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2025年07月06日22:02

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池田知愛チェロリサイタル

・シューマン:アダージョとアレグロ 作品70
・シューマン:女の愛と生涯 作品42
・ブラームス:チェロソナタ第1番ホ短調 作品38

池田知愛(Vc.)、越智可奈子(Pf.)
2025年7月6日(日)、門司赤煉瓦プレイス赤煉瓦ホール

予定していなかったのですが、時間が空いていたのと場所が近くということで、当日券を購入して聴きました。池田知愛さんは現在北九州グランフィルの団員で、チェロは3歳から弾いているそうです。ご本人によると生誕30周年記念のリサイタルとのことで、メインプログラムにはいちばん好きだというブラームスの1番のソナタが置かれました。

前半のシューマン、みっちには涙ものでした。アダージョとアレグロのしっとりした始まりからいいなあ、と。アレグロに入って、ふつうはここで歯切れよく弾き方を変えたりして前半との対比を付けるべきところなんでしょうが、主題のしっとり感がけっこう残っており、これが彼女の個性なんだろうなと感じました。

続く歌曲集「女の愛と生涯」も同様のアプローチ。前半、とくに2曲目はさすがにもう少し初々しさと溌剌とした高揚が欲しいと思いましたが、4曲目あたりから曲想に演奏がハマり始め、5曲目でピアノの後奏が結婚式を示して以降、会場のあちこちから鼻を啜る音が聞こえ始めました。これはきっと、音楽に自分の人生や体験を重ねられた方が多くいらっしゃったんでしょう。そんな共通体験のないはずのみっちまでなぜかキテます(爆)。声楽曲を楽器で弾く場合、例えば箇所によってはオクターヴ上げたり細分化したりして技巧を凝らす工夫がよく見られるところ、そういうことが全然なく、素直に弾いていたのがかえって音楽の象徴性を強めているように感じました。日ごろ歌曲に接する機会が乏しく、例えば「詩人の恋」でも始まりは素敵だと思っても曲が進むうちにダレてくることが多いのですが、この曲集は数も多すぎずまとまりがいいので、みっちもいつか挑戦してみたいな。

メインプロのブラームス1番。柔らかく滑らかな低音の鳴りに、この曲への愛着を十分感じました。第1楽章提示部を繰り返したのもその一環でしょう。個人的にはこの曲、老人が繰り言をぶつくさ垂れているようなf^^;そんな低徊趣味が感じられるのですが、好きな人にはそれがたまらないのかも。というわけでシューマンほどの浸透力、共感性はありませんでしたが、どの楽章も充実していました。紹介していませんでしたが、ピアノの越智さんも、チェロにぴったり付いていて、え、そんなところまで合うの?というくらい呼吸が一致していて素晴らしかった。この方のソロも聴きたいですね。アンコールには、ブラームスの子守歌。うーん、いい演奏会だった。お二人の今後ますますのご活躍をお祈りします!
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