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2025年08月01日16:45

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フォーレの悲歌劇『プロメテ』

・フォーレ:悲歌劇『プロメテ』作品82 全曲

ソプラノ:ベルト・モンマール、ジャニーヌ・ミショー
メゾ・ソプラノ:ジャニーヌ・コラール
テノール:エミール・ベルクール、ジャン・モリアン
バス:アンドレ・ヴェシエール
ルイ・ド・フロマン指揮、フランス放送協会管弦楽団、同合唱団

録音:1961年ライヴ(モノラル)
ワーナー:フォーレ作品全集(26CD)より

またボックスセットを買ってしまったf^^;。ワーナーのフォーレ作品全集26枚組。手持ちと被っているのがけっこうあってしばらく見送っていました。が、あらためて内容を確認したら『プロメテ』全曲を発見。フォーレの知られざるスペクタクル超大作じゃありませんか! 録音ないんだろうとあきらめてました。もう一つのオペラ『ペネロープ』も録音希少で、こちらはロイド=ジョーンズが指揮したものが手持ちにあるのですが、演奏はともかく音質が悪く、CDケースの意匠を含めて盗み撮りかといいたくなるような代物。まともなのが欲しかった。ボックスにはジェシー・ノーマンがタイトルロールを歌ったデュトワ盤が収録されています。この2つだけでも入手する価値があると判断しました。

なお、全集で26枚は少ないような気もしますが、同じ曲の編成や版違いがカバーされていたり、23枚目以降はヒストリカル録音ということでさらにダブりもあって、全作品が実質的には20枚とちょっとで足りていそう。つまり、フォーレはオペラ以外に長い曲を書いていないということか。

さっそく『プロメテ』から。CD19枚目に全曲が収録されています。1961年のライヴ録音ですが、なぜかモノラル。音源はINAで、どうやらEMIでもスタジオ録音は企画されなかったんでしょう。これは800名に上る出演者による野外公演のための作品で、初演は1900年。世紀末の時代にはこうしたモニュメンタルな大規模上演が流行っていたものかと。フォーレの一般的イメージとはおよそかけ離れていますが、マーラーの交響曲第8番の初演より10年も早いことを考えると、もっと認識されていいんじゃないかと思います。ただし聴いた感じでは、初演時の編成ではなさそう。説明はなにもありませんが、ロジェ=デュカスが一般の演奏会用に縮小したオーケストラ版があり、それによっているようです。実は初演時のオーケストレーションもフォーレ自身ではなく、出演したモンペリエの軍学隊長によるものなので、フォーレが一人で全部オーケストレーションした管弦楽曲は存在しないのかもf^^;。

またこの曲。ギリシア神話のプロメテウスを題材にしていますが、主役のプロメテ、ヒロインのパンドール、第3幕に登場する使者エルメスの3人は語りのみで歌がなく、歌うのはそれ以外の脇役たちというよくわからない割り振りになっています。ジャンルとしては「悲歌劇」とか「抒情悲劇」とか呼ばれるオペラの一種で、そのせい? この録音では語りが省略されており、おかげで全3幕65分程度で収まっているものの、プロメテとパンドールは存在感なしというか、出番がないからそもそもキャスティングされていません(爆)。ストーリーもパンドールが死んだり生き返ったりするご都合主義が批判されていますが、フランス語わからないからそこは気にしないf^^;。

そんなこんなでいわくつきの作品ですが、音楽はやはりフォーレでした。『ペレアスとメリザンド』より後の作曲で、野外上演を意識してでしょう、声部が簡明・単純化されているにもかかわらず、美しい響きが聴けます。オーケストラ編曲も悪くない。モノラルだけど。声楽は6人がクレジットされていますが、知らない人ばかり。主役がいないせいか?のびのび歌っています。この歌を聴くと、フォーレのメロディがフランス語の発音と密接に結びついていて、決してドイツ風にはならないことが感じられます。ビア役のソプラノはドラマティックでワーグナーの影響を感じさせますが、ビアは「暴力」の権化だし、メサジェと共作したピアノ曲「バイロイトの思い出」でワーグナーのパロディを書いたりしているフォーレですから、わかっていてあえてそれっぽくしている可能性もあります。それで、あのー、やっぱりだれかステレオ録音してくれませんかねー。語りがネックかもしれないけど、もっと聴かれていい曲です。
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