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2025年04月20日16:54

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クレツキ/バイエルン放送響によるブルックナー:交響曲第7番ライヴ

・ブルックナー:交響曲第7番ホ長調
パウル・クレツキ指揮、バイエルン放送交響楽団

録音:1973年1月(ライヴ)
JANUS CLASSICS JACL-5

ヤヌス・クラシックスは中国の新レーベル。CD1枚が4,000円超えとはどういう強気なのか? しかしパウル・クレツキのブルックナー! クレツキのブルックナー録音がほかにあるのか知らないのですが、完全初出の上、2ヶ月後にクレツキが他界してしまいこれが最後のコンサートとなったという。買わずばなるまいf^^;。

クレツキはEMIにマーラーやシベリウスの録音があり、廉価盤で出ていたためになじみがありました。その後、スプラフォン・レーベルからチェコ・フィルを振ったベートーヴェン交響曲全集も出て話題になりました。これらから聴けるクレツキの特徴は、精妙ともいえる合奏の美しさ。合奏精度の高さといえば、セルやライナーなどハンガリー出身の指揮者が思い浮かびますが、ポーランドにもクレツキ以降スクロヴァチェフスキ、ヴィト、ウルバンスキと連なる系譜があって、よりヨーロッパ的な響きを感じるのはみっちだけ? ともかく、ステレオ録音を残してくれただけでもありがたいと思える指揮者です。

とはいえ、ブルックナーの7番は人気のわりに個人的にはそれほど好んで聴かない曲です。第1楽章は素晴らしいですが、第2楽章はいくらなんでも長すぎるし、フィナーレは逆に軽すぎて変。要するに楽章間のバランスが悪く、「竜頭蛇尾」の典型では?などと疑問を持っています。そういうわけで、初めて買ったLPレコードのブロムシュテット盤のほかにはバラ買いしたことがない作品です。でしたf^^;。

さて演奏は、全体を通じてライヴとは思えないような完成度の高さ。第1楽章の開始から上に書いたアンサンブルの妙がまさしく発揮されています。指揮はインテンポではなく、ひとつのテーマの中でさえ揺れがありますが、ごく自然に聴こえるのは音楽の流れとしてふさわしく、オケも共感しているからでしょう。長い第2楽章はクレツキが見通しよく聴かせてくれて助かります。スケルツォは主部の豪快さとキレのよさ、トリオの対照的な美しさが印象的。フィナーレは、フレーズの結びでいちいちリタルダンドして見得を切っているのがユーモラスで面白い。そのおかげで楽章の軽さも気になりません。ブルックナーにユーモアとは意外な取り合わせのように感じる人もいるでしょうが、例えば第5番のスケルツォ楽章の中間部に動物の鳴き声のようなクラリネットの音型とか、実はあるんですよ。多くの演奏がそういう要素をあまり活かしていないだけで。

え?!となったのが、フィナーレの結び直前の盛り上がりで急に音量が小さくなるところ。これはクレツキの解釈なのか? それとも録音上の問題か? それで思い出したのが、スクロヴァチェフスキが指揮したブルックナー5番で、第1楽章のコーダの高揚部、ミスターSは金管を抑えて木管の和音を浮き立たせるという必殺技を繰り出していました。もしかしてポーランドの伝統芸? ほかにもクレツキは、マーラーの1番フィナーレのコーダを短縮しており、これもクレツキの解釈なのかレコード収録上の都合なのかよくわからない。真相は不明ですが、この部分以外は充実の極みといえよう(爆)。個人的にはこの曲を聴く場合、真っ先に選ぶ演奏になりました。

音質については、バイエルン放送協会のアーカイブから発掘した音源を調整したようで、鮮度良好です。ただし、ライヴにしては会場ノイズなどが一切なく、ノイズ排除をかなり徹底している印象があります。これをやりすぎるとかつてのEMIのartリマスタリングのように音楽性の部分まで排除してしまうことになるから、ちょっと気になりました。ノイズも音楽のうち、くらいでいいと思いますが。
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