「Tメン」T-Men。1947・エドワードスモール/ブライアンフォイプロダクション・白黒35�弌�BD)。監:アンソニー・マン。原:ヴァージニア・ケロッグ。脚:ジョンCヒギンズ。撮:ジョン・アルトン。編:フレッド・アレン。音:ポール・ソーテル。解:リード・ハドリー。
出:デニス・オキーフ、メアリー・ミード、アルフレッド・ライダー、ウォーリー・フォード、ジューン・ロックハート、チャールズ・マックグロー、ジェーン・ランドルフ、アントン・コスタ、アート・スミス、ハーバート・ヘイズ、ジャック・オーバーマン、ジョン・ウェンググラフ。
ハリウッドのポリス・プロシージャルものの典型例として、捜査組織の本物の責任者が最初か終わりに登場、実際に起きた事件が元である事を語るスタイルです。戦前に始まり、TVシリーズの「アメリカ連邦警察FBI(1965〜)」へと続く定番パターンですね。本作は潜入捜査官でもあり、冒頭に登場するのは
アル・カポネの摘発で知られる米財務省エルマー・リンカーン・アイリー長官で、財務省はシークレットサービス、IRS情報部、米国税関、麻薬取締局、アルコール税課、沿岸警備隊が傘下で犯罪撲滅任務に当たる事を説明します(現在は各組織は再編され司法省等に移管)。日本との行政システムの大きな違いに注目。
そして本作は『上海紙事件』を基にしている事が語られます。典型的な国策映画ですが、潜入捜査官が如何に命がけの危険な任務に当たっているかが描かれ、ゲッベルス曰く「プロパガンダ映画は大衆の興味を引く為、先ず面白くなくてはならない」を実践してますね。ロケは旧ロサンゼルスプラザ周辺だそう。
「サイドストリート」SIDE STREET。1950・MGM・白黒35�弌�BD)。監:アンソニー・マン。脚:シドニー・ボーム。撮:ジョセフ・ルッテンバーグ。編:コンラッドAネルヴィグ。音:レニー・ヘイトン。出:ファーリー・グレンジャー、キャシー・オドネル、ジェームズ・クレイグ、ポール・ケリー、
ジーン・ヘイゲン、ポール・ハーヴェイ、チャールズ・マックグロー、エドモン・ライアン、ウィット・ビセル。解:ポール・ケリー。。フイルムノワールというよりポリス・プロシージャルのジャンルに成る作品ですが、善良な主人公が犯罪を犯してしまい終始パニック状態で知恵を絞るほど事態は悪くなる展開がポイント。
冒頭の空撮ではまだコンテナ化されてない貨物埠頭やリンカーントンネル南坑工事開口部らしきものが見え、NY市街ロケでは特にカーチェイスが見物。パトカーは『フォード・カスタム』のようです。全体に諭すような警察視点のナレーションで組織犯罪を憎み、誤って罪を犯す者に優しい構成が心地よい。
「怒りの河」Bend of the River。1951・ユニバーサル・総天然色35�弌�BD)。監:アンソニー・マン。原:ビル・ガリック『Bend of the Snake』。脚:ボーデン・チェイス。撮:アーヴィング・グラスバーグ。編:ラッセルFショーエンガース。音:ハンスJサルター。
出:ジェームズ・スチュワート、アーサー・ケネディ、ジュリア・アダムス、ロック・ハドソン、ロリ・ネルソン、ジェイCフリッペン、ハリー・モーガン、ローヤル・ダーノ、チャビー・ジョンソン、ステッピン・フェチット、ハワード・ペトリー、フランシス・ベイヴィア、ジャック・ランバート。
開拓者もの西部劇で、先住民の襲撃からギャンブル、ガンアクションなど盛り沢山ですが、何よりの見所はテクニカラーで映し出された見事な『フッド山』の遠景や山中ロケ。因みに山の名前は海軍史オタクなら知らない者は居ない英海軍サミュエル・フッド提督が由来。日系人は『オレゴン富士』と呼んでます。
船舶オタク的に鼻血が出そうなのが米河川名物の”スターンホイーラー”と呼ばれる外輪蒸気船。スクリュープロペラは理想条件では効率が良いものの、河川では浅水深に弱く、低回転では推進力が得られない等の弱点があり、船尾外輪だと幅の制約が無く破損の確率も低く低速でも確実に効き、
またエンジンを蒸気機関車の様に縦方向横置きに出来るのでスクリュー船に比べて絶対的出力を大きく取れ、細かい出力変更も容易なのでメリットの方が大きいのです。またジャック(船首旗)の星の数、つまり州の数が現代より少なくてデザインが違い、時代背景を理解するのに一役買ってます。
劇中の『リバークイーン号』は元々『ヘンダーソン号』の名で、時代背景に合わせた外見の改造が施されて使用されたそうです。またロケ地はオレゴン州のコロンビア川沿い、サンディ川、コロンビア川、ティンバーラインロッジとの事で、特にフッド山中のロケは重機で道を開削するところから
始めねば成らず、厳しい地形での転落防止や雪の冬ロケなど過酷を極めた話は想像に難くありません。その苦労の甲斐あって、先の予想が付かないお話の面白さは勿論、全編見所しかない展開によって本作を名作たらしめていると感じます。現在では米先住民表現問題があって二度と本作のような内容は撮れません。
ログインしてコメントを確認・投稿する