「日本人は…」「中国人は…」この言い方は、非論理的。
もちろん、「日本人は善悪の観念があいまいだ」などという極めて普遍的なものもありますが、よほど気を付けて使わないといけません。
「日本人」をすべてでなくても、ほぼ、大体知っている人などいません。
歴史も同じです。
私は、歴史を高校などで教えるのは問題があると思います。不正確だからです。
いろいろありますが、
牛肉の場合、
1 日本書紀 巻三 に、神武天皇に牛が献上されたとある。また、四月一日から九月三十日まで、牛・馬・犬・猿・鳥を食べることが禁止されていた。ということは、これらは食べられていたことになります。
2 九世紀の『古語拾遺』、十世紀の『和名類聚抄』にも、食べられていたことが明らかに書いてあります。
3 鎌倉時代の親鸞は、浄肉文を書写しています。
『涅槃経』(北本巻一八梵行品 南本巻一六梵行品)言、
「人・蛇・象・馬・師子・狗(いぬ)・猪・狐・獼猴(さる)・驢(うさぎむま。ロバのこと)。」十種不浄肉食
又(北本巻四如来性品 南本巻四 四相品)言、「三種の浄肉。」
見・聞・疑。見といふは、わがめのまへにて殺ころす肉を食するなり。聞といふは、わがれうにとりたるを食するをいふ。疑といふは、わがれうかとうたがひながら肉食するをいふなり。この三つの肉食を不浄といふ。この三つのやうをはなれたるを、三種のきよき肉食といふなり。
殺されるところをみたり、自分のために殺したと知らない肉は、喰ってもいいとしています。しかも、十種不浄肉には、牛肉は入っていません。
しかも、『涅槃経』は、真言宗が重視する経典です。だから、実際は相当多くの僧侶が食べていたのではないでしょうか。
この辺で、駆け足になりますが、
戦国時代は多く牛が食べられ、
豊臣秀吉は、ワカ(牛肉)の禁令を出しながら、自分は好み、
松永貞徳の『慰草』」(寛政年間。江戸時代)にあるように、ワカは京都を中心に庶民に食われ、
『和漢三才図会』(正徳年間 江戸中期)にも記載があります。
彦根藩は、牛肉の味噌漬けを作り、御三家が食べています。また、喰いたいから売ってくれというリクエストが多かったそうです。
実際に、横浜や江戸には、肉の小売店がありました。
だから、
日本の牛肉食の歴史は薄い
という説には、何の根拠もありません。
実際問題として、ぼくは、松坂牛よりうまい牛肉を外国で食った記憶は、ありません。
トロワグロでも、天厨菜館でも。
多彩な料理が発達する必要はなかったのではないかと思います。マグロのトロと同じです。
ただし、すき焼きは、関西式でないと論じられないでしょうね。
一般に、「日本は…」などの総称の判断は、論理性がありません。
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