「天井」Strop。1961・捷斯FAMU卒業制作・白黒35mm英字幕付。監:ヴィエラ・ヒチロヴァー。脚:パヴェル・ユラーチェク。撮:ヤロミール・ソフル。編:アントニン・ゼレンカ。音:ヤン・クルサーク。出:マルタ・カノフスカー、フリアン・チティル、ヨーゼフ・アブハーム、ヘルガ・ツコヴァ、ルドミラ・ピホヴァ。
映像系卒業製作でよくあるシネマ・ヴェリテ技法で撮影された作品。その意味でチェコスロバキアの超先進国ぶりが演出の無いドキュメンタリー的な記録映像として見ても一級品です。全体的な印象は監督の代表作「ひなぎく」というより、同時期のメーサーロシュ・マールタ監督作に似てる感じ。
やはりチェコスロバキアとハンガリーの女性同士、基本で似た感性があるのかも知れません。主人公が学生兼売れっ子ファッションモデルの設定である為、商業撮影シーンで映ってるものが美味しい。空港ではスチュワーデス(現キャビンアテンダント)の服装で、背景にはインド航空の『ボーイング707』や
英国海外航空の『ハンドレページ・ハーミーズ』など西側の旅客機が登場。露天掘り炭鉱での巨大掘削機械『バケットホイールエクスカベーター』が登場。大学内やファッションショーの会場である劇場など、とにかく当時の日本と比較するとチェコスロバキアは既に【現代】に成っているのが分かります。
「袋いっぱいの蚤」Pytel blech。1963・クラトキーフィルムプラハ・白黒35mm英語字幕付。監:ヴィエラ・ヒチロヴァー。撮:ヤロミール・ソフル。編:アントニン・ゼレンカ。音:ヤン・クルサーク。出:ヘルガ・チョチュコバー。。「天井」の技法そのままで撮られた商業作品で「天井」と同時上映されました。
『プラハの春』まで5年、ナーホド繊維工場で働く少女たちを追った作風はやはりマールタ作品を連想します。演出の攻めはむしろ「天井」より大人しめで、チェコ・ヌーヴェルヴァーグの真価を発揮するのは「ひなぎく」からだと感じます。商業作品にも関わらず主人公(ナレーションは監督)以外の出演者名が分からず。
「ビューティフル・ガール」Gražuolė。1969・ソ連(リトアニア)・白黒35mmシネマスコープ露/リトアニア語。監:アルーナス・ジェブリューナス、レジーナ・ヴォシリューテ。脚:ユーリ・ヤコブレフ。撮:アルギマンタス・モッカス。編:リリヤ・ジヴィエネ。
音:ヴィャチェスラフ・ガネリン。出:インガ・ミッキーテ、リリヤ・ジャデイキテ、セルゲイ・マーティンソン、アルヴィダス・サムカ、タウラス・ラガレヴィチュス、アウクシェ・コクシュタイテ、ヴァイヴァ・ラガウスカイテ、ヴァイデヴティス・ミッキース、グラジナ・バイクシュティテ。
『金髪美幼女』ジャンルとしては頂点に立つ作品ではないでしょうか。「ロッタちゃん」シリーズ(1992〜93)が破壊力抜群の幼児を描いたのに対し、本作はタイトルのままにとにかく幼女の美しさに焦点を当ててます。バルト三国(ソ連領)ながら、まだ幼児の段階の生態は日本と変わらないのが興味深いです。
この思考、行動は長らく同じだったと思われます。が、この10年程で急激に変化してるのも先進国に共通する現象ではないでしょうか。乳児の段階から情報端末を与えられた人類が今10代で、まるで「地球幼年期の終わり」を連想させる行動をしています。人類にとってそれが吉なのか凶なのかはまだ答えが出てません。
主人公役は千人の候補から選ばれ、お母さん役とも本当の親子のように似ていてキャスティングの拘りが垣間見れます。川岸ロケはヴィリニュスのネリス川で橋も現存し、護岸も雑草に覆われてはいるものの劇中のままなのがストリートビューで確認出来ます。街中は日本では杉原千畝の逸話で知られるカウナスだそうです。
https://www.nfaj.go.jp/film-program/eufilmdays202605/
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