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2026年10月22日14:42

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バナナパラダイス(香蕉天堂 )

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 「村と爆弾」「無言の丘」で知られる台湾ニューシネマの名匠ワン・トン監督が、大陸から台湾へと渡った男の数奇な人生を通して戦後台湾史を描いたドラマ。1949年。寒く荒涼とした中国華北で暮らす青年メンシュアンは、幼なじみのダーションを頼って国共内戦中の国民党軍に潜り込み、バナナがたわわに実る南国台湾にやって来る。しかし2人はそこでスパイ容疑をかけられ、メンシュアンは命からがら部隊を逃げ出す。その途中、ある男の臨終に出くわしたメンシュアンは、その妻ユエシャンから彼女の夫になりすまして仕事に就くことを持ちかけられ……。後に「モンガに散る」など監督としても活躍するニウ・チェンザーが、身分を偽って他人の人生を必死に生きる主人公メンシュアンを好演。日本では、特集上映「台湾巨匠傑作選 2020」(2020年9月19日〜、新宿K’s cinemaほか)にて劇場初公開。(映画.comより)







<2025年11月16日 劇場鑑賞>

 ワン・トン監督作品は、少し前に「村と銃弾」を見ました。不発弾を運んで褒美をもらおうという、よく考えればバカバカしい話でしたが、日本語の飛び交うあの時代独特の台湾のバックグラウンドは、とても勉強になるものでした。今回は、戦後の貧しくて寒い華北地方から「バナナをおなか一杯食べれるところ」台湾を目指してやってきた若者の数奇な人生を描きます。当時は第二次世界大戦後、蒋介石率いる国民党と毛沢東率いる共産党が争い、いろんな事情が相まって国民党軍が台湾に逃れた時代。本土からやってきた国民党軍の青年たち(主人公のメンシュアンとその先輩ダーション)はしかし、スパイの嫌疑をかけられます。命からがら逃げだしたメンシュアンはまだしもよかったのですが、ダーションはこれが原因で精神を病んでしまいます。



 しかし、とにかく生きてゆかなければなりません。偶然出会った人々もみな、なんらかの切羽詰まった事情を抱えているのです。そんなこともあり、メンシュアンは他の誰かになりすますことに。そしてそのまま生きてゆくことになるのです。たくましいと言えばそうなのですが、誰しもあらゆる手段を使って生きてゆかねばならない時代だったのですね。でも、メンシュアンは最後までダーションを見捨てませんでした。奥さんと二人三脚で勉強して順応してゆくメンシュアンも、すごい。元々賢い人だったのでしょうね。





<ここからネタバレ>

 終盤では、実は身代わりを頼んだ妻もなりすましだったことが告げられます。そして、ラストでは、妻が連れていた息子(息子は父親が偽物だとは知らない)が社会人となり、なんと大陸で祖父を探し出し、父親に電話させるシーンがあります。もちろん、本当の息子ではないということになりますが、電話だけですし、本人も妻も動揺したものの黙って従います。しかし、そのシーンが涙ものなんです。大した会話はしないのに、本当に感動のシーンになっているのですね。人間の情って、それだけ普遍的なものだからなのかもしれません。



<ネタバレ終わり>



 台湾の歴史に興味があります。若い頃に「宋家の三姉妹」という映画を見て、とても感動したからです。当時はまだ末妹の宋美齢が存命でした。アメリカ在住ではありましたが。彼女が蒋介石の2番目の妻だったのですから、歴史で習った人なのに、ととても身近に感じたのを覚えています。

 この映画を見て、本当にいろんなことがあったのだなぁ、と改めて感慨深く思いました。戦後の混乱期には、日本でも同様のことがあったかもしれませんね。
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