〜名湯とホスピタリティのあるスキーリゾート〜
今回紹介するのは岐阜県の「平湯温泉スキー場」。
飛騨エリアの最奥部、長野県との県境(安房トンネルのすぐ近く)に位置するスキー場で、ファミリーと温泉旅を楽しみたい人に最適なコンパクトゲレンデです。
GoogleMAP
その名の通り、奥飛騨温泉郷の中で最も歴史ある「平湯温泉」の温泉街に隣接する、コンパクトなスキー場です。
コースマップ
ペアリフトは2基設置されており、約500mのリフトでは初級コース、約1200mのリフトでは中級コースと上級コースにアクセスできるシンプルな造りでした。
徹底された「おもてなし」のファミリーコース
メインバーンとなるのは、平湯スキーセンター正面の「ファミリーゲレンデ」。
第1ペアリフト(502m)に併走するこのゲレンデはしっかりと圧雪されており、コース幅も広大。
斜度は一定で緩やか、教科書通りの緩斜面です。
初心者や小さな子供でも恐怖感なく滑走が楽しめる、非常に平和な空間。
両脇には新雪を楽しめる脇パウエリアもしっかり残されていますが、
特筆すべきはその管理。
リフト支柱だけではなく木にまで衝突防止のマットが取り付けられており、
コース脇の雪の処理も実に丁寧でした。
これは単なる安全対策というよりも、このスキー場のメインターゲットであるファミリー層や、温泉ついでに滑るゲストを歓迎しようという、温泉街特有の「おもてなしの心」がゲレンデ造りにも表れていると感じました。
しかも、この緩斜面からの眺望がすでに素晴らしい。
正面方向には平湯トンネルに続く山道と「輝山(てらしやま)」が見えます。
■
平和なゲレンデに潜む「2つの牙」
これだけで終わればただの景色が良いファミリー向けスキー場なのですが、このスキー場にはあと2つコースがあります。
そして、この2つが意外なほど手強いのです。
1. 山好きにはたまらない「湯の平コース」
第2ペアリフト(1178m)へ乗り継ぐと現れるのが、中級の湯の平コース。
基本は中斜面なのですが、途中からコース幅が林道のように狭くなります。
横に切る動き主体のボーダーには少々シビアなコース幅といえるでしょう。
しかし、このコースの真価はその眺望にあります。
コースマップを見てもらえば分かりますが、反時計回りに山をぐるっと回り込みながら下りてくる動線。
まずは北アルプスで今なお噴煙を上げ続ける代表的な活火山、「焼岳(やけだけ)」が見えます。
一見すると一部のコースがゲレンデのように木が伐採されているように見えますが、それは噴火により地形が変わってしまった為でしょう。
更に進むと先ほどの焼岳に加え、安房峠の南に聳える猫岳と対をなす大崩山(おおくずれやま)も真正面に迫ってきます。
活火山の荒々しさと、雪化粧した険しい山並み。
快晴時には山岳風景を愛でる山好きにはたまらないクルージングコースとなるでしょう。
2. まさかの絶壁「ジャイアントコース」
そして最後に待ち受けるのが、第2ペアリフト下を直下するジャイアントコース。
リフトの上から見下ろすだけで尻込みしたくなる、エキスパートコースというのも生易しい超上級コースです。
最大斜度は、なんと38度。
急斜面、非圧雪、狭い、そして北向きで日が暗くなりやすい。
難易度を跳ね上げる条件が全て揃った「絶壁」ですね。
大量降雪直後の朝一なら極上のパウダーバーンとなりますが、今回は残念ながら荒らされた後。
特にコース終盤はより狭く、より急斜面となります。
大寒波直後の分厚い雪のおかげで何とか滑り降りることは出来ましたが、普段のアイスバーン状態なら私は迷わずスルーするでしょう。
ファミリー向けリゾートの顔をして、これほどの牙を隠し持っている意外性。
警戒心を怠った多くの滑走者を見かえしてきたコースなのでしょう。
スキーセンター
ゲレンデボトムには平湯スキーセンターがあり
レンタルやスクールのサービスがあります。
1階が「あんき屋」というレストランとなっていて、食事の提供もありました。
特に名物飛騨牛を使った牛丼は人気の逸品で、メニューも充実しています。
厳しい冬を守り抜く名湯の底力
接待コースのファミリーゲレンデを主体としながらも、上級者や山岳愛好家をも唸らせる眺望と急斜面を持つこのスキー場。
しかし最大の魅力は、やはり「平湯温泉」というトータルなリゾート体験にあります。
私もここに実際宿泊しましたが、スノボで冷えきった体に平湯温泉の緑に濁ったお湯は沁みました。
平湯温泉は、古くは戦国時代に傷ついた兵士を癒やしたとも伝わる、奥飛騨で最も歴史ある名湯。
しかもここは冬になれば豪雪に閉ざされる厳しい山岳地帯です。
そんな環境下で長きにわたり湯を守り、宿を営み、そしてこのスキー場を維持し続けてきた地元の方々のバイタリティには頭が下がります。
だからこそここでの滞在はスキーだけでは完結しません。
手形を片手に湯巡りに繰り出し、飛騨牛などの郷土料理に舌鼓を打つ。
そんな贅沢な時間の過ごし方が、平湯温泉スキー場で過ごす大人の休日なのです。
近隣エリア情報
すぐ近く(車で約10分)には「飛騨ほおの木平スキー場」があります。
この2箇所の使い分けは明確です。
自分が楽しむための新雪・コース攻略が目的なら、間違いなくほおの木平に分があります。
家族サービスや友人との温泉旅・保養がメインなら、平湯温泉を選べば外しません。
もちろん、平湯温泉に宿を取り、朝一はほおの木平で新雪を食い尽くし、午後は平湯に戻って家族とまったり滑る。
そんな贅沢な両取りプランすら可能な立地です。
歴史ある名湯につかりながら、飛騨の冬をゆったりと味わってみてはいかがでしょうか。
- Review by AllskiresortsJp -
ログインしてコメントを確認・投稿する