朝、会社へ行くときのこと。
準備を終え、バタバタと玄関でスリッパを脱ぎ靴に履き替える。
私は、次に履く時までそのままにしておく「自然体な脱ぎっぱなし派」だ。
仕事を終え会社から帰ると、妻があわてたように玄関に来て即座に声を上げた。
「ちょっと、これ脱ぎっぱじゃなく、ちゃんと揃えてから行ってよ」
私の「脱ぎっぱなしの解放感」は、妻には「だらしない足跡」と認識されるようだ。
妻は「整頓された表向き派」。私は「効率重視の放置派」。
玄関に残された左右非対称なスリッパが、夜の空気の中に静かな冷気を生む。
「ちょっとぐらい揃ってなくてもええやん…」と心の中でつぶやく。
夫婦の平和のためには、足元の解放感より、常に「次に備える儀式」を優先するのが正解らしい。
「一作業一整理」などと得意げに語られる前に、明日からは従順に従っておく。
それが家庭の平和を守る「賢者の判断」というものだろう。
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