「孤狼の血」で知られる作家・柚月裕子の同名小説を、坂口健太郎と渡辺謙の初共演で実写映画化したヒューマンミステリー。昭和から平成へと続く激動の時代を背景に、過酷な人生を生きる天才棋士の光と闇をドラマチックに描く。
山中で身元不明の白骨死体が発見される。現場には、この世に7組しか現存しない希少な将棋駒が残されていた。駒の持ち主は、将棋界に彗星のごとく現れ時代の寵児となった天才棋士・上条桂介であることが判明。さらに捜査を進めていくと、桂介の過去を知る重要人物として、賭け将棋で圧倒的な実力を誇った裏社会の男・東明重慶の存在が浮上する。やがて、謎に包まれていた桂介の生い立ちが明らかになる。
主人公の天才棋士・上条桂介を坂口、桂介に大きな影響を与えた賭け将棋の真剣師・東明重慶を渡辺が演じ、事件の真相を追う刑事役で佐々木蔵之介と高杉真宙、桂介の恩師役で小日向文世、桂介の父役で音尾琢真、東北一の真剣師役で柄本明が共演。さらに映画版オリジナルのキャラクターである桂介の元婚約者・宮田奈津子を土屋太鳳が演じた。「ユリゴコロ」「隣人X 疑惑の彼女」の熊澤尚人が監督・脚本を手がけた。(映画.comより)
<2025年11月9日 劇場鑑賞>
なんとも因果な話。辛すぎてメゲそうでした。主人公の坂口健太郎の子供時代、貧乏なのは仕方がないにしても、父親があまりに無責任で(母親は亡くなっている)、見ていてムッとしていたけれど、後半には彼にも事情があったことがわかり(坂口くんには辛すぎる事実だったけれど)、なんでそんなに、と思いました。周りの人もね。こんな因果な人生、本当にあるのでしょうか。
<ここからネタバレ>
坂口君は本当に優秀な子供だったけれど、父親は冷たかった。実は彼は母親とその兄との間の不義の子だった。娘が妊娠したことや相手が実の兄だったことを知った両親は堕胎を勧めましたが、母親(妹)は両親の会社の従業員である男を誘って駆け落ち。それが育ての父親。そして兄を本当に慕っていた妹は自殺。たった二人、残された父親がふてくされてしまったのは想像に難くありません。そもそも自分の子ではないし、少なくともよく勉強ができて器量もよかった妹に好意はあったにしても、自殺されたのですから。兄貴も悪い!本当に愛していたのかもしれないけれど、少なくとも避妊しろ!なにかと助けの手を伸ばさなかった両親もなぜなんでしょうか。バレるのが怖かった?
そしてそれを話すまでの父親が、優秀な坂口君に金をせびり続けるその姿。悲しいですね。
<ネタバレ終わり>
坂口君の人生が衝撃すぎて、渡辺謙の人生も壮絶だったはずなのに、ほとんど覚えてないけれど、でも二人とも壮絶すぎる、辛すぎる人生だったと記憶してます。結構こたえました。少年の才能を見抜き、優しく接して将棋を教える元校長先生の小日向文世が救いでした。その校長先生の、プロ棋士になるための奨励会への誘いを断って父親のもとにとどまった少年は、優しいと思いました。父親は確かに「お前も俺を見捨てるのか」と泣いていたけど、そんなの仕方ないでしょ、子供を虐待し続けていたのは父親だし、自分の将来の方が大事なのに。「私ならさっさと見捨てて出ていくけど」と思いました。普通はこんなに優しいものなのか。同じ年齢の時の私なら、ついて行ったんじゃないかな。あ、そんなだから誰も救ってくれなかったのか(笑)。
久しぶりに邦画を見たら、重かった。でもいい作品でした。
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