「…我が国は君らを野放しにしとくほど甘くない」
1973年、クーデター直後のチリ。
ニューヨークから実業家エドワード・ホーマンかやってきた。2週間前、息子のチャーリーが「消えた」のだ。チャーリーの嫁ベスは軍に逮捕されたと主張するが、アメリカ領事館の調べでは逮捕の記録は無いらしい。パットナム領事の結論は、チャーリーは左翼活動家のため何処かに潜伏中というものだった。チャーリー&ベスの住んでいた家やその近所を聞き込みに回り、連行の目撃者が大勢いることを知ったホーマンは、この失踪に米政府が絡んでいるのではと疑い始める。
「ミッシング」
戒厳下での突然の射殺、巨大スタジアムへの一斉収容、部屋に並べられた無数の死体…戦争映画とはまた違う、近未来ディストピア映画のような描写が恐ろしい。「アイム・スティル・ヒア」を観た時に見直したいなと思っていたところ、中古DVD店で叩き売りしてるのを見つけて購入しました。
シシー・スペイセクが前半ただキュートなだけの若妻だったのが徐々に逞しくなっていくサマもいいけど、なんと言ってもジャック・レモンの名演に尽きますね。消えた息子を追ううちに、冷えていた親子関係を悔やんでいくホーマン。最初は気に食わなかった嫁ベスと次第に心を通わせていくのも良かったねえ。真実を知った後の涙にもらい泣き…ヴァンゲリスのテーマ曲がまた感動的なのよ…チリを去るときのレモンの捨て台詞がズシンと胸に来ます。
当然といえば当然なオチに着地して、後味は苦い。自国権益ファーストなアメリカの暗部を描き出して腹立たしい話なんだが、後にアメリカにシッペ返しがくることを知っているとやや複雑。チリ・クーデターの日付は1973年、9月11日なのだ。
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