妻から「忌引き休暇って、どんな時に取れるん?」と聞かれた日のこと。
「基本は三親等までが対象やで」と説明した私に、
妻は首をかしげながら、こう返してきた。
「……で、その三頭身って誰なん?」
三頭身。
その瞬間、私の脳内スーパーコンピューターが火を噴いた。
三親等が、いつの間にかドラえもん体型の“謎の親戚キャラ”に変換されている。
葬儀の話をしているはずが、妻の頭の中では、頭が大きい三頭身の親戚が降臨していたらしい。
破壊力が強すぎて、私は一秒で崩壊した。
「……そりゃ人それぞれやから、俺にはわからんわ!!」
震える声で返すのが限界。
三頭身の親戚が脳内で再生され、腹筋がちぎれるかと思った。
涙が出るほど笑って、もはや誰の弔いなのか分からん状態だ。
妻は「あ、親等か!」と照れ笑いしているが、時すでに遅し。
私の腹筋は、ボディーソープで洗った髪みたいにキシキシに引きつっている。
これこそ、還暦を過ぎた私に妻が授けてくれた
“熟練の緩和ケア・テクニック”なのだろう。
さて、次は私が妻の脳をどう緩和ケアするか——ただいま思案中である。
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