。
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民映研作品のもう一つの特徴は説明テロップが全く無い欧州ドキュメンタリーのスタイルでナレーションも最低限です。記録もフィクションもイチイチイチイチ説明字幕が入る邦画の特徴とは正反対。が、説明無しが故に観客は目に入るありのままの映像に集中、圧倒されるという劇的効果が余りに素晴らしいです。
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奥三面集落は別名『マタギの里』と呼ばれ、耕作期間が厳しい為に狩猟が重視されてます。兎狩りはともかく熊狩りはこれがまた標高の高い急斜面の山間部で行われる為、スタッフ同行は強行な反対意見があり尤もだと感じました。猟銃は主に『豊和工業フジ・スーパーオート』のようです。
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藁葺の日本家屋の修繕はおろか、吊り橋(里山のは索道に近い)や県道すら部落共同で整備維持されてます。『オソ』と呼ばれる大掛かりな吊天井式のクマの罠は撮影時点でトラバサミ等同様既に禁止とされてますが製作過程と作動の再現が観れます。キノコ中毒としては原木栽培『なめこ』植菌打ちに目が釘付け。
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正月の伝統集会行事で子供を含め煙草を回し呑みしてる様が興味深い。5月には『ゼンマイ戦争』と呼ばれる一家総出で山小屋に泊まり込み山菜採集が行われ子供は10日間学校休みとか私もかろうじて知ってる地方の生活です。『丸木舟』の製作は再現ですが、使い勝手の関係でFRP船と並列で既存の舟は現役です。
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本作はあくまで生活文化史記録で、立ち退き更地化、移住先で生活が成り立たないなどの社会面は後の2部3部で描かれます。里山は何百年かけて植生から調整されたもので住民の生活も歴史文化に支えられたものであり、都心に住む決定権を持つ人物や大都市に住む有権者達は『引っ越せば済む。簡単な話だ』
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『保証金出してるだろ』と上から目線で安易に主張します。矮小な世界観しかないのに権限は巨大な者達が優越感を得る為に強要するプロジェクト(推進理由は専門の役職が最もらしい理由を考え、有権者は大本営発表を疑わず鵜呑み)が日本各地で推進されてきました。
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トークゲスト、箒有寛さんは現在の民映研代表。本作の編集を入社直後23歳でイキナリ、しかもTVで部分的に使われて切られたフィルムを片付ける過程で自主的に行ったそうです。製作は4年ですが、最初の二年は撮影に入らず部落民との交流で信用を得るのに専念とか昭和の目的意識と熱意が凄い。
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蔦監督は何と15年前までは早稲田松竹で映写技師をしており、今回蔦哲一郎作品特集「黒の牛」「祖谷物語」で凱旋。次作が未定で、ドキュメンタリーでフィルム撮りの仕事がないか気にする様子が可笑しい。箒さんによると「文化庁も自治体も予算が無い。
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文化庁の記録予定には2000件も残っているものの現在実際に撮れるのは年間2本」だそう。私が当事者である徳島海陽町史『平教盛の子孫が魚梁瀬から移住』『海部城が長曾我部に攻められた際に財宝とお姫様を連れ勝浦へ脱出』『帰還し改名、蜂須賀様から開墾の褒賞に現在の土地を得る』も失われる案件です。
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